移住人気の高い宮崎県都城市で農ライフを
宮崎県は2023年度の移住に関する相談件数の都道府県別ランキングで 一位に輝き、移住候補先として関心が高まっています。中でも都城市は、県全体の移住の7割を占めるなど、特に人気を集めている地域。農業も盛んで、大規模な生産から加工・冷凍向け野菜の栽培、さらには6次産業化による新たな事業展開を計画する意欲的な農業法人が増えてきています。
「一度県外に出て経験を積んだ後に地元に戻ってきて経営されている方も多くて、柔軟で新しい情報を得て積極的な取り組みをしている農業法人がたくさんあります」(都城市農政部農政課・坂上さん)
給与を得ながらじっくり農業経験を積めることから、都城市で暮らすなら農業法人への就職も選択肢のひとつとしておすすめだと、坂上さんは話します。
「未経験者大歓迎」の農業法人へ就職した新規移住就農者の声
実際に、県外から都城に移住して農業法人で働いている方の声を紹介します。2024年に大阪府から家族で移住し、農業法人のファームヤマトで働いている村山新さんにお話を伺いました。「子どもが小学校に上がるタイミングで環境を変えたい」と移住先を探していた所、都城の小学校の教育環境の良さや温暖な気候などに惹かれたそう。
住む場所の候補が決まったら、移住の次のステップは仕事探しです。村山さんは10年間建築業に携わり、農業は未経験でしたが現場で体を動かす仕事が好きで第一次産業に興味がありました。県が運営する「ふるさと宮崎人材バンク」 に登録したところ、ファームヤマトの社長からコンタクトがあり、メールでやり取りした後に就業体験に行くことにしました。
ファームヤマトは、都城市で野菜の生産、加工、販売まで手掛ける農業法人です。大規模でありながら、野菜はすべて自社の農場で生産しており、一貫体制で品質管理が徹底しているのが強みです。
二代目の川路さんによると、ファームヤマトは「農業の素人集団」なのだとか。初代である川路さんの父が55歳のときに始めた会社で、農業未経験だからこその先入観のない柔軟な姿勢や経営スタイルで成長してきました。従業員も異業種からの参入が多く「未経験者歓迎」の風土がありました。採用前に、ミスマッチを防ぐための就業体験を行っています。
「農業のイメージは人それぞれですし、野菜の種類によっても作業内容がまったく変わってきます。実際に1日でも働いてみることで、どんな仕事なのか体感できますし、自分が思っていた農業のイメージと実際の仕事にギャップがないかも確認できます」(川路さん)
大阪から村山さんが就業体験に来た際は、市外からの就職活動等にかかるレンタカー借上費・宿泊費を一部補助する「都城市お試し滞在制度」を活用。これにより、現地に行くハードルが下がりました。就業体験では、大根の収穫や箱詰め作業など、実際の一日の仕事を経験しました。
「慣れない作業できつさも感じましたが、その時に仕事を教えてくれた人が『なかなか体力あるね』と言ってくれて。会社も働いている人たちもすごく印象が良くて、やっていけそうだなと感じました」(村山さん)
その後内定をもらい、夫婦で話し合い移住を決断。移住に際しては、市の移住応援給付金を申請しました。都城市の移住応援給付金は、基礎給付として単身60万円、世帯100万円に加えて、子ども一人当たり100万円の支給(※上限3人分300万円まで)があります。さらに、中山間地への移住は1人当たり20万円(※最大5人分、100万円まで)が加算されます。
※2025年1月時点の情報です。今後制度が変わる可能性があります。最新情報は市の公式サイトをご確認ください。
さらに、村山さんの子どもは小学生になるため対象外でしたが、都城市は「第1子からの保育料の完全無料化」 を行っており、子育てしやすい環境が整っています。
現在、村山さんは収穫選果部に所属し、大根を洗ったり箱詰めしたりする作業がメインですが、本人の希望もあり、生産管理部の仕事である敷地内での機械操作も行っています。ファームヤマトでは配属先や仕事内容は本人の希望を聞いて決めています。さらには大型特殊自動車やフォークリフトは会社負担で免許取得できるので、本人の適性や志望に応じてステップアップできる体制も整っています。
「未経験の仕事でしたが、できる作業からやらせてもらえたし、みんなが丁寧に教えてくれたので安心でした。今後は畑を一人で任せてもらえるようになりたい。1年目は、何でも質問できる大事な時期なので、次につなげていけるよう頑張ります」(村山さん)
都市と自然のバランスがよく暮らしやすい都城
生活面では、家族との時間が増えたことに満足していると村山さんは話します。
「大阪の前職時代は、子どもと一緒に夜ご飯を食べられなかったんです。今は決まった時間に帰れるし、こちらは日が長いので17時に仕事が終わってもまだ明るいことがうれしいですね。友だちの家に遊びに行っている子どもを迎えに行ったりしています」
都市と自然のバランスがよい都城の環境もとても気に入っているそう。大型商業施設や飲食店があり生活に必要なものが整っている一方で、車を少し走らせれば海や山にも遊びに行けます。大阪では一日がかりで出かけていた自然の遊びが、今は身近になりました。さらに、近所の人とあいさつを交わしたり、野菜や魚をおすそ分けし合ったり、程よい距離感でのご近所との交流が安心感につながっているそう。
休日には、子どもを畑に連れていくこともあります。
「子どもにとって、僕の働いている環境を見られるのがいい刺激になっているようです。建築業の頃は工事現場には連れていけませんでした。今は畑に連れて行って、これはパパの会社の畑だよ、大根やニンジン、ゴボウの葉っぱはこうなっているんだよ、畝立てはこうするんだよ、とか教えています。まだ子どもの手の離れてない時期に生活を変えられたのはすごく良かったですね。今の生活が一番幸せです」
未経験者も歓迎の農業法人の仕事
村山さんを採用したファームヤマトの川路さんにもお話を伺いました。
「彼のような人材はうちにとっては非常にありがたくて。異業種、県外の出身というところで、会社に新しい風が入ります。元が農業の素人集団なので、何も知らない人が入っても仕事がしやすい形にして、多様な人が働ける会社にしていきたいですね。実際のところ、農業経験がある方よりも、先入観がない柔軟な考えを持っている未経験者の方が合う場合が多いんです。自分のやりたい農業の方向性がある人よりは、まったくの初心者の方が合うかもしれません」
一方で「将来的に独立したい」という方を受け入れたことも。きゅうりをやりたいと入社して、3年働いた後に独立した人もいるそうです。農業法人で経験を積むことで、設備投資や人材管理、自然災害や病虫害のリスクなど、農業経営の苦労や大変さにも触れることができます。自分の適性を見極めてそのまま社員として働き続けてもよし、将来的に独立就農や法人経営を目指してもよし。ファーストステップとして農業法人で働くことで得られるものがたくさんあります。
「うちの会社は初心者でスタートしておりますが、タイミングや人に恵まれて、ここまで会社を大きくすることができました。仲間は増やしていきたいと考えておりますので興味を持っていただける方は大歓迎です」(川路さん)
都城市では移住や就職活動に関するさまざまな支援制度を用意しています。また「第1子からの保育園の完全無料化」など、子育て世代への手厚い支援体制を整えています。農業法人の求人に関しては市では管理していませんが「ふるさと宮崎人材バンク」や、都城市にある各農業法人のサイトから情報を得ることができます。
地方移住に興味のある方、都城市も候補の一つに入れてみませんか。
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