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PR動画で農作物の売上UP 宮城県登米市の「Go!Hatto登米無双」

PR動画で農作物の売上UP 宮城県登米市の「Go!Hatto登米無双」

宮城県登米市は、市の魅力を発信する動画「Go!Hatto登米無双(ごはっと とめむそう)」を制作。おばあちゃんが主演のアクションムービーという斬新さも相まって、世間の注目を浴びました。また、動画の影響で登米市の認知度が上がったことで、郷土料理「はっと」の関連商品や、農産物の売り上げの向上にも繋がったそうです。今回は、「Go!Hatto登米無双」について、登米市企画部企画政策課に話をうかがいました。

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人口減の対策から始まった「Go!Hatto登米無双」制作

「Go!Hatto登米無双」は、怪しい男たちに奪われた登米市の郷土料理「はっと」を、主人公であるおばあちゃん・トメが取り戻しに行くアクションムービー。

「はっと」とは、小麦粉を練ったものを指で薄くのばして、醤油仕立ての汁で野菜などと一緒に茹で上げて食べる、郷土に伝わる家庭料理です。

「『Go!Hatto登米無双』を制作したきっかけは、市が抱える問題に目をむけてもらいたいためです」と担当者。登米市では現在、少子高齢化や転出超過など、人口減少に関する問題が深刻化しています。

そこで市は、「登米市の活気を維持するには、人口流出の防止や交流人口の拡大、若者や子育て世代の増加が必要」と考え、登米市の魅力の発信に一層力を入れていきました。

「市外の人には登米市のことを知ってもらい、市内の人には自分の住む町の良さを再発見して欲しいという思いがありました」登米市企画部企画政策課の担当者は語ります。

「Go!Hatto登米無双」の撮影は2016年10月にスタート。登米市シティプロモーションのキャッチコピー「うまし、たくまし、登米市」に込められている、登米市の豊かな自然と食、そして人々のたくましさを映像に取り入れながら、制作が進んでいきました。

動画は翌月の11月29日の公開から、わずか2週間で再生回数50万回を記録。2017年6月にはアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」の観光プロモーション映像部門で462作品もの中から、グランプリである「観光映像大賞(観光庁長官賞)」を受賞し、2017年11月7日には、第2弾も公開されました。

地元農家も動画制作に協力

登米市は、国が指定するキャベツとキュウリの指定産地です。また環境保全米の全国有数の産地であるなど、農業が盛んな地域として知られています。

「Go!Hatto登米無双」の第2弾では、主人公・トメと、都会から登米市に移住してきた女性・サチの2人が農作業をするシーンがあります。登米市の豊かな農風景を感じられる要素が入っています。

「登米市の基幹産業である農業を映像に入れたいと考え、農作業風景を撮影するため、農家さんから眺めの良い畑を借りました。畜産も盛んなので、牛舎の映像も盛り込むよう農家さんと調整を行いました。また、トメの近隣住民役として地元で農家を営んでいる方も出演しています」。

第2弾ではトメとサチ、近隣住民が「はっと」を作る場面もあります。そこで使用している野菜は、すべて登米市産のものを使用しているといいます。

「はっと」の動画がもたらした影響力

「Go!Hatto登米無双」はテレビやインターネットで多く取り上げられ、大きな反響を呼びました。動画を見た各地の人からは「主役のトメさんがカッコいい」「『はっと』を食べてみたいけれど、東京で食べられるのか」といった問い合わせが届いています。

また、第1弾のボスとの対決シーンで登場した国指定重要文化財『教育資料館』に、動画を見た方が訪問するなど、ロケ地を巡る観光効果もあるようです。

「2017年12月3日に市内で開催したはっとフェスティバルには、『Go!Hatto登米無双』を見てはっとに興味を持ち、食べるために福島県からきたというご家族もいらっしゃいました」。

動画は地元農業にも好影響をもたらしました。はっと粉や小麦粉などの関連商品の売り上げが伸びて、知名度もアップ。首都圏のホテルなどで「はっと」に関するイベントを開催することができました。

また、「Go!Hatto登米無双」が話題にのぼることで、登米市農産物の営業活動がスムーズになり、売り上げも良くなる相乗効果もあったそうです。

登米市を肌で感じる「女性限定ツアー」と「移住体験ツアー」

登米市の魅力を理解・体験してもらうため、登米市は市民による「魅力体験開発会議」を開催。そこで出たアイデアを基にツアーを開発し、「うまし、たくまし」が詰まった、登米市を巡る女性限定のツアーを企画しました。トメ役を務めた女優・殺陣師の金子早苗(かねこさなえ)さんがツアーに同行し、市の名所やロケ地を訪れました。

「ツアーでは、パワースポットである柳津虚空蔵尊で説法を拝聴し、道中では金子さんによる殺陣の伝授もありました。ランチメニューでは登米産仙台牛や登米の食材を使った料理を提供しました。そのほか、酒造の見学や『はっと』作り体験もツアーに盛り込んでおり、登米市の豊潤な自然が育んだ食を堪能していただきました」。

登米市では2017年度より、移住を検討している方を対象に農業を取り入れた移住体験ツアーも企画・実施。農業体験や、実際に移住して就農した方の経験談を聞く時間を設けています。また、移住して就農を希望する方にはツアー以外でも個別に相談に応じています。

ユニークなシナリオだけでなく、登米市の暮らしや美しい風景の映像も魅力的な「Go!Hatto登米無双」。第2弾の動画再生数50万回突破記念企画として、2017年12月から2018年1月まで、一部の市内料理店で、1日5食限定「登米無双2セット」を『はっと』にちなんだ810円で提供するキャンペーンも実施。まだまだ人気は健在のようです。

動画を使って地域や農作物のPRを考えている方は、登米市の取り組みを参考にしてみてはいかがでしょう。

登米市企画部企画政策課

シティプロモーションWEBサイト

画像提供:登米市

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