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自然豊かな地元にUターン 地域を守り農業と福祉を繋つなぐ

テーマ:農業を継ぐ

Profile

鎌部 真由美(かまべ・まゆみ)さん

作っているもの
働いている場所
農業女子PJ

農業を継ぐ自然豊かな地元にUターン
地域を守り農業と福祉をつなぐ

鎌部 真由美(かまべ・まゆみ)さん

「地域の土地を守りたい」との思いで、京都・綾部で実家のコメ農家を継いだ農業女子。現在では3世代で田んぼを守っています。地域のベテランとのネットワークづくりや機械作業もお手のもの。10年以上福祉の現場で働いたキャリアを生かし、農業と福祉をつなぐ活動にも取り組んでいます。

作っているもの
水稲、京野菜
働いている場所
かまべファーム
  • Q1就農のきっかけを教えてください。

    父の跡を継ぐために2年前に専業農家になりました。でも、もともと父は大工で、高校を卒業して家を出るまで、うちは農家ではなかったんです。東京に出て働いて、結婚・離婚を経験して16年ほど前に実家に戻ると、実家は専業農家になっていました。過疎化が進む地域で受託オペレーターになった父がどんどん周りの畑を任されるようになり、一時は20ヘクタールも耕していたこともあったそうです。実家に戻った後、大学で福祉を学んで農業を手伝いながら福祉関係の仕事をしていましたが、次第に「この自然豊かな地域を守っていきたい」との思いが強くなり、2年前に父に“しぶしぶ”許してもらい、専業になりました。

  • Q2Uターン就農をしてよかったこと、ご苦労されたことはありますか?

    米農家は力仕事も多く肉体的には大変なのかもしれませんが、農作業自体は、大変と感じたことはないです。当たり前と思っているところがあるというか、父や周囲の農家の話を聞いていると、今は恵まれた時代だとすら感じます。ただ、離婚して実家に戻ったので、最初は肩身が狭かったです。この地域はとても田舎で農業をする同世代の女性がおらず、孤独を感じていたこともありました。こつこつと農業を手伝い、働く姿を見てもらって、やっと10年以上経って最近、地域にも認めてもらえるようになったと感じています。ただ、実家だということと、父が地元のつながりのおかげで、Iターンで就農される方よりは早く地域に馴染めたのかなと思っています。

  • Q3お父様から農業を継ぐうえで特に大事にされていること、また、努力されていることがあれば教えてください。

    父は「自分の利益より地域の土地を守りたい」という責任感で農業を続けてきたので、私も同じ気持ちで継いでいきたい。ただ、父は職人気質の人間なので、懇切丁寧に教えてくれることはなく、農業は見様見真似で学んでいます。私に対しては娘に苦労させたくないという思いなのか「女なんかにできるか」という態度で、研修に行って見聞きした新しい肥料や便利な機械の情報も父は聞く耳を持ちません。一方で、最近は18歳になる私の息子が農業に興味を持ち始めて、父は嬉しそうに教えています。力仕事や機械の操作などはかなり上達し、今は3世代で役割分担しながら農業をやっています。
    父は年齢とともに柔軟になってはきたもののまだ頑固なところもあります。「頑固な父とぶつかっていても仕方がない、父が元気なうちに何とか技術を継いでいきたい」という一心です。父の気質を分かっている地域のベテラン農家さんなどに間に入ってもらって、私の意見をそれとなく伝えてもらうようにしています。おかげ様で私が農業を継ぐことや新しい販路なども父が少しずつ受け入れてくれているので助かっています。

  • Q4鎌部さんが取り組んでいらっしゃる農業と福祉の連携について教えてください。

    息子が発達障害を持って生まれたことで福祉に興味を持ち、10年以上福祉の現場で働いてきました。農業と福祉両方に関わるようになって感じるのは「農業はどんな人も個性を生かして働ける仕事がある」ということです。また、現在ある「農福連携」の枠組みにとらわれず、障害者手帳の有無などに関わらず困難を抱える方と農業を結び付けていきたいと思っています。かまべファームでは、障害のある人や引きこもりの青少年などを知人を通して受け入れていますが、私がシングルマザーとして子育てをしてきたこともあり、片親世帯や貧困の問題にも関心があります。長く働いた福祉の世界でのネットワークを生かし、様々な方が農業で能力を活かせる環境を作っていきたいです。


  • Q5農業を「やっていて良かった」と思う瞬間は? また、今後の夢や展望も教えてください。

    高校を卒業して就職してから福祉の仕事をしている間もずっとサラリーマンをしてきたので、一事業者として肩書なく自分の名前で農業をすることでできるつながりの多さに驚き、この仕事をしてよかったと思っています。今は農業女子という言葉もでき、女性が農業をすることがクローズアップされる時代。でも、様々な農業女性と会って話を聞いてみると、男性のように地域ごとのグループに参加することの少ない農業女性は、まだまだ家族や子育てのこと、自分の仕事のことと、SOSを発信する場が持てない人が多いように感じます。せっかく農業女子のネットワークがあるので、農業の技術だけでなく、女性としての生き方や人生をサポートできるような活動にも取り組んでいきたいです。

    1日のスケジュール

  • 農業女子あるある

    独り言が増える。「毎日トマトとしかしゃべっていない」という農業女子もいました!

  • 特技

    マシン大好き。トラクター・コンバインの運転が得意。草刈りもよく褒められます。

  • 必須アイテム

    肌が弱いので日焼け止めにかぶれやすいので、メイクの上からでもスプレーできるノンアルコール・無着色・パラベンフリーの「ナヴィス リシャン」のUVスプレーは欠かせません。

  • 私の癒し

    友だちや家族との時間、温泉、縄跳び、オシャレする時間。農⇔農以外の切り替えが大事だと思っています。

寒さや雪対策はどうされていますか?

今年は暖冬で雪が少なかったですが、寒さや雪対策でされていることがあれば教えてください。

京都の農家 立松さんからのお答え

冬の作付け品種を絞り、雪下でも大丈夫な野菜を選んでいます。

露地なので雪が降った一昨年は大変でした。里芋が低温障害で溶け、大根も凍って全滅した経験から冬の作付け品種を絞り、雪下でも大丈夫な人参とキャベツ、ケールを栽培。

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