都会のOLから一転! 旅先で出会った珍しい野菜で独自の農園を実現
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農業を継ぐ都会のOLから一転!
旅先で出会った珍しい野菜で
独自の農園を実現
足達 智子(あだち・ともこ)さん
「遠くのハワイより近くのイワイ」と言われ、海好きが集まる千葉県南房総の岩井海岸で、民宿を営む兼業農家で育ちました。東京で忙しい社会人生活を過ごした後、2015年に地元に戻り就農。独自の新しい野菜作りと加工品の開発にも力を入れています。
- 作っているもの
- 米、イタリア野菜、ハーブ 、タイ野菜、和野菜
- 働いている場所
- 大紺屋農園(おおごやのうえん)
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Q1就農のきっかけは何ですか?
実家が代々続く農家だったので、幼い頃は祖父母と畑に行って、夏はメロンやスイカ、ブドウなどを畑で食べて育ちました。今思えば贅沢な環境ですよね。実家で獲れるお米や野菜は民宿でも好評で、もう畳んでしまったのですが、今でも「ご飯が美味しかったから」と民宿の問い合わせがくるくらいです。
大学進学を機に都内での生活を始め、社会人生活も忙しく過ごしていたのですが、都心で買う野菜は実家の野菜と何かが違う……と疑問が出てきたんです。
一人っ子ということもあり家族と相談したうえで、ご先祖様が残してくれた土地を活用して、生活に切り離せない“食”の生産をするため、2015年から農業の道を選びました。
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Q2栽培している作物について、こだわりは?
第一は、農薬を使わずに栽培をすることですね。自分が安心して食べられるものを人にも届けたいんです。また、取引先のシェフを招いて農作業の体験をしてもらっています。(主に草取りなど、とても大変な仕事!)をしてもらい、収獲したものをその場で試食するという取り組みもしています。野菜ができるまでの過程を少しでも理解頂けると、シェフにも変化が生まれるかなと思っています。
あとは、学校給食への提供、イタリア料理とタイ料理教室の開催、農業学校の指導員など……安全で美味しいものを美味しく食べることが実現できる取組みはどんどんしています!今はやる事が増えてしまって、ちょっと追い付いてないのですが……(汗) -
Q3イタリア野菜やタイ野菜は、身近で作っている人も少なく大変だったと思います。何故つくろうと思ったのですか?
幼馴染がタイへ語学留学していた時に、しつこく誘われてタイに旅行に行ったことがきっかけです。それまでは全く興味を持たなかったタイ料理にすっかりハマっちゃって(笑)。現地でタイの文化を勉強したり、料理学校に通ったりもしました。帰国後、自分でタイ料理を作りたいと食材を探したんですが、品数がなく、あっても鮮度が悪かったので、それなら自分で作ろうかと。イタリア野菜は、祖父母、両親がロマネスコやエンダイブも昔から栽培していて、彩が綺麗で目でも楽しめる野菜だと思い、私も自分で栽培しようと思いました。タイ野菜なんかは身近に作っている人がいないので苦労もありますが、他の生産者との差別化が出来て良いと思っています。力を入れている加工品もそうですが、珍しいからこそ手にとってもらえていると思います。
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Q4農業をやっていて良かったと思う瞬間は?
本当に疲れて大変な仕事です。20キロの物を持ち上げたり、腰が痛くなったり、天候にも左右されますが、お客様に「美味しかったよ!また野菜送って!」「野菜嫌いな子供が食べるようになったよ」と言ってもらえたり、「今回はこんなメニューを作りました!」と、私の野菜で作った料理を写真に撮ってメールを送って下さったり……そんなお客様の反応をいただくと、疲れも吹き飛びます。先日は取引先のシェフから、「野菜の評判、良いですよ!」と、直接野菜を購入したいという方をご紹介いただきました。本当にお客様に支えられているな~と感じます!
1日のスケジュール
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Q5今後、農業を通して叶えたい夢は?
野菜嫌いの方に野菜が好きになるお手伝い、食育、料理教室の開催、あとは海外に農業体験や視察をして、現地で見て学びたいです!……やりたいことがあり過ぎます(笑)
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農業女子あるある
2、3日でも家を離れると畑が心配になる……!
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特技
収穫やパッキングが早い!
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必須アイテム
携帯カメラ。日々野菜の写真を撮るのが好きです。写真はオクラの花(ダビデの星) です。
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私の癒し
海外旅行です。
農業の「ここが面白い!」と感じることを教えてください!
植物観察が一番面白い!
です。
歩かない、日本語通じない、目がない、耳がない、脳がないのに動物を養う植物。日々驚きの連続です。