マイナビ農業TOP > 農業ニュース > 232軒のイチゴ農家を救え!宮城県亘理町ギネス挑戦で震災復興へ(3/3)

232軒のイチゴ農家を救え!宮城県亘理町ギネス挑戦で震災復興へ(3/3)

232軒のイチゴ農家を救え!宮城県亘理町ギネス挑戦で震災復興へ

イチゴが町の農業生産額の約6割を占める、宮城県亘理町(わたりちょう)。東日本大震災で、イチゴ農家の9割以上が被災し、栽培用のビニールハウスは約94%が失われ、甚大な被害を受けました。そんな町で2017年3月に行われたのが、「世界最多人数で同時にイチゴ狩りを行う」ギネス記録への挑戦でした。本企画に込められた思いや背景について、亘理町企画財政課企画班の入木庸介(いりきようすけ)さんにお聞きしました。

twitter twitter twitter

1,141人でイチゴ狩り、ギネス記録に認定

2017年3月5日、「いちご団地」に1,134人もの人々が集まり、ギネス記録認定員の立会いのもと、イチゴ狩りが行われました。この結果、「同時にイチゴ狩りをした最多人数」として、公式にギネスの世界記録に認定されたのです。

「人口約3万3,000人ほどの町で1,000人を超える人が集められるのか、といった不安がありました。実際に募集を開始してみると、町外や県外からも多くの応募がありました。いちご団地のハウス内でのイベントのため、先着順として1,000人を募集しました。ですが、すぐに定員に達してしまいやむを得ず参加をお断りした方もいたほどです」。

いちご狩に参加した方からは、「記録達成の一員になれて嬉しい」という喜びの声が多く寄せられました。また、震災直後の町を知っている方は、震災から6年経って大記録を達成するまでに復興した町の姿を見て、感慨深く思っている方もいたようです。

ギネス記録認定証を持つ、亘理町の観光PR係長「わたりん」

さらに、ギネスの世界記録達成は亘理町のイチゴ農家にも大きなメリットをもたらしました。「支援いただいた方に元気な町の姿を見せることで恩返しになった」「亘理町のイチゴを広く知ってもらうことで、農業の復興にさらに弾みをつけたい」、さらに「イチゴの栽培で生活していける安心感を得られた」「東北一のイチゴ生産地の農家として誇りを持てた」など、意識の向上も見られたそうです。

ギネス記録達成は全国の様々なメディアで取り上げられ、亘理町の復興やイチゴ生産地としてのアピールにも繋がりました。イベント実施後、イチゴ農家の戸数が劇的に増えることはなかったものの、新規就農者がわずかに増えたり、イチゴ生産量や販売額も順調に右肩上がりで伸びているそうです。

農家と町全体に大きな勇気をもたらしたギネス記録挑戦。亘理町では、栽培方法の確立など、関係機関と連携し、さらなるイチゴの生産向上を目指しているそうです。「今後も全国の支援者に引き続き町の元気な姿を見せて、感謝の気持ちを伝えていきたい」とのことです。
 
宮城県亘理町
 
参考
亘理町東日本大震災活動等記録集(宮城県亘理町)

1 2 3

あわせて読みたい記事5選

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

公式SNS

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する