反対を押し切り
実家で就農した農家の娘
父とは違う農業を 対立と継続から見えた農業経営の在り方
Q1.農業を始めたきっかけは何ですか?
東京で働いてた時に体調を崩したことがきっかけです。当時は忙しさにかまけて、便利な加工品や総菜を買い、ストレスを紛らわすためのお酒と夜更かし……不健康そのものでした。体が弱ると心も弱ってきて、「生活を見直そう!」と本を読み漁った結果、衣食住の大切さに辿り着きました。実家が農家だったこともあって農業をしたいと思ったのですが、専業での生活が難しいと兼業農家になった父からは「食べていかれるはずがない」と反対されました。更に慣行農法ではなく自然農法を選んだため、なんとか実家の農地を貸してもらえたものの、指導や応援はなく、別々に農業経営をしています。※その後進展があったので後述します。
Q2.作物はどうやって決めましたか?
需要がありそうなもので、自分が好きな食べ物です。
Q3.土地はどうやって決めましたか?
実家の農地を借りつつ、近隣の農地も借りています。
Q4.師匠は誰ですか? どうやって修業しましたか?
地元の有機栽培農家さん。まずは農薬を使わずにお米を栽培する技術を習得したかったので、地域で有名な方の所に1年間通って教えていただきました。
Q5.助けになっている存在は?
小さなお子様を持つ同年代の女性のお客様や、同じ栽培をしている仲間、先輩。
買い支え、応援してくださるお客様の存在は大きいです。自然栽培仲間や先輩たちは、知識や技術の共有はもちろん、就農当初の販路開拓の際に契約先を紹介してくださったり、本当に助けて頂いています。
Q6.農業をやっていて良かったことは? 逆に良くなかったこととは?
自分と同じ考え方の人と繋がれる点です。昔は人と話すことが億劫で、先生や上司からも可愛がられるタイプではありませんでした。農業を通じて私の考えに共感して下さる方々と出会い、今は人と話すのも楽しいし、明るくなったと思います。変わった、というより、本来の自分を取り戻した気がします。良くない点は、特に田んぼ作業の力仕事です。自然と体力がついていきますが、それでも消耗します。
Q7.「農業女子あるある」といえることは?
友人と出かけても見る場所が違う。つい田畑を見て「どんな作付けしているのかな」とか「病気になってるな~」とか気になってしまいます。
Q8.おすすめアイテムを教えてください。
UVカット防止付きの作業着、小物。肌が弱いので直接肌に付ける日焼け止めが使えず、重宝しています。
オール5にしたいところですが、力仕事で体力を消耗するため健康のみ4です。毎日楽しくて楽しくて仕方ないです(笑)。
山形県出身。物心がついたころから環境問題を意識する農家の娘。当初継ぐ予定はなく、就職を機に上京するも、体調を崩したことがきっかけで「自らの手で作物を作りたい」と地元に戻り就農。父との対立がありながらも、明るく強く挑戦する農業女子です。