マイナビ農業TOP > 販路・加工 > 宮崎をオリーブの一大産地に!日南産のオリーブオイルが初の商品化(2/2)

宮崎をオリーブの一大産地に!日南産のオリーブオイルが初の商品化(2/2)

宮崎をオリーブの一大産地に!日南産のオリーブオイルが初の商品化

宮崎・日南海岸。紺碧の海へ燦々(さんさん)と降り注ぐ太陽は、地中海のリゾートを思わせます。風光明媚なこの土地を、地中海原産のオリーブの産地にしようと、地元・南郷町の生産農家や大学、自治体がタッグを組みプロジェクトを推進。2017年秋には、日南産オリーブを使ったオリーブオイルを加工・販売し、観光客の人気を集めています。商品化までの道のりを、農家や行政OBら11人からなるNPO法人「日南オリーブ コンパネロ」のメンバーの皆さんに聞きました。

twitter twitter twitter

6年で10倍の収穫増 ついに商品化へ

2011年から、15軒ほどのミカンやマンゴー農家らが、海岸沿いや山間部で、約2千本のオリーブ木の栽培を始めました。塩害や虫害で枯れてしまう木も少なくありませんでしたが、両手のひらにいっぱいになる程度の量から始まり、毎年少しずつ収穫量は増えていきました。2017年には例年の5倍にあたる50kgが収穫できました。
何が奏功したのかは、まだはっきりと分からないといいますが、「受粉の時期にあたる、去年5月頃に晴れの日が続いたため、順調に結実し、増収となったのではないか」とメンバーは推測します。

オリーブの実は、傷が付くとすぐに酸化を始めてしまうため、収穫は一つ一つを手摘みで行いました。「オリーブはデリケート。はじめは『植えてればいっちゃが(いいよ)』とみんなで話していたけれど、どうやら違うよう」と池田さんは笑います。

生育上の謎も多いといいます。会長の井上勇一(いのうえ・ゆういち)さんは、元々は町内の養豚家でしたが、「獣害対策になれば」と4年前に約100本のオリーブを植え、これまで10種類ほどのオリーブを育ててきました。実が小さい種類の方が良質なオイルになるなど、オリーブの生態が少しずつ分かってきたといい、「収穫の時期の見守りは大変だけど、試行錯誤も含めてオリーブと向き合うのは楽しい」と、目を輝かせます。

搾油も、市内の酒谷という地で行いました。スペイン産のオリーブをブレンドし、日南産のオイル10%を含んだ「日南海岸オリーブオイル」が昨秋誕生しました。100g入り1200円、270g入り2800円の2種類を合計200本生産し、道の駅などに並べた結果、今年1月までに完売しました。搾りたてのオリーブオイルの魅力は、地元の人や観光客の間で、じわじわと広まりつつあります。

「農家がそれぞれ絞ったオイル」が理想

今後の目標は、収穫量を増やし、“100%日南産”のオイルを販売することですが、オリーブの栽培だけでなく、搾油の技術も普及させることも重要視しています。池田さんは、「農家が自力で加工まで行うようになることが理想。生産者の名前が書かれたボトルで売られるのなんていいですね」と話します。

今後は、大量生産を目指すのではなく、6次産業化の足掛かりになることを期待したいとのこと。理想は、オリーブの観光農園が増え、観光客が摘み取り体験や風光明媚なロケーションを楽しみに足を運び、地域が賑わうことだといいます。そのために、まずは収穫量を増やすことに注力していきたいと意気込みます。

現在は、日南市内で搾油した100%スペイン産のオリーブオイル(270g入り2,500円)のみを、「道の駅 なんごう」、「道の駅 酒谷」、「港の駅 めいつ」、「Aコープ 南郷店」の日南市内4カ所で販売。日南産オリーブオイル入りの商品は、今年10月以降のシーズンに再販予定。問い合わせは、井上会長(090-1163-2816)へ。

1 2

あわせて読みたい記事5選

関連記事

タイアップ企画

公式SNS

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する