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豊かな海と山の魅力がいっぱい! 静岡県の名産品【47都道府県の地域食材】

連載企画:47都道府県の地域食材

豊かな海と山の魅力がいっぱい! 静岡県の名産品【47都道府県の地域食材】

温暖な気候と農林水産業に適した地形。海水浴場や温泉など、観光地としても人気の静岡県は、食にも恵まれています。海の名物といえば、生シラスや桜エビでしょうか。一方で山の幸といえば、静岡茶が有名です。他にも、静岡県を代表する名産品は多く、食通の注目を常に集めています。さらなる発展を目指し、独自性をもって取り組んでいる静岡県。今回は豊富な名産品の中からいくつか厳選して紹介します。

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バリエーション豊かな生産物、静岡県が目指す発展とは

静岡県

静岡県は、海に面して県内の南北で高低差がある地形が特徴的です。そんな地形と気候を活かし、昔から食材豊かな生産地としての歴史を育んできました。
最も有名な名産品といえば静岡茶ですが、ミカンやイチゴなどの果物の全国シェア率が高いことも、忘れてはいけません。

もちろん、海の幸もあるのですから、十分な食材生産環境といえます。静岡県では、食に対してどのような取り組みをしているのでしょうか。

国内外に誇れる食材を育てるために、「しずおか食セレクション」という認定制度を設けています。認定は、セールスポイント、安全性、販売流通戦略、品質、消費者の評価の5項目をチェックし、県の外部審査委員が認定の可否を決定します。

つまり、生産者がマーケティングや生産安全性を意識することになり、出荷後の評価として、販売量や売り上げ、消費者からの評価まで見据えたもの作りに取り組む必要があります。

しずおか食セレクションは、静岡県にゆかりがある食材だけでなく、話題性も評価されるため、時代にあった情報発信力も求められているのです。
では、近年はどのような食材が注目されているのか、チェックしてみましょう。

次世代の定番トマトを目指して、高糖度トマト「アメーラ」

まるで果物のような甘さのアメーラは、高糖度のトマトです。温暖な気候である静岡県の地理、気候条件と相性がよく、生産者の高度な栽培技術も相まって、年々生産量を増やしている期待の名産品です。

かん水(※1)を抑えて栽培することで、一般的なトマトの約2倍の糖度で成熟します。名前の由来は、「甘いでしょ」という静岡弁。甘いトマトは料理人や一般消費者の注目を集めています。

静岡県農林技術研究所と生産者で研究して開発した養液栽培(※2)の成果も上々。出荷量はまだまだ増加傾向です。加工品ではアメーラを用いた生チョコが販売されています。また全国へ届けるお取り寄せもできるアメーラ。今後はより広範囲への流通販売を目指しています。

※1 かん水 種まきや植えつけ後、あるいは生育期間中に、作物に必要な水分を補給するため、畑や用土に水をかける作業。
※2 養液栽培 培地として土を用いず、作物の生育に必要な養水分を、水に肥料を溶かした液状肥料(培養液)として与えて栽培する方法。

静岡県産ミカンの主力、青島みかん

青島みかん

県内全域で収穫される青島みかんは、糖度と酸度のバランスがよく、どちらも高い数値が自慢です。メインは12月中旬から3月ですが、貯蔵性があり、生産技術の向上から旬の時期はもう少し長めになります。

生で食べることが一般的ですが、加工品のバリエーションも多いです。また、ジュースやゼリーなどにも使用されているため、土産の原材料になっています。

限定農家で飼育された静岡型銘柄豚「ふじのくに」

ふじのくに

静岡県は畜産物よりも海産物のイメージが強いかもしれませんが、畜産業は牛肉も豚肉も品質が良いと評判です。

ふじのくには、県内の5つの地域で飼育されており、「フジヨーク」と「フジロック」がベースとなり改良生産されました。繊維が細かい肉はやわらかく、まろやかな舌ざわりです。とんかつや焼肉、煮物などに適しています。

静岡県中小家畜研究センターが開発したため、静岡県独自の銘柄豚として全国区を目指している隠れた名産品なのです。

食べ方が楽しめる、駿河湾産さくらえび

駿河湾産さくらえび

静岡市清水区にある由比漁港、焼津市の大井川港で水揚げされるさくらえびは、駿河湾と台湾南部でしか漁獲されない、貴重な品種です。体長は4センチ以下と小振りなエビで、周辺地域で釜揚げや素干し、佃煮に加工されることが多いです。

新鮮な物は生食が可能で、わさび醤油で食べることがおすすめされています。他県へ出荷されるものは、急速冷凍されるものが増え、年に2回の漁期がありますが全国で購入できて楽しめる名産品です。

通常の漁期は、3月末~6月上旬と、10月末~12月末。将来を見据えた資源管理と、環境に配慮した漁業が徹底され、毎年2000トン程度の安定した漁獲量を維持しています。

静岡における名産品の王者、静岡茶

静岡茶

静岡県の代名詞ともいえる静岡茶は、県内全域で栽培されています。そのため、県内各地域で栽培される、本山茶や島田茶、藤枝茶などを総称して静岡茶と呼ばれます。

品種や製造方法が増えたことにより、特徴のあるブランド茶も増えてきました。基本的には飲用ですが、茶染めの衣類や茶そば、食べる茶などへの加工品も豊富です。
本来の栽培方法を用いる生産者の高齢化が問題になっていますが、新たな栽培方法の普及の成果もあり、収穫量は安定傾向にあります。

海も陸も食の名産品の宝庫である静岡県も、生産者の高齢化問題などの課題はありますが、生産者たちの積極的な取り組み姿勢が、好調の秘訣と見受けられます。
紹介しきれない名産品も多くあり、東西のアクセスが良い静岡県へ、足をのばしてみてはいかがでしょうか。

※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。

参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)

【47都道府県の地域食材】 シリーズはこちら!

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