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スナップエンドウの育て方を農家が解説 プランター栽培や摘心のコツも伝授

鮫島 理央

ライター:

スナップエンドウの育て方を農家が解説 プランター栽培や摘心のコツも伝授

緑色のサヤが美しいスナップエンドウ。畑でもプランターでも栽培できることから、家庭菜園では人気の野菜です。スナップエンドウは、きちんと栽培すれば一つの種からたくさんの実が収穫できることも大きな特徴。しかし、支柱の立て方や摘心の方法など、知らないと難しい作業も少なからずあります。本記事では、スナップエンドウの種まきから収穫まで、順を追って解説していくとともに、特に押さえたいポイントも詳しくお伝えします。ぜひ本記事を参考に、家庭菜園を楽しんでください!

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スナップエンドウの育て方のポイント

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スナップエンドウはそれほど栽培が難しくない野菜ですが、油断すると病害虫が発生しやすくなったり、うまく実がつかなかったりすることもあります。
次の三つのポイントに気をつけて、栽培しましょう。

  • 必ず苦土石灰をまく
  • 連作は避ける
  • 水はけの良い土壌を作る

以上の内容について、詳しく解説していきます。

必ず苦土石灰をまく

農業において、土壌のpHバランスは重要です。
酸性土壌は作物の成長に悪影響を及ぼすことがあります。
特に、スナップエンドウの場合、土壌を中和する必要があります。
そのため、栽培時には苦土石灰をまいて、土壌のpHを6.0から7.0に調整しましょう。

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連作は避ける

スナップエンドウは連作障害に敏感であるため、同じ土壌で繰り返し栽培するのは避けましょう。最適な栽培環境を整えるには、3〜4年間マメ科植物を栽培していない土地を選ぶことが重要です。
連作が避けられない場合は、土壌消毒を徹底する必要があります。

水はけの良い土壌を作る

スナップエンドウは寒さには強いですが、多湿を苦手とします。特に水はけの悪い土壌では、多湿状態が病害虫の発生原因となり得ます。
これを防ぐためには、畝を高くして水はけを改善することが効果的です。

スナップエンドウを畑で育てる方法

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スナップエンドウを畑で栽培するときの手順や方法について解説していきます。
順を追ってわかりやすく説明しますので、参考にしてください。

畑や畝の準備

スナップエンドウの栽培では、連作を避けることが大切です。種まきの2週間前には苦土石灰を、1週間前には堆肥(たいひ)と元肥を施します。ただし、元肥の過剰は秋に成長しすぎて越冬を困難にするため、注意が必要です。

また、つるぼけを防ぐために窒素肥料は控えめにしましょう。
水はけが悪い場合は高畝にすることで根腐れを防げます。これらの対策で健康なスナップエンドウを育てることができます。

種まき

スナップエンドウの種は、約3cmの深さにまきます。ビール瓶を使用して穴を作ると、均一な深さで簡単にまくことができます。
株間は30cmを目安にし、一カ所に4〜5粒をまきます。種をまいた後は、2cm程度の土をかけてから水やりをします。カラスやハトによる食害を防ぐため、本葉が出るまでは不織布で覆うと効果的です。

間引き

スナップエンドウは、本葉が2〜3枚出た段階で間引きを行います。最も成長が良い苗を選んで2本だけ残し、他は取り除きます。このようにして、健康で強いスナップエンドウの成長を促します。
また、別の方法として育苗を行い、苗が成長した後に植え付けることも可能です。

追肥

スナップエンドウの追肥のタイミングは植え付けた季節によって異なります。秋まきの場合、種まきから1カ月後と開花後に追肥を行います。春まきや夏まきでは、開花後や収穫最盛期が追肥の適切な時期です。
その後は収穫終了まで、1平方メートルあたり30gを目安に毎月追肥を施します。

防寒対策

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スナップエンドウは成長すると寒さに弱くなるため、草丈20cm以下で越冬させるのが理想です。
寒さから保護するためには、株元にもみ殻をまく、稲わらを敷く、寒冷紗(かんれいしゃ)をかけるなどの防寒対策が効果的です。これにより、低温によるダメージを最小限に抑え、健康な成長を促進します。

支柱立て

スナップエンドウのつるが伸び始めたら、支柱を立てネットかヒモを張ります。つるを誘引して絡ませることで、植物の成長を支えます。開花後は、乾燥を防ぐために適宜水やりを行いましょう。

