公式SNS

マイナビ農業TOP > 農家ライフ > 野菜別、草取りのワザ。「根付かせない」「適度に放任」で除草をラクに【DIY的半農生活Vol.52】

野菜別、草取りのワザ。「根付かせない」「適度に放任」で除草をラクに【DIY的半農生活Vol.52】

和田 義弥

ライター:

連載企画:DIY的半農生活

野菜別、草取りのワザ。「根付かせない」「適度に放任」で除草をラクに【DIY的半農生活Vol.52】

茨城県筑波山のふもとでセルフビルドした住まいに暮らし、約3.5反(35アール)の田畑でコメや野菜を栽培するフリーライターの和田義弥(わだ・よしひろ)が、実践と経験をもとに教える自給自足的暮らしのノウハウ。春から夏にかけて、家庭菜園や畑仕事で悩みの種になるのが雑草対策。除草は、生えてから「まとめて刈り取る」のではなく、草を「根付かせない」ことで驚くほどラクになる。草を完全になくそうとせず、自然と付き合いながら畑を管理するのも省力化のコツだ。その考え方を軸に、トマト、ナス、エダマメなど野菜ごとの除草の極意を紹介する。

twitter twitter twitter twitter
URLをコピー

毎日10分の除草で草のない畑を実現

家庭菜園を始めて20年になる。野菜はほぼ自給できるようになったし、数年前から田んぼを借りて米づくりも始めた。庭と田畑を合わせるとそこそこの広さがあるので、管理に多少の時間と労力がかかるけれど、それを苦とも思わず楽しんでいる。空の下で手足を動かしているのが好きなんだ。

収穫

除草や野菜の収穫・世話など、畑が広くなると毎日何かしらやることがある

とはいえ、植物の成長著しい春から夏は、うまくやらないと管理に手が回らなくなる。一番の難敵は雑草だ。何もしなければすぐに草に埋もれてしまう。それは近所の耕作放棄地を見ればわかる。5月中旬の今、草は腰の高さに育ち、足を踏み入れるのもままならない。でも、わが家の田畑はほぼ完璧に草を抑えられている。もちろん対策をしているからだが、汗水流して大変な思いで除草しているわけではない。田んぼはアイガモにおまかせ。庭は長年かけて芝生や植栽や敷石で草の生えにくい環境をつくった。わが家に1頭いるヤギもよく働いている。庭に杭を打ってリードでつないでおけば、移動できる範囲の草は数時間できれいさっぱり。

ヤギ

除草の強い味方。食べる草がなくなると、「めぇ~(場所を変えてくれ)」と鳴いてアピールする

畑は、毎朝10分ほど、愛用の「けずっ太郎」(刃先が輪になった草削り)や三角ホーで畝や通路の表面をカリカリと削ってやる。5〜7日で約1反の畑を一通りできる。それを繰り返すことで、草を根付かせないようにするのだ。わずか10分だ。小さな菜園なら1日5分でもいいし、2〜3日に1回でもいいかもしれない。習慣にしてしまえば面倒なことではない。草を根付かせないことが、楽に除草するコツだ。やってみたらわかるけれど、育ってしまった草を刈り払い機や鎌で刈るより、時間も労力もずっと少なくて済む。

けずっ太郎

「けずっ太郎」。刃物メーカーのドウカンが手掛ける草削り。土を移動させずに草の根だけを切る

完全に草を抑える必要はない

畑の草は、完全に抑える必要はない。草がない畑は、それはそれで問題がある。土が乾燥するし、乾いた表土は風で吹き飛ばされて土ぼこりを舞い上げる。また、生物の多様性が乏しくなり、生態系のバランスが崩れる。そうすると病気や害虫が野菜に集中し、それを抑えるために薬剤に頼らざるを得なくなる。草のない畑が必ずしも健全とは限らないのだ。だから、作物の生育にあまり影響がなく、景観を損なわないのであれば、草は適度に生えていたほうがいいというのが私の考えだ。

通路の草

短い草に覆われた畑の通路。草丈が伸びたら刈り払い機で適度に刈りそろえる

作物がある程度育てば草より優位な状態を保てるので、畝間や通路の草は日照や風通しを遮らない程度に刈ってやれば済む。除草すべき草はきちんと除草し、その必要がない場所は適度に放っておく。そうすれば除草の手間もだいぶ軽減できる。
除草の時期や方法は作物によって多少異なるが、共通しているのは種まき・植え付けの前に土を耕して草の種や根をリセットすることだ。これで1〜2週間は草を抑えられる。苗を植えつけて育てる野菜は、その時点で草より生育がリードしているので有利になる。種をじかまきする場合は、スタートラインが草と一緒になるため、負けないようにサポートが必要だ。草を抑えるにはマルチフィルムも有効だが、ゴミになるのが嫌で私は使っていない。マルチングにはわらやもみ殻、刈り草などを利用している。

