【広島県大竹市】栽培から加工・販売まで力を入れる就農者を訪ねて

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【広島県大竹市】栽培から加工・販売まで力を入れる就農者を訪ねて

【広島県大竹市】栽培から加工・販売まで力を入れる就農者を訪ねて
最終更新日:2019年03月29日

広島県西部、山口県との県境にある大竹市は、沿岸部に工業地帯が広がるコンビナートの街です。
しかし、クルマで30分も北上すると風景は一変。「三倉岳」の雄大な自然が広がり、ふもとには水稲農家が点在しています。
そのほとんどは、他の仕事と農業を掛け持ちしている兼業農家。
またここ数年は、畑を借り受けて野菜作りに励む若手の就農者も見られるようになりました。
今回は、大竹市総務部 産業振興課から紹介いただいた、兼業と専業、2組の生産者を訪ねました。

合同会社『大竹特産ゆめ倶楽部』

「休耕田開拓プロジェクト」から大竹市の新たな特産品が誕生

大竹市栗谷町(くりたにちょう)の山間部、広大な畑と隣地の林を拠点に、ニンニクや唐辛子、青ジソや原木シイタケなどを栽培する合同会社『大竹特産ゆめ倶楽部』。会長を務めるのは、地元で農業と造園業を営む島原順二さんです。
同倶楽部の前身は、大竹市内の商工業者で結成された『大竹特産品研究グループ』。2010年より島原さんと有志4人(製麺業、設備業、牡蠣生産業、シイタケ栽培業)が、耕作放棄地を借りて作物を栽培し、特産品作りにつなげる『休耕田開拓プロジェクト』をスタートしました。

「荒れ果てた畑を野焼きして耕すところからの挑戦だったので、初めは大変でした。野菜栽培も商品作りも試行錯誤。でも、みんな好きで集まっている仲間。うまく作業分担して今日までやってきました」と島原さん。
そうして誕生したのが、イチジクや栗を使ったジャムや、『広島かきみそラー油』『生七味』『椎茸かき佃煮』などのヒット商品。
商品はいずれも栽培・収穫した農作物を原料とし、化学調味料・防腐剤無添加で加工。地元の直売所や広島市内の『ひろしま夢プラザ』、一部は東京・銀座のアンテナショップ『TAU』でも販売しています。

ニンニク畑を背景に。『大竹特産ゆめ倶楽部』の島原さんご夫妻(右)と能勢さん(左)

注目の健康食品「キクイモ」の栽培・商品化に力を入れていく

もっとも苦労した思い出について、「2期目からの土づくりです」と島原さんは振り返ります。
整地したばかりの1期目とは異なり、もともと耕作放棄されていた地力がない土壌では、同じ条件で良質な野菜が育たなかったそうです。
そこで、冬季のシイタケ栽培(ハウス栽培)に使う薪から出た灰や、手作りの堆肥を土に混ぜ、有機肥料による栽培を本格化。
肥料代がかからないので、その分の利益が出るという相乗効果も生まれました。

『大竹特産ゆめ倶楽部』のメンバーはそれぞれに本業があり、しかも自営業や会社代表という立場の方ばかり。
融通を利かせて活動に顔を出しやすく、協力しやすいというメリットがあるそうです。
そんな同倶楽部がここ数年力を入れているのが、健康食品として注目を集めるキクイモ栽培。
大竹市全体で生産・商品化を盛り上げており、既にキクイモチップスやパウダーなどの加工品が誕生しています。
「キクイモ栽培は、全国的に見てどの地域も同レベル。だから今後もっと注力して、広島県を引っ張っていく法人になりたい」と島原さん。
活動を通していちばん嬉しい瞬間は、「収穫した農作物が商品となり、祝い酒を飲む時」だそうです。
「みんなのモチベーションの源ですよ」と思わず相好が崩れました。

キクイモは、血糖値上昇を抑えるイヌリンを含んでいるので、成人病に効果的です

合同会社 大竹特産ゆめ倶楽部


小川農園 小川裕希恵さん

季節を感じられる仕事に魅せられて「本業化」した野菜作り

三倉岳の雄姿を望む栗谷町の畑で、黙々と土に向かう小川農園の小川裕希恵さん。
もともとは廿日市市内で会社員として働いていましたが、この町で農業をしていた友人の影響で自身も畑に通うようになりました。
「野菜のお世話をしていたら、会社勤めとの兼業では時間が足りなくなってしまって……。地元の方の厚意で畑を借りて、6年前から農業1本です」と屈託のない笑顔を見せます。
初めは「種をまけば野菜は育つだろう」くらいの思いで、食べたいものを栽培していましたが、芽は出ても大きくならず、それぞれの野菜に合った肥料が必要なことや、天候・気温との兼ね合いを学びました。
今では主に、有機栽培による根菜(3~4種類の人参、サトイモ、大根など)やハーブを育てています。
また、栗谷町の畑は一つひとつが小さめだという特徴があります。
栽培できる量が必然的に限られてくるため、利益を出すためには、農業と商売を結び付ける工夫が必要だったそうです。
そうして誕生したのが、干し野菜やハーブティなどの加工品。野菜の説明やレシピをパッケージに添え、地元の直売所やJAの産直市場などで販売しています。

「あっという間に6年経ちました。農業仲間がもっと増えてほしい」と小川さん

地域の農家同士を結ぶ工夫・仕組みを考えていきたい

毎日、ほぼ1人で作業している小川さんですが、「不思議と孤独は感じないんですよ」と話します。
近所の農家の方が差し入れをしてくれたり、購入したトラクター置き場を作ってくれたりと、周りのサポートにいつも支えられています。
「農家は各家で農作物の作り方や向き合い方が違いますが、譲れないところは尊重しつつ、同時に横のつながりも強くできたら、連携できる仕組みを整えていけると思うんです」と、地域の将来についても話してくれました。
本格的に就農して、会社員時代には考えられなかった「自由さ」を実感しているという小川さん。農業の未知なる可能性の部分を、まだまだ追求していきたいそうです。

干し野菜やブレンド茶などの商品。パッケージにも女性目線のセンスが光ります

さいごに

栗谷町をはじめ、大竹市山間部にはたくさんの農地があります。作物が育つ土壌を守り、放棄地になることを防止するために、行政側は農業をしたい人とのマッチング等を行っています。
「お勧めしたいのは週末だけの農業、朝夕だけの農業など、敷居の低い兼業スタイル。そこから小川さんのように、本格的に就農する方が現れてくれれば幸いです。気軽に相談に来て下さい」と、大竹市からも最後に頼もしい助言がありました。


大竹市ホームページ

大竹市産業振興課
 広島県大竹市小方1丁目11番1号
 TEL:0827-59-2130
 E-mail:sangyo@city-otake.hiroshima.jp

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