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「米屋の“とらや”になりたい」隅田屋商店【後編】(2/3)

柏木 智帆

ライター:

連載企画:お米ライターが行く!

「米屋の“とらや”になりたい」隅田屋商店【後編】

東京・浅草のお米屋「隅田屋商店」は、北海道大納言小豆をとらやが加工すると「とらやの羊羹」になるように、独自の精米の仕方で「隅田屋商店のお米」を販売しています。その手法は、ゆっくり時間をかけて玄米の皮を剥いていく「古式精米」。薄皮を残すことでお米が黄みがかって仕上がります。でも、お米は白いほど良いと思っていませんか?私たちは無意識に白いお米を選びがちです。それはどうしてなのでしょうか?

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黄みがかったお米の魅力は

「懐石 高野」の白ごはん

公益社団法人「日本炊飯協会」による米飯格付認定では、基準米飯に比べて「特に良好」なお米を「Aスペシャル」。基準米飯に比べて「良好」から「同等」なお米を「A」と格付けしています。これに満たないお米は格付認定を行っていません。

精米の品位基準にある「白度」を見ると、Aスペシャルは39%以上、Aは38%以上。一方で、隅田屋商店の白度は35%ほど。基準米飯に比べて「良好」「同等」以下ということになってしまいます。

では、白ければ白いほうがおいしいのでしょうか?

薄皮を残した黄色いお米は「香り高く味わい深い」と片山さんが言うように、お米の旨み成分は、糠層とでんぷん層の間にあると言われています。

隅田屋商店からお米を仕入れている東京・新橋の懐石料理店「高野」では、隅田屋商店に精米を微調整してもらうことで、お米を炊いたときの「ごはんの光り具合」と「旨み」を両立させています。店主の高野正義さんは「糊粉層(糠層)を残したほうが甘みが出やすいです。香りも白米の香りとも玄米の香りとも糠の香りとも違う、お米の甘い香りの中にほんの少しだけ穀物のいい香りが残っています」と評価。さらに、お米に合わせて圧力や回数を微調整しながら精米する技術によって、お米が割れにくく仕上がっていると言います。

どうやら、私たちは“白米神話”にとらわれすぎているのかもしれません。

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