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子ども食堂に聞いてみた! 野菜嫌いの克服テクニックとは!?

子ども食堂に聞いてみた! 野菜嫌いの克服テクニックとは!?

子どもがなかなか野菜を食べてくれない、と悩んでいる親は多いはず。そこで、野菜そのもののおいしさを味わえるメニューを心がけている子ども食堂「要町あさやけ子ども食堂」に、子どもに野菜をパクパク食べてもらうテクニックを教えてもらいました。孤食を楽しい食事に変える子ども食堂の利用方法なども紹介します。

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ほんのひと工夫が大事! 生野菜も残さず食べる子どもに

子どもが一人でも入れる食堂として2013年に誕生した要町あさやけ子ども食堂では、訪れた子ども達が、次々とごはんを完食! にぎやかで楽しい雰囲気に包まれながら、みんな野菜も残さず食べるのです。

店主の“山田じいじ”こと山田和夫さんは、楽しい食事の場づくりについて次のように語ります。
「うちには、親の帰りが遅く夕食を一人だけで食べていた子や、不登校だった子、赤ちゃん連れのシングルマザーなどが訪れます。決めているのは、何も聞かないこと。ボランティアも大学生からおばあちゃんまでさまざま。どんな人でも平等にウエルカムな雰囲気があるオープンな場だからこそ、楽しい空気が生まれているのだと思います。提供している料理では、子どもたちの健康のために、安心・安全で栄養のある献立づくりが基本です。限られた予算の中でも、知恵をしぼって、いろいろな料理に触れてもらっています。ここに来た子どもたちに食事の時間が楽しい場だと思ってもらえたら嬉しいですね」

「うちの子は好きなものしか食べてくれない」「子どもの野菜嫌いを克服させたい」。そんな悩みを抱える親は少なくないはず。そこで、生野菜も食べる子になるためのコツを聞いてきました。

ごはん、汁物、おかず、フルーツが献立の定番

子ども食堂のテクニックで、野菜が好きな子に!

子ども食堂のボランティアスタッフたちが実践している「子どもたちの完食につながったテクニック」を紹介します。

・いろんなおかずを少しずつ

要町あさやけ子ども食堂で提供するメニューは、スタッフたちが盛り付けて渡します。基本的におかわりは自由にできるので、最初の盛り付けはほんの少しずつにしているそう。「ほんのひと口ぐらいだったら食べられるかな」という気持ちになれる量なので、苦手な食材が入っていてもクリアできるんです。「完食できた!」という達成感にもつながります。

さらに、いろいろなおかずを並べることで、彩りが綺麗に。食欲が湧くために、見た目の華やかさにもこだわっています。

・生野菜は塩もみやマリネで食べやすく

よく登場するメニューのひとつに「ニンジンしりしり風サラダ」や「キャロットラペ」があります。ニンジンをスライサーなどで千切りにし、味付けをするだけで完成する簡単なレシピです。火を通さず、生のままのニンジンを食べられるので、栄養満点。子どもたちも好きな料理のひとつですが、生野菜を食べてもらうためのコツとして、必ず塩もみやマリネなどのひと手間を加えているそう。ニンジンは塩もみすることで、食感がやわからかくなり、口当たりもマイルドになるため、食べやすくなるのだとか。
他に、キャベツやタマネギのマリネ、キュウリと大根の甘酢和えなども生野菜を使った人気メニュー。

・スパイスやナッツを使って、ひと味変える

スパイスやナッツをプラスして定番のおかずの味にひと工夫すると、子どもたちが喜んで食べてくれるそう。ポテトサラダにクミンを入れたり、白菜の和え物にくるみを和えたりと、風味や食感を変化させることが子どもの「おいしい!」を引き出してくれます。

・全部食べたら“ご褒美おやつ”

おやつは最初からは出しません。完食した子どもには、ご褒美のおやつが待っています。それを楽しみにして、ごはんをもりもり食べる子どもたちもたくさんいます。なかなか食べきれない……とイヤな気持ちで食べるのではなく、何か楽しみが待っていると、明るい気持ちで食欲も増すようです。

この日の、完食した子にあげるご褒美デザートは「ウサギの白玉団子」

・周りに影響されてお箸がすすむ

子ども食堂では、たくさんの人と一緒に楽しくごはんが食べられる雰囲気です。そんな明るい食卓の雰囲気に飲まれて、思いがけず嫌いな野菜が食べられる子どももいるようです。また、同年代の子供たちや少し年上のお兄さん、お姉さんたちが野菜を食べている姿を見て、自分も食べようという気持ちが芽生えることも。他の人の食事の様子を観察することで、自分も見習おうという心が育ちます。

要町あさやけ子ども食堂ってどんな場所?

2013年より東京都豊島区でスタートした子ども食堂「要町あさやけ子ども食堂」は、子ども一人でも入れる食堂として、地域の人々に利用されています。

使っている食材は?

メニューは、旬の野菜中心の家庭的なやさしい味。ボランティアスタッフが、栄養バランスも考えた野菜たっぷりの料理を作ります。
この味を活かすのに使うのは、生活クラブ(生協)の食材と昔ながらの製法で作られた調味料、有機農家から送ってもらう余剰野菜など。近所のお寺の住職さんがお供え物の果物を持って来てくれたり、毎回手作りお菓子を作ってきてくれたりするなど、地域の方からの食材の支援もあります。近所のスーパーからの食材提供やフードバンクが廃棄前のまだ食べられる食材を送ってくれることも。

子ども食堂開催日には旬野菜がたくさん届きます

注文している生活クラブでは、無農薬や減農薬などの野菜を中心に販売しています。そのため、種類によっては皮ごと使えるのだとか。廃棄の部分が少なくなるだけではなく、栄養価の高いと言われる皮の部分も踏まえて料理が作れるというメリットが魅力です。

自宅兼パン屋を改装した一軒家を開放

要町あさやけ子ども食堂は、店主「山田じいじ」の自宅兼パン屋で、毎月第1・第3水曜日の17時30分から19時まで開催しています。子ども一人でも入れる食堂ですが、ほとんどは親子で来ているのだとか。子どもは100円、同伴者は300円で食事ができます。

2階の遊び部屋は子どもたちに大人気です

昨年放送された24時間テレビ「愛は地球を救う」(日本テレビ)でリフォームをしてもらい、2階には秘密基地と呼ばれる遊び部屋も誕生。1階にはテラス席もできました。児童書や絵本の部屋もあり、子どもたちにとっては、食事だけではなく遊ぶ楽しみも。子ども達の笑顔を引き出す子ども食堂。予約不要なので、ふらっと気軽に訪れてみてください!

要町あさやけ子ども食堂
 

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