わらマルチ

わらを厚く敷いて草の発生を抑える。わらの下は湿り気が保たれ、土壌生物の格好のすみかになる

では、野菜ごとに、どうやって草を抑えるか。代表的な夏野菜の除草方法をいくつか紹介しよう。ただし、これはあくまで私のやり方。参考になれば幸いです。

野菜別、省力除草のコツ

トマト

苗を植えつけるタイミングで畝間にエンバクの種をまく。定植後2週間前後で畝の表層を草削りで浅くそぎ、発芽した草の根を浮き上がらせて生育を抑える。1〜2週間後にも同じように除草し、エンバクが育ったら刈り取って株元に厚く敷く。エンバクは刈り取ったあとも夏まで何度も伸びてくるので、成長したら再び刈り取ってマルチにする。通路の草はエンバクで抑えられる。生育後半の草は放任し、トマトを撤収する際に刈り取って耕し、次作に備える。トマトは雨よけをすると地表の水分が抑えられ、草が生えにくくなる。

トマト

緑肥のエンバクを育てることで、草が生えるスペースを消す

ナス・ピーマン・キュウリ

トマトと同じように、苗を植えつけたら1〜2週間おきに草削りで除草する。定植後すぐにわらやもみ殻を株元に敷き詰めてもよいが、10月まで収穫が続くので、それでずっと草を抑えるのは難しい。わらやもみ殻の隙間(すきま)から中途半端に草が生えるとかえって抜きにくいので、生育初期は表層除草を徹底し、梅雨明けまでに勝負を決める。梅雨が明けたらわらや刈り草を厚く敷いて除草は終わり。有機物マルチは徐々に分解されてかさが減っていくので、刈った草はそのつどマルチとして積み上げて草を抑える。乾燥防止にも効果的だ。梅雨明け以降は高温と乾燥で草の生育も衰えてくる。

ナス

ナスの株元を草マルチでガード。草の発生を抑え、乾燥も防げる

エダマメ・トウモロコシ・オクラ

種まき後、1〜2週間おきに2〜3回草削りで除草し、株がしっかりしてきたら三角ホーで除草とあわせて土寄せする。土寄せは倒伏防止にもなる。ある程度株が大きくなると展開した茎葉で株元の日差しが遮られ、草が生えにくくなる。地中では野菜の根が広がって草が根を張るスペースが制限されるので、草の勢いが抑えられる。そうなったら除草は終了。そのあとに草が育っても収穫に大きな影響はないので放任する。

三角ホー

三角ホーで畝の肩を削り、トウモロコシの株元に寄せる

カボチャ・スイカ

わらが大量にあれば、定植後、つるが伸びる範囲にわらを敷き詰めてしまう。つるで地表が覆われれば、わらとあわせて地表に届く光を遮り草が生えにくくなる。そうなれば勝ちだ。わらが手に入らない場合は、初期除草を徹底し、つるの広がりに合わせてその先を草削りで除草しながらつるを導いていく。実がついたら、その下にわらなどを敷いて汚れや変色を防ぐ。

スイカ

カボチャやスイカはつるの広がりに合わせてわらを敷き詰めていく。実が汚れるのも防げる

サツマイモ

つるが広がるまで草を抑えられればOK。ほかの野菜と同じように定期的に地表を削る方法もあるが、かまぼこ形の畝を竹で覆う竹マルチが効果的だ。苗を植えつけたら畝全体に竹を積み上げて、崩れないようにひもを張って固定する。イノシシやサルがイモを掘り返すのを防ぐのにも効果的だ。

竹マルチ

竹マルチ。なるべく隙間ができないように竹を並べるのがコツ

草を根付かせないことで、除草はラクになる

除草をラクにやるには、草を根付かせないことと、除草の必要がない草は放任すること。放任といっても、作物より草が目立つような畑はいけない。景観は美しくありたい。
除草は草が育ってからでは遅い。草だらけになった畑を一気に除草するのは大変だ。小さなことの積み重ねでしか、よりよい結果は生まれない。何事も「あとでまとめてやろう」とするとかえってシンドイ。

エダマメ除草

定期的に土を動かしてやることで雑草を根付かせない

すでに草が生えてしまっていても遅くはない。まずは刈り取ってマルチにしてしまおう。スタートはそこからだ。土の中には無数の種が眠っている。それを目覚めさせないこと、成長させないこと。そうすれば新たな種もできないので、畑の雑草は少しずつ減る傾向にある。最近、わが家の畑にそういう変化をうっすらと感じている。畑の自然は人の手によってつくられる。そう考えると、畑の景観はあなた自身であるかもしれない。

読者の声を投稿する

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE
  • Hatena
  • URLをコピー

関連記事

新着記事

タイアップ企画