収穫

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スナップエンドウの収穫は、開花から約25日後が適切な時期です。サヤの付け根をつまんで摘むか、ハサミを使って切り取ります。この時期を過ぎると実が硬くなるため、タイミングが重要です。適切な収穫時期に収穫することで、品質の高いスナップエンドウを楽しむことができます。

スナップエンドウをプランターで育てる方法

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スナップエンドウをプランターで栽培するときの手順や方法について解説していきます。
順を追ってわかりやすく説明しますので、参考にしてください。

必要な道具を準備

プランター栽培に必要な道具は次の通りです。

  • プランター(長さ70㎝×幅30㎝×深さ30㎝)
  • 野菜用培養土
  • 鉢底石
  • 支柱
  • 不織布

種まき

スナップエンドウの種は、30cm間隔で深さ2cmの穴を掘り、各穴に3粒ずつまきます。プランターでの栽培の場合、間引きは行わずにそのまま育てます。
カラスに種を食べられてしまうことを防ぐため、不織布をかけて保護しましょう。

追肥・土寄せ

スナップエンドウを植え付けてから約1カ月後、最初の追肥を行い株元に土を寄せます。その後、1カ月ごとに追肥と土寄せを繰り返し、越冬させます。定期的に追肥をすることで、スナップエンドウは健康に成長してくれます。

防寒対策

スナップエンドウ栽培では、霜や風から保護するために不織布をかけます。追肥や土寄せを行う際には、不織布を一時的に取り外し、作業終了後に再度かけ直します。この対策により、株を適切に保護し、良好な成長環境を維持できます。

支柱立て・誘引

スナップエンドウのつるが伸び始めたら、30cm間隔で長さ2mの支柱を設置します。プランター栽培ではあんどん仕立てがオススメです。
最初につるを支柱に誘引しておくと、その後は自然に絡むようになります。つるを誘引する際は、麻ヒモなど柔らかい素材のものを使うと良いでしょう。

収穫

スナップエンドウの収穫は、サヤが6〜7cmに成長した時が適切です。収穫時期を逃すと、サヤに黄色味が増し硬くなるため注意が必要です。タイミングを守ることで、最適な食感と味を楽しめます。

スナップエンドウの支柱立てや摘心のコツ

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スナップエンドウは支柱を立てて栽培する野菜です。
支柱立ては慣れるまでは難しく、なかなか奇麗な支柱が立てられないという方も多いでしょう。ここでは、支柱立ての手順や方法について解説していきます。

根から10cmほどの位置に立てる

スナップエンドウの支柱は、根から約10cmの位置に立てます。
支柱を株から離しすぎると風よけ効果が減りますが、逆に近すぎると根を痛める可能性があります。正しい位置に支柱を設置することで、株をきちんと誘引してしっかり成長させましょう。

差し込む深さは30cmほど

スナップエンドウの支柱は、深さ30㎝までしっかりと差し込みます。こうすることで、強風で倒れるリスクを減らすことができます。
土壌が硬い場合は、トンカチを使用して支柱を打ち込むと良いでしょう。また支柱を地面に差し込む際に、ホースやジョウロで水をかけ、土を柔らかくしておくとやりやすいです。

誘引は園芸用ネットが便利

スナップエンドウの誘引には、園芸用ネットが簡単で便利です。ヒモを使った方法もありますが、設置には手間がかかります。園芸用ネットやキュウリ用ネットは設置が容易で、作業の手間を省くことができます。
家庭菜園用の小さいサイズの園芸用ネットも市販されているので、使ってみると良いでしょう。

寒冷紗や不織布は頑丈に巻く

スナップエンドウ栽培では、寒冷紗や不織布を頑丈に巻きます。強風で植物が倒れないように、これらの素材を何重にも巻くことが大切です。また、すき間風が入らないように、下部までしっかりと巻くことが重要です。この対策により、植物を適切に保護し、健全な成長を促します。

摘心は孫づるが伸びてきたタイミングで

スナップエンドウの摘心は、孫づるが伸びてきたタイミングで行います。摘心とは、芽の先端を取り除く作業です。摘心を繰り返すことで、新しい芽が増えて株が大きくなります。親づると子づるは花をよくつけるため、孫づるを早めに取り除くことがオススメです。

スナップエンドウでよくある病害虫の被害と対策

スナップエンドウ栽培において、よく発生する病害虫について説明します。
病害虫は予防をしっかり行い、発生させないことが大切です。もし発生してしまった場合は、速やかに防除できるようにしっかりと知識を身に着けましょう。

