独自品種「栃の木まいたけ」で差別化
──創業の経緯について教えてください。
当社は平成4年に創業したのですが、当時すでにキノコの大量生産は始まっていました。
キノコの中でもまいたけは味がいい、香りがいいことに加え、非常に健康にいいということが医学的にも研究されてきた背景があります。
今も変わらぬ当社の核の部分ですが「おいしくて体にいい」その中でまいたけを選びました。

右が独自品種の「栃の木まいたけ」。一般的なまいたけと比べて葉の比率が多い。左はきくらげ
──那須バイオファームでは独自品種「栃の木まいたけ」を作られていますよね。これはどんな品種なんでしょうか?
天然物のまいたけと、企業秘密ですがとある品種と交配して作られた独自品種のまいたけです。
おいしいと判断できるアスパラギン酸、グルタミン酸、アラニンが通常のまいたけと比べて3倍から4倍高いことが分かっています。
株立ちが良く、葉っぱの比率が非常に多いので、香りも豊かです。
キノコって実は93%が水分でできているのですが、ここの当地は非常に水が豊富で良質なんです。
資源や菌のポテンシャルが組み合わさって作っていった結果が今かなと思います。
──販路はどうでしょうか?
現状の販路は量販店やスーパーが約6割、外食やホテル関係が3割、一般のお客様への直接の販売が約1割です。
これでも実はスーパーの販売比率は減ってきています。
やっぱり末端のお客さんまで遠いですし、本当に伝えたいことを伝えるのが生産者の力だけでは非常に難しかったんですね。
その中でいま一度自社の商品が他社のまいたけとどう違うのか、味や香り、食感などを比較してチャートを作成しました。
栃の木まいたけは風味・香りが強く、食感が滑らかなのが特徴です。
この位置づけになるとどこがターゲットになるか、当社としてはどこに売りたいかを考え、売り先を見直したり、新しい売り先をこの表をもとに開拓したりしているところです。

競合他社のまいたけと比較するチャート。横軸が風味・香りで縦軸が食感
──あらためて自社商品の立ち位置を確認することは大切ですね。このチャートを作成して具体的にどこがメインターゲットと考えましたか?
直接まいたけの評価がうかがえる外食、ホテルが中心です。
「栃の木まいたけ」という商標を取って流通させているのですが、「栃の木まいたけの天ぷら」という形でメニューにのっているレストランや居酒屋もあります。
利用していただいた方が、今度はスーパーで手に取ってもらうなど、そういった業種業態を超えた売り方が自然と回るとうれしいなと考えています。
まいたけ生産以外の収益の柱を増やす
──経営の工夫について教えてください。
まいたけは大手のプライスリーダーがいるので、売れる量から考えて生産しています。そうすると当然売り上げは落ちてくるわけですよね。
1商品に絞っていては厳しいと感じ、10年前からきくらげの生産も行っています。
徐々に一般のお客様にも認知されてきて、ここ2、3年でかなりの量を増やしています。
実はこれまでもいろんなキノコにチャレンジしてきて、だいたいのキノコはできるんですが、ただ販売ってなるとなかなか難しいんです。
──その中で今残っているのが栃の木まいたけときくらげということですね。キノコ生産以外の事業はありますか?
当社の収益の柱として、キノコ事業以外に培養事業があります。
受託の実績で言うと健康サプリや機能性堆肥を作るための原料などを作っています。
キノコも自社菌株を取り扱っているんですが、ある程度の微生物等も扱える技術と設備と知識があります。だからこそこのようなお話をいただけました。
受託なので、時期にもよりますがだいたい培養の売上比率は15~20%くらいで、年々伸びている傾向にあります。
──展望について教えてください。
先ほど話したターゲット層を明確にした売り方を行うことが一つ。そして培養事業でもしっかりと受託できる体制を整えていきたいと考えています。
あとは加工品も手がけていますが、まだ柱としては厚くないので、アイテムを増やすなどして屋台骨となるような事業にしていきたいです。
「無駄のない生産」を今後も地道に続けていくことによって、将来があると考えています。

取材協力:株式会社那須バイオファーム















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