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‟飛騨・美濃伝統野菜”をはじめオンリーワン食材を目指す! 岐阜県の名産品【47都道府県の地域食材】

連載企画:47都道府県の地域食材

‟飛騨・美濃伝統野菜”をはじめオンリーワン食材を目指す! 岐阜県の名産品【47都道府県の地域食材】

全国シェア上位の特産品が多い岐阜県。カキやクリ、カブなどが有名です。畜産物では、飛騨牛が代表的ではないでしょうか。山々に囲まれた岐阜県ですので、水産物の生産はありません。しかし、美しい水で育った川魚がよく獲れます。そんな岐阜県では、伝統野菜のブランド化や、オンリーワンの食材ブランド作りに力を入れています。そこで、岐阜県の食材への取り組みや名産品の特徴についてまとめてみました。

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豊かな農作物によるオンリーワンブランドの確立

岐阜

岐阜県は、全国シェアが高い農産物を多く生産しています。全国的に有名な富有柿(ふゆうがき)や、「飛騨・美濃伝統野菜」に認定されている、南飛騨富士柿(みなみひだふじがき)などがあります。

また、ホウレンソウも全国順位上位にランクインしているため、首都圏でも口にする機会が多いでしょう。

山々に囲まれた岐阜県は農業従事者が多く、古くから上質な農産物を生産してきました。伝統ある野菜や果樹の生産を維持しながら、販売拠点を拡大するために、岐阜県では一定の要件を満たした品目を「飛騨・美濃伝統野菜」として認定しています。

また、ものから心の豊かさを重視し、少量・多品目生産への変化を目指しています。
島ごぼうや紅うどなど、古くからブランド力を保つ品目の維持と、岐阜いちごや、ひだほまれなど、新たな戦力となりうる農水産物の生産力向上、ブランド化のために、県の研究機関や生産者、行政が一丸となり販促フェアや海外へのアピールも積極的に行っているのです。

そこで今回は、岐阜県の名産品食材を紹介したいと思います。

飛騨・美濃伝統野菜認定品目の一つ、飛騨紅かぶ

飛騨市や高山市で生産される飛騨赤かぶは、飛騨・美濃伝統野菜の一つ。表面は赤く、内部が白い、飛騨高山の代表的な野菜です。
赤かぶ漬けや酢漬けなどに加工するために栽培され、その歴史はとても古いと言われています。

飛騨紅かぶは突然変異から生まれた品種で、大正時代に生産されていた「八賀かぶ」が赤くなったものが起源。コサカ種苗の小坂吉造氏が時間を掛けて品種改良し、現在の飛騨紅かぶが誕生したのです。

この飛騨紅かぶは冬季でも保存が効くよう、主に漬物にされることが多いため、収穫期に関わらず土産としても有名です。今後も岐阜県の代表的な加工食材として、全国的に展開されるでしょう。

小さなお子様からお年寄りまで、日本中で愛される富有柿

富有柿

首都圏のスーパーなどでも良く目にする、岐阜県を代表するカキの一つ。実が軟化しにくく、日持ちが良いため流通に適しています。

富有柿は種の有無に関わらず、甘柿として栽培できる品種。実の重さは300グラムほどで、果汁も多くジューシーな食感です。

また、袋を掛けて糖度を上げる栽培法で育ったものを、「袋掛け富有柿」といいます。こちらは少々割高で販売されています。

ちなみに、富有柿の由来は、明治時代に遡ります。瑞穂市居倉の福嶌才治(ふくしまさいじ)が命名し、100年以上の歴史を持つ名産品の一つになりました。

富有柿は生で食べるのが一般的ですが、熟成度により食感が変わるので、好みのタイミングで召し上がることができます。また、シャーベットやジャムとして加工販売されています。葉を用いた「柿葉茶」も人気の加工品です。

富有柿は岐阜県を代表する名産品として、熱のこもったPRがされています。そのため、全国的にも知名度が高く、生産者の意欲も高まっている状況です。
岐阜県の農産物の中で、安定した生産量と将来性のある品目といえるでしょう。

海外でも人気の和牛 飛騨牛

飛騨牛

岐阜県内全域で飼育される黒毛和牛。肉質はきめが細かく、やわらかいと好評で、口の中でとろけるとも表現されます。肉質等級は5等級、4等級、3等級に格付けされ、その肉はステーキやしゃぶしゃぶ、すき焼きなどで食べられます。

土産用や料理店などでも召し上がることができるので、岐阜県の畜産物の代表といえます。岐阜県内の観光プロモーションとセットでアピールされることがしばしあります。

清流に住む淡水魚カジカの養殖を目指して

淡水魚カジカ

海のない岐阜県では、川魚が好んで食べられてきました。アユが有名な岐阜県ですが、煮出した出汁が絶品のカジカもまた、山間部の郷土料理に欠かせない食材です。
かぶ、ごり、ちんかぶなど様々な呼び名がありますが、漢字では「河鹿」と表記し、カジカガエルという蛙に似ていることから、カジカと呼ばれるようになりました。

カジカは主に県の中部から北部にかけて生息し、小骨が少なく食べやすい魚です。
甘露煮や唐揚げなど、丸ごと食べることができる調理が好まれてきました。味噌汁や刺身もおすすめです。甘露煮に加工したものは、土産として入手することもできます。今後は養殖による生産数増加が課題です。

酒造好適米、ひだほまれ

ひだほまれ

飛騨地域で生産される米、ひだほまれ。岐阜県中山間農業研究場で育成される、いもち病耐性、耐倒伏性に優れている品種です。極大粒で酒米として適しているため、食卓に上ることはありません。岐阜県内の衆生メーカーに卸され、日本酒として加工されています。

「ひだみのり」が交配の親にあたり、生産地域の飛騨という地名と、酒造玄米としての評判にちなみ、ひだほまれと命名されています。

現在は岐阜県内の酒造メーカーへ販売されていますが、加工された日本酒が、全国区、海外への展開が望めるよう、力を入れている品目の一つです。

味と香りに自信、美濃茶

賀茂郡白川町、東白川村など、美濃地域を中心に栽培されている美濃茶の歴史は古く、江戸時代に遡ります。

昼夜の温度差が大きく、適度な降水量と土壌条件が、香りと風味豊かな茶葉を育成。主に煎茶にして飲まれています。
岐阜県では各組合などが団結し、より高い品質に仕上げ、収穫量を増やす努力をしています。

農産物の生産量が多い岐阜県。地域により気候が異なり、冬期の収穫量に差があるため、保存加工食の発展が目立ちます。

古くから生産されていたもの以外に、新たな生産量増加を目指す品目が、他にもたくさんあります。ぜひ、岐阜県の名産品や、名産品候補に注目してみてください。

※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。

参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)

【47都道府県の地域食材】 シリーズはこちら!

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