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注文が殺到!有機農法に最適な「ミミズの力で栄養満点の土作り」

注文が殺到!有機農法に最適な「ミミズの力で栄養満点の土作り」

食の安全や健康が求められているいま、世間から高い関心を集めている有機農法。化学肥料を使わない有機農法にはウシやウマの糞などが肥料として使われますが、最近はミミズの糞が注目を集めています。ミミズの糞で作る特殊肥料「みみずふん土(ど)」の製造を行っている、株式会社豊徳の管理部で営業グループ主任の小林清次(こばやしせいじ)さんと、営業グループリーダーの正村嘉子(まさむらかねこ)さんに話をうかがいました。

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ウシやウマの糞より微生物が活発な 「みみずふん土」の特徴

ミミズ

ミミズは土や有機物などを摂取し、粒状の糞を排出します。糞には土壌の有機的成分である腐植や、アミノ酸などの栄養素のほか、作物に吸収されやすいリン酸やカルシウム、マグネシウムも含むので、植物の生長に有益な土壌作りに役立ちます。

ミミズの腸には酵素が豊富に含まれており、摂取した微生物の酵素と合わさることで栄養たっぷりな糞ができます。また、ミミズの腸を通ると放線菌などの微生物の活動が活性化されます。これはウシやウマなどの堆肥にはない効果だといいます。

そのほか、「みみずふん土」は植物の生育を補助する微生物が棲みつきやすいため、土壌の改良にも効果的です。

「『みみずふん土』に含まれる有用菌が作物の根に付着し、植物と共に伸長することで、作物の根張りや養分の吸収が良くなります。そのため、『みみずふん土』を使って育てた野菜は糖度や栄養素が増えて、旨みや食味が増します。『みみずふん土』はどんな農作物にも使えます。」(小林さん)。

高知県でショウガを栽培している農家など、プロの農家にも愛用していただいているそうです。

土作りの3要素と「みみずふん土」の特性

ミミズ

良い土壌を作るには、有機栽培や化成栽培に関わらず、「物理性」「生物性」「化学性」のポイントを押さえることが大切です。そして、「みみずふん土」はこれらの要件をすべて併せ持っています。

では、3つのポイントをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

1:物理性

植物が水を吸い上げるために、土壌には水を蓄える保水力が必要です。一方、水はけが悪いと植物が窒息して枯れてしまうため、ある程度の排水性も求められます。さらに、根は酸素呼吸をしているため、通気性を保って土中に空気を送らなければなりません。

これらの「物理性」を兼ね備えているのが、土壌の粒子が小さな塊を形成する「団粒構造」の土です。

ミミズ

「ミミズの糞はコロコロとした団粒構造で耐水性にも優れているので、畑に入れると土の排水性と通気性が良くなり、保水力も最大で20%アップします。雨や干ばつにも強くなりますよ」(正村さん)。

2:生物性

土の中に多様な微生物が安定して棲みついていることは、「生物性」が豊かということです。土1グラムあたりには1億から10億の微生物が生息しており、根と共生しているものもあります。有用な微生物が植物の根と共生関係を持つことで、作物の生長促進に役立つ効果が期待できます。

「みみずふん土」の場合、糞に大量の微生物が含まれています。さらに、ミミズの腸は病原菌を殺す働きがあるため、腸を通った土は病原菌に対する耐性効果がアップします。

3:化学性

土作りの際は、植物の生長に必要な窒素、リン酸、カリウムなど様々な養分がバランスよく配合されているか、つまり「化学性」を考慮することも大切です。「みみずふん土」は、栄養やミネラルをバランス良く配合しています。

不要になった地域資源を有効活用 「みみずふん土」ができるまで

ミミズ

「みみずふん土」は、豊徳が所有する約1万5,000平方メートルの広大なミミズ養殖場で製造されています。

豊徳で飼育しているミミズは、シマミミズとレッドワームの交配種である「タイヘイ2号」。現在は500万匹以上を飼育しているそうです。原料は、地元のシイタケ農家の廃菌床ブロックを堆積発酵させた堆肥。ミミズをここで飼育し、堆肥を捕食させることで、「みみずふん土」を作ります。

「徳島県は菌床シイタケの生産量が日本一(※1)なのですが、生産時に発生する大量の菌床の処分に困っていました。そこで、廃菌床を『みみずふん土』の原料として再利用することにしたのです。

粉砕した廃菌床に、地元徳島の農家からいただいた米ぬかや牛糞を混ぜ合わせ、1年かけて堆肥化させます」。

ミミズ

できあがった堆肥は養殖場に入れますが、最初は土の塊があるため表面がごつごつとしています。しかし、ミミズが土の塊を捕食していくため、徐々に表面がなだらかになります。

捕食開始から2週間、土が平らな状態になったら、豊徳独自の技術で回収された後、天日乾燥で水分調整を行います。さらに、その中からミミズの糞だけを厳選して取り出し、精製したものを袋詰めして「みみずふん土」の完成です。

「原料の堆積自然発酵と餌入れから製品化までの月日を合わせると、『みみずふん土』ができるまで約2年。じっくりと時間をかけることで、より高品質な製品が完成します。豊徳の『みみずふん土』は有機JAS規格に認定され、有機特殊肥料にも登録されています」。

「みみずふん土」を導入した農家から、効果を実感する声が多数寄せられています。ショウガの根茎腐敗病に悩まされていた農家が「みみずふん土」を使い始めると、病害が発生しにくくなりました。ミミズの糞の成分によって、病原菌を抑える微生物が増えやすい環境を作っている可能性があると考えられています。

有機栽培を実践して、作物の病害や生育に悩んでいる方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

※2017年10月現在、みみずふん土はメディアの紹介などにより注目を浴びており、2年先まで注文がいっぱいの状態です。ご了承下さい。

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