長野県の「おいしい信州ふーど(風土)」
長野県民の長寿を支えるともいわれる食材の数々。長野県は「プレミアム」「オリジナル」「ヘリテイジ」の3つの基準で食材を厳選し、「おいしい信州ふーど(風土)」として県内外へPRしています。
- 信州産の食材にこだわり、厳選基準に基づいた「プレミアム」
- 長野県で開発された新品種や全国シェア上位品目の「オリジナル」
- 伝統的・地域固有的価値を有するもの「ヘリテイジ」
それでは、長野県の代表的な生産品の数々を紹介します。
上野大根(うえのだいこん)
諏訪市豊田・上野地区で生産されている上野大根。高品質な「信州地大根(シンシュウジダイコン)」の一種で、肉質が硬く、長期間漬けても独特な風味と歯触りが損なわれないダイコンです。
加工用ダイコンとして、漬物に使用されます。生産地区内には加工施設があり、年間5万本以上がたくあん漬けとして販売されています。
上野地区が属するJA信州諏訪は、上野大根の消費拡大に協力しており、PR活動を行なったり、たくあん漬けの予約販売をとりまとめたりしています。体験農業受け入れ活動なども行われ、市民への浸透を図っています。
ハクサイ
南佐久郡南牧村・川上村・小海町、木曽郡木曽町・木祖などで生産されている長野県産のハクサイ。初夏から晩秋まで栽培されます。冷涼な気候と高い栽培技術によって、夏季は国内でもトップのシェア率となっています。
肉厚でやわらかい葉は甘く低カロリーで、食物繊維やカリウムといったミネラルを豊富に含みます。主に浅漬け、キムチ漬け、鍋物などに用いられています。また肉との相性も良いため、特に蒸し煮やクリーム煮がおすすめです。
生産状況を見てみると、安定した生産および出荷がされています。若く意欲的な生産者が多く、今後もおいしい長野県のハクサイが生産されていくと見込まれています。
レタス
長野県の夏季の冷涼な気候を利用して生産される、高原野菜の代表がレタスです。長野県産のレタスは、みずみずしさとパリッとした食感が特徴となっています。サラダやスープ、チャーハンの具などに用いられています。
生産状況を見てみると、夏季の信州を代表する高原野菜として、全国的にも高いシェア率を誇ります。後継生産者も多いため、今後も安定して生産されていくと見込まれています。
シナノゴールド(リンゴ)
長野、松本、北信など県下全域で生産されているシナノゴールドは、長野県オリジナル品種の黄色いリンゴです。バランスの良い甘みと酸味に、パリッとした食感と日持ちの良さが特徴です。10月中旬から11月中旬にかけて収穫されます。
シナノゴールドは、長野県だけでなく、国内のリンゴ生産県でも栽培されている品種です。また海外でも高く評価されており、2014年からはイタリアでも商業栽培がスタートしています。
信州黄金(しんしゅうおうごん)シャモ
県内全域で生産されている信州黄金シャモは、「シャモ」と「名古屋種」の掛け合わせで開発された地鶏です。
アミノ酸が豊富に含まれており、なかでもうまみを感じるグルタミン酸とアスパラギン酸、甘みを感じるセリンの3種類がたくさん含まれています。
信州サーモン
安曇野市、佐久市、下高井郡山ノ内町などで獲れる信州サーモンは、メスのニジマスと、オスのブラウントラウトの掛け合わせによって、両者の良いところを受け継いだサーモンです。
卵を作らないため産卵に必要となるエネルギーは肉に凝縮されており、年間を通して安定した味わいです。和洋中どんな料理にも適していますが、なかでも刺身はまろやかな旨みと適度な歯ごたえを堪能することができます。
風さやか(コメ)
下伊那、松本、長野、北信などの低暖地で生産される風さやか。長野県オリジナルのコメで、しっかりとした旨みと甘みが特徴的です。冷めてももっちりとした食感がありおいしいため、弁当やおにぎり、手巻き寿司などにも向いています。
生産状況を見てみると、今後は、長野県産米の主力品種の一つとして面積拡大が見込まれています。
長野県の代表的な特産品について紹介しました。オリジナル品種も積極的に開発されており、全国トップのシェア率を誇る生産物も多い長野県。人々の長寿を支える重要なものとして、今後も様々な分野の食材が積極的に生産され、発信されていくのではないでしょうか。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のデータをもとに作成しています。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)