うどんこ病

うどんこ病は、マメ科やウリ科の野菜に発生しやすい病気です。この病気は次々と伝染しやすいため、一旦発生したら近くに同じ種類の作物を植えないように注意が必要です。
また、密植や日照不足などが原因で発生しやすいので、適切な植栽間隔や日光を確保することが予防のポイントです。うどんこ病の予防対策をしっかりと講じることで、健康なスナップエンドウを育てることができます。

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モザイク病

モザイク病は、ウイルスやアブラムシなどを介して伝染する病気です。モザイク病は治せないため、この病気が発生した株は早めに取り除くことが重要です。また、アブラムシ対策も同時に行うことで、スナップエンドウの健康を保つことができます。良い収穫を得るためには、モザイク病に対する早期の対応が必要です。

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褐斑病

褐斑病は、糸状菌によって引き起こされ、内部に形成された分生子によって伝染します。この病気は、菌糸や柄子殻を通じて越冬し、次々に伝染を繰り返す特徴があります。褐斑病を予防するには、密植を避けて風通しの良い畝を作りましょう。

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褐紋病

褐紋病は、糸状菌によって引き起こされ、罹病(りびょう)した植物に残った菌糸や子のう胞子、また罹病した豆のさサヤに蔓延した菌糸が、種子に付着して伝染します。この病気は種子を介して広がります。
農薬を使って防除するほか、水はけの良い土壌作りや、密植を避けて栽培することで予防可能です。

さび病

さび病は、糸状菌によって引き起こされ、冬胞子が越冬して次年度の感染源となります。
スナップエンドウでは、葉っぱにさびたような病斑が現れます。病気が進み、菌の胞子が作られると、風や虫によって胞子が運ばれ、他の株にも感染してしまいます。

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アブラムシ

アブラムシは、体長が約1mm(成虫は3〜4mm)の小さな昆虫で、カメムシの仲間です。これらの害虫は群れて植物の汁を吸い、多発すると排せつ物などで植物を汚し、病気の原因になることがあります。
密植を避け、風通しをよくすることで発生を予防しましょう。アブラムシを見つけたら、農薬や重曹スプレーを使う、手で捕まえるなどして駆除しましょう。

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ハモグリバエ

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ハモグリバエの食害痕


ハモグリバエは、成虫が葉に卵を産みつけ、ふ化した幼虫が葉肉の中を食害しながら移動します。この害虫による被害が拡大すると、植物の光合成に影響が出てしまいます。
農薬を使って防除するか、害虫が潜んでいる葉っぱを取り除いて処分しましょう。

ヨトウムシ

ヨトウムシは、若葉に卵を産みますが、成虫になると土の中に潜り、夜に活動します。株が食害されているのに虫が見つからない場合、ヨトウムシの被害が疑われます。
ヨトウムシは夜に活発に動くので、手で捕まえるなどの防除が難しい虫です。農薬による防除や、ネットやトンネルによる予防も考えましょう。

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スナップエンドウの育て方に関してよくある質問

スナップエンドウ栽培でよくある質問をまとめました。
ぜひ参考にしてください。

種をまく時期や摘芯する時期はいつですか?

春まきの場合は、1月〜2月に種まきを行い、秋まきの場合は10月〜11月に種まきを行います。種まきのタイミングは季節に合わせて選びましょう。

摘心は成長途中の芽をカットする作業で、これにより新しい芽が生えて茎が2本に増える効果があります。摘心は、孫づるが伸びてきた時に行いましょう。

ただし、親づると子づるは花や実がたくさんつく傾向があるため、摘心する際にはこれらをカットせずに残しましょう。

一株あたりの収穫量はどれくらいですか?

スナップエンドウの栽培では、一株から数十個以上の収穫が可能です。しかし、なり疲れを防ぐためにはいくつかのポイントに注意が必要です。

まず、肥料の管理を欠かさずに行いましょう。栄養をしっかりと供給することで健康な株を維持できます。また、株の健康チェックも大切です。枯れた部分や異常な変化に早めに気付いて対処しましょう。

さらに、病害虫にも注意が必要です。適切な防除策を取りながら、健康な株を保ちましょう。

無加温ハウスでは、一株あたり150〜220gの収穫が可能というデータもあります。適切な管理と注意を払いながら、豊かな収穫を楽しんでください。

まとめ

スナップエンドウは初夏の訪れを教えてくれる、おいしい野菜です。
栽培もあまり難しくなく、栽培の基本をしっかり守ればたくさん実を収穫することができます。
関東など一般地での栽培時期は梅雨の時期とかぶるので、過湿や大雨には注意しましょう。
本記事を参考にして、ぜひスナップエンドウ栽培に挑戦してみてください!

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