ジャガイモ・タマネギ・ニンニクは翌年春まで保存できる
今年はジャガイモを80株植えつけた。1株から平均10個のイモが取れると見積もって800個はかたい。

ジャガイモは種イモを植え付けてから約3カ月で種イモの10〜15倍のイモが収穫できる。大変効率のいい作物
ジャガイモの隣の畝には、昨年の晩秋に植えた300株のタマネギが育っている。じつは400株植えたのだが、苗が貧弱だったため約4分の1が冬を越せずに枯れてしまった。今ある株も生育を見ると、大きな球はあまり期待できそうにない。まあ、少しくらい小さくても、これだけあれば翌年まで食べ続けるのに不足はないだろう。ニンニクは80株で、こちらは順調。あとは収穫まで球が肥大するのを見守るだけだ。
いずれも幅広く料理に使える常備野菜で、加えて保存性が高いのでいくらあっても無駄にならない。品種にもよるが、翌年春まで常温で保存できる。自給率を高めるコツのひとつは、こうした保存性の高い野菜を多く作っておくことである。
野菜の特性に合わせた4つの保存方法
カボチャやラッカセイも常温での長期保存が可能だ。サツマイモやサトイモは適切な温度管理が必要だが、ちょっと工夫して保温すれば冬の寒さを乗り切れる。

ラッカセイも保存性が高い。収穫後天日で乾燥させ、ネットなどに入れて風通しのいい日陰につるして保存する
ダイコン、ニンジン、ネギ、ハクサイなど秋から冬にかけて収穫できる野菜は、そのまま畑で保存したり、土に埋めたりすることで春まで食べ続けられる。 野菜の保存は、こうした常温保存と畑での保存(土中保存)を基本とし、それが難しい場合は冷凍や加工で対応する。 ただし、冷凍しないと保存できない野菜は、とれたてを食べたほうが格段においしい。そうした野菜は保存を前提にするより、時期をずらしながら栽培して都度収穫し、そのときに食べ切るほうがよい。
常温保存…温度変化の少ない風通しのよい冷暗所に置く
畑・土中で保存…収穫せずに畑に置く、または穴を掘って埋める
冷凍保存…冷凍に適した状態にして冷凍庫に入れる
加工保存…乾燥・漬物・ピューレなどに加工して保存する

サトイモは冬の間土に埋めておくことで、春まで保存できる。周りにもみ殻を入れておくと断熱材となり、冬の寒さからイモを守れる
では、それぞれの野菜に適した保存方法とそのコツを紹介していこう。
収穫した野菜を長期保存するコツ
ジャガイモの保存方法【常温】
メークイン、ホッカイコガネ、トヨシロなどが長期保存向き。男爵(だんしゃく)やキタアカリは芽が出るのが早く、保存は年内が目安。秋ジャガを栽培すれば12月に収穫し、初夏まで保存も可能。

掘り上げたジャガイモは、日に当たるとソラニンが増加するため日陰で乾燥させる
保存のコツ
収穫後は日陰に広げて表面を乾燥させる。光が当たると緑化して毒性のあるソラニンが増加するため、保存中は完全に遮光することが重要。保存の際は収穫用コンテナに入れて風通しのよい冷暗所に置く。保存適温は5℃前後と言われているが、これは萌芽しにくい温度ということだ。実際は夏でも冷暗所で常温保存できる。ただし、気温が高いと腐敗しやすくなるので、こまめにチェックし、傷んでいるものは取り除き、芽が出ていればかき取る。また、冬は0℃を下回ると低温障害で同じように傷みやすくなる。

直射日光が当たらない冷暗所で保存する
タマネギの保存方法【常温】
保存性が高い品種はネオアース、もみじ3号、ケルたまなど。翌年早春まで保存可能。一方、水分の多い早生(わせ)種や赤タマネギは長期保存に向かない。
保存のコツ
収穫後は畑に1日置いて外皮をしっかり乾かすことで腐りにくくなり、保存性が高まる。葉がしっかりしていれば10~20個を束にして葉の根元をひもで縛り、直射日光の当たらない軒下や倉庫につるす。難しければ葉の根元を切り落とし、収穫用コンテナに入れて冷暗所で保存する。その際は葉の切り口を上に向けて2〜3段に並べる。詰め込み過ぎると腐敗しやすいので注意。

