マイファームが取り組む背景とは?
株式会社マイファームでは、農学部などで学ぶ大学生等を対象に、農業界で自分らしく生き、地域の中核を担う人材として活躍する人材との深い接点を提供し、大学生等が農業の世界に一歩を踏み出すための道筋を示す講義を展開しています。
現在、新規就農する農業人材の多くが農家出身者であり、農地をもたない一般家庭出身者が農業との接点をもつ機会は極めて少ない状況です。農学部で学ぶ学生であっても、農業の実際の現場を深く知ることなく卒業していくケースも少なくありません。一方、若者の中で農家のお手伝いをしながら全国を旅する新たなスタイルの旅行が注目を集めるなど、若者の農業へのイメージは少しずつ変化しています。
このような状況を踏まえ、株式会社マイファームは農業に興味をもって入学した農学部の大学生に焦点をあて、複数エリアの大学と連携し、実際に新規就農または農業ビジネスでの起業、雇用就農などを実現させたロールモデルとなる農業者の方々を現地に招いて農業界や農業経営のリアルを学ぶ講義を実施しています。
自身の就農経緯やビジネスモデルについて話してもらうとともに、双方向型の講義形式を取り入れたワークショップやPBL型講義(実践を交えた課題解決型講義)を展開。学生の一人ひとりが農業者とともに、今後のキャリアや農業界の将来像・発展可能性について考え、「職業としての農業者」を自分事と捉える機会とします。
発酵から学ぶ「食と農の循環」
6月9日、10日の2日間、福岡ホテル・ウェディング&製菓調理専門学校にて食・健康・美容・持続可能な農業を学ぶ実践型研修として、「農業界の可能性とアプローチ」と「食と農、発酵の循環」をテーマにした講義とワークショップが行われました。

講義では、発酵とは何かという基礎的な知識から、土壌微生物が担う役割について学びました。味噌や醤油、漬物といった日本の食文化を支える発酵技術は食品づくりだけでなく、土壌環境や農業とも密接に関わっています。食材ができるまでの過程や、自然界における循環の仕組みについて理解を深めていき、普段は調理や製菓の視点から食に向き合うことが多い学生たちにとって、生産現場や土壌環境まで含めて考える機会は新鮮な体験となりました。
事前に講師についてSNS等で調べたうえで授業に臨む学生もおり、多くの学生が高い関心を持って参加していました。食と農のつながりについて学びたいという意欲が、講義中の真剣な姿勢からも感じられます。
AIが普及する時代であっても、長年にわたり大切に受け継がれてきた知恵や文化が数多く存在すること、食と農は切り離すことのできない密接な関係にあることを理解し、その重要性について学ぶ機会となりました。
菌ちゃんふぁーむで体感した土づくりの重要性
講義の翌日、無農薬・無肥料での野菜づくり「菌ちゃん農法」を実践する「菌ちゃんふぁーむ」を訪問しました。

菌ちゃんふぁーむでは、糸状菌(しじょうきん)を中心とした微生物の働きを活用し、自然の力を生かした農業を実践しています。実際の畑に入り、土壌の状態を観察し土に触れ、畑の環境を自分の目で確かめることで、前日の講義で学んだ微生物の働きをより具体的に理解を深めていきました。

健康な野菜を育てるために欠かせない土づくり。菌ちゃん農法では、土の中にいる微生物が活発に働ける環境づくりのため、自然素材で作る事を基本にしています。微生物が有機物を分解し、豊かな土壌をつくることで、野菜本来の力を引き出していくのです。実際の圃場で環境配慮型農業の取り組みを学び、「良い食材は良い土から生まれる」ということを体感しました。

食の未来を担う学生たちに伝えたいこと
今回参加した学生の多くは、食に携わることを主とする学生であり、農業者とは異なる立場や背景を持っています。研修で伝えられたのは、農業と食は決して切り離して考えることができないということです。食材は畑で育ち、土の中の微生物や自然環境の働きを経て私たちの食卓へと届けられます。そのつながりを理解することで、食に対する見方はより広がります。また、AIやデジタル技術が進化する時代だからこそ、長年受け継がれてきた食や農の知恵、自然と共生する考え方の価値も改めて見直されています。今回の学びは、単なる知識の習得ではなく、食の背景にある文化や自然との関わりについて考える機会にもなりました。
研修を終えた学生のレポート(要約)
『農業を知り美意識が高まる理由』 2年 大久保ちひろ
今回の農業研修では「菌」をテーマに、発酵や農業の現状、菌ちゃん農法について学びました。発酵の仕組みや麹菌の働きを知り、発酵は「微生物の食事の跡」と捉えることができ、味噌などの発酵食品が健康や腸内環境の改善に役立つことを学びました。
また、農業人口減少の実態と若い世代が農業に関わる重要性を再認識しました。
菌ちゃんふぁーむでは、菌が豊富な土で育つ野菜はビタミンCを多く含み、虫がつきにくい特徴があること、美肌や免疫力向上が期待できることを知りました。さらに、生と死の循環を大切にする『シシガミ農法』に触れ、菌・作物・人間の共存を実感しました。将来の食品開発につながる学びを得て、美意識と食品開発という夢への意欲が高まった有意義な研修でした。
その他の学生からも
「発酵食品への興味がさらに高まり、味噌づくりに挑戦してみたい」
「原材料から発酵食品づくりを学んでみたい」
「食材がどのような環境で育ったのかにも関心を持ち、地産地消や食品ロス削減など、自分にできることから行動したい」
「人と自然が共生できる持続可能な社会づくりに貢献していきたい」
といった声があがり、学んだ内容が実際の行動意欲につながっていることが伺えます。
土づくりから食卓までの一連の流れを体験的に学んだ今回の研修で、学生たちは食材を扱う立場だからこそ知っておきたい農業の大切さを実感しました。これから食の世界で活躍する彼らが、生産者への理解を深めながら新たな価値を創造していくことが期待されます。
株式会社マイファームでは、今後も大学生等が「職業としての農業の魅力」を考える機会を日本各地で提供していきます。今後も同社の取り組みから目が離せません。
農業の魅力発信コンソーシアム事業の公式noteもご覧ください。
農業の魅力発信コンソーシアム事業では、株式会社マイファームの事例以外にも、全国の大学等でロールモデル農業者がリアルな声を直接届ける特別講義を実施しています。
ぜひ併せてご覧ください。

















