あらゆるいなり寿司に合うマデイラワイン
今回、特にいなり王子のお気に召したお酒は、マデイラワイン。ポルトガルのマデイラ島で造られ、発酵途中でブランデーを添加したアルコール度数の高いお酒です。

マデイラワインがお気に召したいなり王子
上品な甘みで、酸味と甘さのバランスがいいお酒は「どのいなり寿司にも合う」といなり王子。中でもイチオシのペアリングは、クルミいなりでした。
マイナビ編集部員からも「クルミいなりは噛んでいると味が濃くなっていくので、マデイラワインに合う」という声も。「あん肝いなりにも合いそう」など、濃厚な味わいのいなり寿司とのペアリングが人気でした。

「全日本いなり寿司協会」代表理事の衛藤さん(中央)、ライター柏木(左)もペアリングに参戦
もしかして、いなり寿司に合わせるお酒は若干の甘さがあるほうが合うのかもしれない…。そう感じたのは、マデイラワインとは対照的にすっきりドライなオレンジワインが、ワイン単体だとおいしいのになかなかマッチングするいなり寿司を見つけられなかったためです。
しかし、マイナビ編集部員の中では意外にも「牛すじ稲荷」とのペアリングが人気に。「牛すじと一緒に入った紅ショウガがオレンジワインと合う」「オレンジワインはワインの香りに負けない味を持った牛すじ稲荷が合う」という感想が出ました。
「牛すじ稲荷」は、赤ワインやビールとのペアリングも人気でしたが、「香る五目」に使う練りからしを「牛すじ稲荷」に使ってみた編集部員は「日本酒に合う!新しい発見!」と興奮気味。「お米とお酒のペアリングを探る」でも紹介した「後変(あとへん)」で楽しみの幅を広げていました。
今回、分かったことは、いなり寿司はあらゆるお酒に合わせやすいということ。
一方で、「『ビビンバいなり』に白ワインは強すぎる。ビビンバやキムチが強すぎてあまりマッチしない。日本酒が合う」という編集部員も。「焼肉寿司」のいなり寿司は「お酒に合う濃いめの味付け」という感想が出ましたが、やはりお酒の種類によって相性はあるようです。

東京・恵比寿で創作いなり寿司を楽しめる店「あげまき」の日本酒のソーダ割もお気に入りといういなり王子
ちなみに、いなり王子のお気に入りは、「ラム酒のよう」という東京・三ノ輪にある「富田屋」のいなり寿司。「創業時から継ぎ足しているタレでお揚げを煮ているので真っ黒。発酵してラム酒のような風味で甘いので『カヌレいなり』と呼んでいますが、これがコーヒーに合うのです」といなり王子。お酒と合わせたいいなり寿司もあれば、それ自体がお酒のような風味のいなり寿司まで。いなり寿司は、幅広く、奥行きがあり、懐の深い、なんとも魅力的なお米料理です。
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