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ロボット農機と最先端の情報基盤でスマート農業を加速 ~NTTグループと岩見沢市、北海道大学との農業分野における産官学連携~

ロボット農機と最先端の情報基盤でスマート農業を加速 ~NTTグループと岩見沢市、北海道大学との農業分野における産官学連携~

日本の農業は、就農人口の減少、高齢化、後継者不足という深刻な課題を抱えています。加えて、地方都市では地域産業の振興・再生による活性化と持続的発展も大きなテーマになっています。こうした社会問題と向き合い、農業を産業として持続させ、地域を盛り上げていくための取り組みが全国各地で繰り広げられています。その中でも注目したいのが、北の大地でさまざまなセクターの連携により動き出した、スマート農業の取り組みです。北海道岩見沢市で、ロボットトラクターやセンシング技術、ICT、AIを活用した先進的な農業の実現に向けた産官学連携協定が2019年6月28日に締結。その取り組みを取材しました。

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スマート農業の先進都市―北海道・岩見沢市

札幌の北に位置する岩見沢市は、道内陸上交通の要衝で、かつては石炭の集積地として栄え、炭鉱の閉山後は、広大な穀倉地帯を背景に国内でも有数の食料基地として発展してきました。

そんな岩見沢市でも、就農人口の減少と高齢化、後継者不足は喫緊の課題となっており、その対策のひとつとしてICTやAIといった先進技術を活用したスマート農業を積極的に推進しています。

そのきっかけは、地元の農業者がICTを農業に活用する研究会を2013年に立ち上げたことにはじまり、同年には早くも岩見沢市と北海道大学、JA、農業者などによる産官学連携体制も確立。

以降、現在実施されている『スマート農業加速化実証プロジェクト(2019~20年度の2カ年)』まで、連綿と続く取り組みの中で、市内13カ所に気象ステーションを整備し、農地には定点カメラやセンシング機器が設置されています。

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そこで得られた気象データや作物の生育状況、土壌の水分量、地温などの各種データは農業者に提供され、そのデータを活用してスマートフォンやタブレットによる遠隔操作で圃場の水管理が行えるシステムも導入。

これにより、水管理にかかる労働時間(全体の80%)を削減できたという実績も出ています。そのほかにも、北海道大学大学院農学研究院 副院長の野口伸教授を中心とした無人運転でのロボットトラクターの実証実験も進められています。

ロボット農機が切り開く、農業の未来

6月28日、岩見沢市内の農場では野口教授によるロボットトラクターの現地説明会が行われました。

農場内の非舗装の細い道を無人のロボットトラクターがゆったりとしたスピードで進み、タブレットからの指示に合わせて旋回するなど、高い精度でのコーナリングもスムーズにこなします。

また、人や障害物が近づくと自動的に停止してアラームを発信するなど、ロボット農機に求められる安全機能もきちんと搭載されていることを多くの参加者が実感しました。

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ロボットトラクターで使われているGNSS(全球測位衛星システム)の精度は高く、誤差はわずか2~3cm。凹凸のある農地を走行しながら作業精度を維持するために、姿勢を高度に計測するセンサーも搭載しています。

現状では、無人運転で耕うん作業などを行うことができ、自動運転に加えてタブレット操作で指示することも可能です。

野口教授らは、遠隔地からの監視・管理や、数台のロボットトラクターを同時に動かす協調作業についても実証実験を展開。実際に、7km離れた遠隔操作室から5台の無人トラクターを同時に動かし、畑を耕すことにも成功しています。

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「現状では遠隔操作にLTEの無線通信を用いているため、まだ若干の遅延があり、解像度の高い画像や映像を送りづらいという課題もあります。通信環境が整えば、近い将来、東京にいながら北海道の農地を耕すことも可能になるでしょう。ロボット農機が普及すれば農業者の負担も軽減されるので、農業の高付加価値化と規模の拡大を進め、“稼げる農業”を実現していただきたいですね」と、野口教授は抱負を語ります。

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スマートアグリシティの実現に向けた産官学連携協定を締結

ロボット農機をはじめ、スマート農業の実現を支えるのが通信ネットワークなどの情報基盤です。

遠隔での操作はもちろんのこと、車載カメラの映像などの大容量データをリアルタイムにやり取りするには、高速かつ、遅延を最低限に抑える高品位な通信環境が不可欠です。岩見沢市はLTEに加えて独自のブロードバンド環境を構築していますが、通信インフラの強化に向けて動き出しています。

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北海道大学と岩見沢市、および日本電信電話株式会社(NTT)、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、株式会社NTTドコモのNTTグループ3社は、岩見沢市におけるスマート農業の取り組みをさらに加速させることで合意。

『最先端の農業ロボット技術と情報通信技術の活用による世界トップレベルのスマート農業およびサステイナブルなスマートアグリシティの実現に向けた産官学連携協定』を6月28日に締結しました。

その中では、北海道大学と岩見沢市がこれまで進めてきたスマート農業の取り組みをさらに進化させ、社会実装していくとともに、持続可能な地方創生のモデルづくりも目指す、とされています。

協定で設定されたテーマは「A.高精度測位・位置情報配信基盤」、「B.次世代地域ネットワーク」、「C.高度情報処理技術およびAI基盤」の3つで、それぞれの概要は次のとおりです。

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A.高精度測位・位置情報配信基盤
ロボット農機の無人自動運転の精度をさらに高めるため、NTTドコモが提供予定の準天頂衛星みちびきを含むGNSSを活用した新たな測位と位置情報の方式を検討・検証していく。

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B.次世代地域ネットワーク
第5世代移動通信方式(5G)や岩見沢市が整備中のBWA(広帯域移動無線アクセスシステム)などを組み合わせ、ロボット農機の遠隔監視による無人状態での完全自動走行(レベル3)を可能とするネットワークを検討・検証。

さらに、NTTが提唱するネットワーク構想「IOWN(アイオン)」にもとづき、大容量化・低遅延・高信頼・低消費電力などを実現する機能別専用ネットワークの可能性についても検討を進める。

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C.高度情報処理技術およびAI基盤
ロボット農機からの映像など、さまざまなデータを効率的に伝送・圧縮するための処理技術を検討。また、ロボット農機をはじめとする各種機器で収集したデータを分析し、農作業の最適化に役立てるAIプラットフォームの検討を進める。
 

協定締結式でNTTの川添取締役はこの3つのテーマを説明した上で、「NTTの先端技術をいかに役立てていくか、それを実証するために、5者で連携して取り組みを進めたい」と語り、スマート農業推進に向けた決意を表しました。
 

スマート農業をベースにした地域活性化の取り組みと、未来につながるモデルづくりに向け、北海道大学と岩見沢市、そしてNTTグループの取り組みに注目です。
 
 
 

NTTグループの農業×ICTの取り組みはこちら

 
 

【イベント情報】

第9回農業Week
期間:2019年10月9日(水)~11日(金)
会場:幕張メッセ

イベントのホームページはこちら
 

<お問い合わせ>
日本電信電話株式会社
研究企画部門 食農プロデュース担当
久住、村山
東京都千代田区大手町一丁目5番1号
agri-ml@hco.ntt.co.jp

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