外資系OLから6次産業化農家へ
外資系OLが農家に嫁ぐ「農業は天職」と言えるまでの道のり
Q1.農業を始めたきっかけは何ですか?
きっかけは主人との出会いです。と言っても出会った時は同じ職場で、私が設計、主人は研究の仕事をしていました。結婚の際も、農業を継ぐ予定はありませんでした。ところが、次女が産まれて間もない時、突然主人から「実家の農業を継ぎたい」と告白されたんです。話が決まると主人は退職し、引っ越ししてすぐに就農。私は育児休職中だったので、しばらく経って就農しました。農作業に慣れてくると、自宅とハウスの往復だけでなく人と関わる新しい事に興味を持ち始めて、自宅に加工場を作り、6次化をスタートしました。今ではマルシェに出店して販売したり、気の合う仲間とイベントを開催しています。農業を始めた頃は、この仕事に全く魅力を感じなかったのですが、今では色々な分野と繋がることができる素敵な仕事で、天職だと思っています。
Q2.作物はどうやって決めましたか?
義父母の施設トマトをそのまま継承し、さまざまなトマトを栽培しています。一番人気は群馬産まれのフルーツトマト「甘しずく」です。
Q3.土地はどうやって決めましたか?
義父母の土地(44a)をそのまま継承しました。
Q4.師匠は誰ですか?どうやって修業しましたか?
主人と両親です。子どもが小さい時は、時短勤務をしながら人手が足りない時に手伝うというスタイルをとっていたので、作業しながら覚えていきました。
Q5.助けになっている存在は?
群馬県の手打ちパスタ専門店「コナリエ」の所長・中村実紀さんです。彼女がお店を始めるにあたって群馬の野菜に興味があり、そんな時に出会いました。悩みや愚痴も話しますが、それ以上に、やりたい事や楽しいアイデアを話すことが多く、とても助けになっています。
また、私がこんな風にいきいきと仕事が出来ているのも、家族の協力があってこそです。イベントや会議も気兼ねなく外出できますし、忙しい時は主人がご飯を作ってくれたり、娘は加工品のラベルやイベント告知のチラシなど作ってくれます。
Q6.農業をやっていて良かったことは?逆に良くなかったこととは?
農繁期はお誘いがあっても出かけられない点がもどかしいですが、農業を始めて、全国の元気な女性と出会えたのは良かった点です。また、自分なりに農業で叶えたい夢ができたことも大きいです。農園イベントやキャンプ、教室などをやってみたいですね。
Q7.「農業女子あるある」といえることは?
種まき後芽が出始めた萌え状態がとてもかわいく感じる。
Q8.おすすめアイテムを教えてください。
携帯ラジオ。地元の農家は「FMぐんま」をよく聴きます。農園名でリスナー投稿したところ、お客様に「ラジオ聴いたよ」と声をかけられたことも(笑)。以前テレビに出演した時よりも反響があってビックリしました。
就農してからの方が他分野のつながりが増えて、農家になったからこそ出会えた人達がたくさんいてとても楽しく、勉強にもなっています。
サラリーマンのご主人と職場結婚。農業と無縁の生活を送るなか、突然ご主人が実家の農業を継ぐことに。就農9年目となる今では「とまとや」の名称で自ら加工・販売し、全国の若手女性農業者を対象にした「農林水産政務官賞」を受賞。次世代を担う農業女性です。