風通しのいい軒下につるして保存。必要なときに必要な分を取って食べる
ニンニクの保存方法【常温】
品種は大きく暖地向きと寒地向きに分かれ、保存性が高いのは寒地向き。わが家の定番は福地ホワイト六片。
保存のコツ
収穫後は1日ほど天日で表皮を乾かしてから取り込む。タマネギと同様に10~20個をまとめて葉をひもで束ね、風通しのよい軒下などにつるす。保存したニンニクは次の種球としても利用できる。晩秋になると芽が動き出すので、鱗片(りんぺん:外皮の中にあるかけら)に分けて冷蔵または冷凍するとさらに長期保存できる。

ニンニクもつるして保存。芽が動き出す秋以降は、冷蔵、または冷凍保存したほうがよい
カボチャの保存方法【常温】
冬至に食べるイメージがあるが、夏に収穫したカボチャを冬まで保存するのは難しい。長期保存には、それ用の品種を選び、7月以降に種をまいて秋に収穫する抑制栽培で育てるのがコツ。
保存のコツ
丸のまま風通しのよい冷暗所に置く。秋に収穫する晩生品種であれば翌年まで保存可能。追熟によって甘みも増す。

カボチャは品種によって貯蔵性が異なる。晩生種のほうが、貯蔵性が高い傾向にある
トマトの保存方法【加工】
フレッシュな状態で保存するのは難しいが、煮詰めてピューレにし、煮沸消毒したビンに詰めれば常温で長期保存が可能。今年わが家で植えつけたトマトは50株。1年分とはいかないかもしれないが、それなりの量のトマトピューレが仕込めるはずだ。
保存のコツ
収穫したトマトは沸騰した湯にくぐらせると皮をむきやすくなる。湯むきしたらミキサーにかけてペースト状にし、鍋に入れて弱火で煮詰める。水分が飛んで元の量の半分程度になったら、煮沸消毒したビンに詰め、ふたを軽く締めた状態で15分ほど煮沸して脱気する。冷めないうちにふたをしっかり締めれば、そのまま常温で長期保存できる。

わが家のトマトピューレは100%オーガニック
トウモロコシ・エダマメの保存方法【冷凍】
鮮度が味を左右する野菜で、常温での保存は難しい。とれたてを食べるのが最もおいしいが、たくさん収穫できて食べきれない場合は冷凍保存する。エダマメは完熟させてダイズにすれば常温で保存可能で、煮豆にするとうまい。
保存のコツ
いずれも収穫後はすぐに加熱し、冷めてから適切な状態にして冷凍する。トウモロコシは粒を外すか輪切りにする。エダマメはサヤごと冷凍するほか、つぶしてペースト状にしたずんだあんとして冷凍する方法もある。

ポップコーン(爆裂種のトウモロコシ)は乾燥させたあと密閉容器に入れておけば常温で長期保存が可能
昔ながらの知恵と工夫で野菜を保存する
冷凍庫は保存に便利な道具だ。野菜だけでなく、肉や魚も冷凍すれば保存できる。しかし私は、必要以上に食材を保存することにはあまり積極的ではない。次の収穫まで持てば十分だ。もちろんわが家にも冷蔵庫はあるし、冷凍庫もついている。中にはすりおろしたショウガやヤギの乳で作ったカッテージチーズや庭でとれたイチジクなどが凍った状態でストックされている。それでも何でもかんでも詰め込むのではなく、できるだけ昔ながらの知恵と工夫で野菜を長持ちさせたい。何でも凍らせてしまうより、いつでも新鮮な食材を手に入れられる畑と、素敵なパントリーがあれば、そのほうがいい。

漬物は塩やぬかに漬けて微生物の力で保存する先人の知恵


















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