不足する「わら」の確保へ
また、水戸納豆のブランド力維持に欠かせないのが、稲わらを束にした「わらづと」を使った「わらづと納豆」です。殺菌処理を行ったわらづとに蒸した大豆と納豆菌を入れ、わらの中で発酵させるのが、伝統的な納豆の製造法です。スーパーで売られているパックではなく、わらづとに入った納豆は特別感もありおいしさも格別。水戸納豆の伝統文化を残していくためには不可欠です。
しかし、近年わらが不足し、生産者の高齢化や生産の機械化も追い討ちをかけ、「わらづと納豆」の生産量が減ってきているそうです。そこで、米を作った後の稲わらを提供してもらえるよう、地元の稲作農家と契約を結ぶなど、水戸市ではわらの確保を積極的に行っているそうです。
人々の食生活も時代とともに変わっていく中、「納豆といえば水戸」というイメージを維持していくためには、メーカーだけでなく自治体をはじめ様々な取り組みが必要でしょう。地域の特産品PRに携わる方にとっても、水戸市の取り組みは参考にできる点があるのではないでしょうか。
参考
※1 家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2014年~2016年)総務省統計局