介護福祉士から農家を継ぐ
リピーター90% 楽しんで和める観光農園のヒミツ
Q1.農業を始めたきっかけは何ですか?
きっかけは祖母の介護です。自宅での看取りを希望していたため、私自身も介護士としての働き方を見直していた時に、家業の観光農園も忙しそうだったので、「家業を手伝うのもありか?」と考えるようになりました。そんな時、誘われて農業普及所主催の「りんご女性経営者セミナー」に参加したんです。「農業は大変で地味」というイメージとは違い、農業経営としての可能性や楽しさを知ることができて、素晴らしい農業経営者にも出会い、目から鱗でした。「農業って色々なことができるんだ!」と感じられて、継ぐことを決めました。
Q2.作物はどうやって決めましたか?
両親から受け継いでいます。父は57歳で農業を継いだのですが、当時、沼田市ではリンゴ農家が軒を連ねる「リンゴ団地」が盛り上がっており、祖父母の代から栽培品目の転換をしました。
観光農園がメインなので市場出荷はせず、農園運営、カフェでの接客、個別発送の対応がメインです。
Q3.土地はどうやって決めましたか?
代々家が所有する土地を使用しています。
Q4.師匠は誰ですか? どうやって修業しましたか?
両親です。栽培技術に関しては、就農12年目ですがまだまだ経験不足。普及所の研修会・講習会に参加しています。リンゴの栽培は、土づくりが作物の食味に影響するまで5年~10年かかると言われていて、これまでの成果が出てき始めた頃です。包丁を入れた時に引っかかりがなく、スッと切れて食感も良くなってきたと感じます。
Q5.助けになっている存在は?
農業を継ぐきっかけにもなった「りんご女性経営者セミナー」の農業仲間や、そのセミナーから生まれた「利根沼田しあわせ集まり理想の会・TNしありー’s」の仲間たちです。農家の嫁・女性という同じ立場で考えや思いを共有でき、自分も頑張ろうと思えます。
また、共同開発をしたりマルシェに出展するなど、経営面での支えにもなっています。
Q6.農業をやっていて良かったことは?逆に良くなかったこととは?
農繁期の忙しさは半端ないですが、ずっと続くわけではありません。それ以上に、自然の強さや美しさを感じながら、観光農園で沢山の人と出会える点は素晴らしい! 人生の宝物だと思います。ずっとやりたかったカフェもオープンし、好きなお菓子作りをしてお客様に振る舞うことができたのも、農業をやっていたからこそ!
Q7.「農業女子あるある」といえることは?
美味しい果物の見分けができる。リンゴは表面がザラっとしていて、ヘタの部分のくぼみは深く、お尻のくぼみがちょっと広がって黄色いものがおいしいです。
Q8.おすすめアイテムを教えてください。
日焼け予防では「ヤケーヌ」というアイテムが人気。しっかりガードできるのに暑くない日よけ。ワークマンの冷感UVインナーもお気に入り。
就農前にしても後にしても、きれい事では無く「学び」は大きいと思います。どの環境にいても、新しく得た知識や、既に持っている知識からの発展など、次から次へと常に学びがあります。大切なのは、それを得る事ができるよう、柔軟な心と頭を持つことだと自分に言い聞かせています。
兼業農家の長女として生まれるものの、卒業後は介護福祉士に。自宅での祖母の介護をきっかけに農業も手伝い始め、2008年に継ぐことを決めて就農。観光農園を運営しながら2012年には念願のカフェも開設。好奇心や楽しむことがモットーのパワフル農園主です。