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ぬめりが特徴の夏野菜「オカワカメ」とは?  ツルムラサキとの違い、下処理、レシピ、栽培方法を紹介

さとう ともこ

ライター:

ぬめりが特徴の夏野菜「オカワカメ」とは?  ツルムラサキとの違い、下処理、レシピ、栽培方法を紹介

夏が旬の「オカワカメ」は、ゆでるとぬめりが出て、ワカメのようなつるりとした食感が楽しめる葉物野菜です。暑さに強く育てやすいことから、近年は緑のカーテンとしても親しまれています。本記事では、オカワカメの特徴から、産地・旬・栄養、下処理や保存のコツをまとめました。食感を生かしたレシピ、ムカゴや苗から育てる方法まで、幅広く紹介します。

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オカワカメとは?

オカワカメの葉

オカワカメは、南アメリカを原産とするツルムラサキ科のつる性多年草です。標準和名はアカザカズラといい、中国・雲南省で薬草として利用されてきたことにちなんで、「雲南百薬(うんなんひゃくやく)」という別名もあります。日本には中国から沖縄に伝わったとされ、健康野菜として親しまれてきました。暑さに強く、生育が旺盛でつるが数メートルも伸びるため、食用と緑のカーテンを兼ねて育てられることもあります。

特徴

オカワカメという名前は、葉をゆでたときの食感がワカメに似ていることに由来します。生の葉は厚みがあってしっかりした歯ごたえですが、加熱するとぬめりが出て、海藻のようなつるりとした口当たりになります。青臭さや苦みが少ないのも特徴で、和え物から汁物、炒め物まで幅広く使え、夏場に活躍する葉物野菜です。主に食用とするのは夏に大きく育った葉ですが、秋にはつるにつくむかご(肉芽)も、塩ゆでや素揚げで食べられます。

オカワカメのむかご

オカワカメのムカゴ

ツルムラサキとの違い

ツルムラサキとオカワカメ

ツルムラサキ(写真手前)とオカワカメ(奥)

オカワカメとよく似た野菜に、同じツルムラサキ科のツルムラサキがあります。加熱するとぬめりが出る点は共通していますが、味わいは異なります。ツルムラサキには独特の土臭さや青臭さがあり、好みが分かれるのに対し、オカワカメは比較的クセが少なく食べやすいのが持ち味です。また、ツルムラサキは茎(つる)と花芽も食べますが、オカワカメのつるは硬いので食べません。

育て方にも違いがあります。日本ではツルムラサキは春に種をまく一年草扱いですが、オカワカメは多年草で、暖地や中間地では地下の塊茎やむかごで冬を越します。植えっぱなしで毎年収穫できる手軽さは、オカワカメならではです。

産地

オカワカメは市場への流通がまだ少ない野菜で、産地ごとの生産量が分かる公的な統計はありません。温暖な気候を好む性質から、沖縄や九州をはじめとする西日本を中心に栽培され、地元のスーパーや直売所、道の駅などで売られていることが多いようです。大分県中津市のように、商業的に栽培して全国へ出荷する産地もあります。一方、栽培は関東や東海、東北、北海道にも広がっており、少量ながら全国各地に事例が見られます。苗は広く市販されているため、家庭菜園でも育てられています。

旬の時期

オカワカメの旬は夏です。本州では6月頃から葉の収穫が始まり、気温が上がる7〜9月に盛りを迎えます。多くの葉物野菜が育ちにくい真夏に、旺盛に茂るのがオカワカメの強みです。秋口にはつるにむかごがつき、葉とあわせて味わえます。秋が深まり葉が枯れ始めると、その年の収穫は終わりです。

栄養

ザルにのったオカワカメ

オカワカメは、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に収載されておらず、栄養成分を公的なデータで確かめることはできません。一般には、葉酸やカルシウム、マグネシウムのほか、亜鉛、銅、ビタミンAなどを含むとされ、健康によい野菜として注目されてきました。ここでは、主な栄養素を取り上げます。

葉酸

ビタミンB群の一種で、赤血球の形成や、細胞の合成を助ける栄養素です。不足すると貧血の一因になることがあります。胎児の正常な発育にも重要な役割を果たすため、妊娠前後の女性には特に十分な摂取が勧められています。

カルシウム

骨や歯の材料となるミネラルで、体内のミネラルの中で最も量が多い成分です。筋肉を動かしたり、神経の情報を伝えたりする働きにも関わっています。

マグネシウム

体内の多くの酵素反応を支えるミネラルで、骨や歯の形成にも必要です。エネルギー代謝や筋肉の収縮、体温や血圧の調整にも関わっています。

オカワカメの下処理方法

オカワカメは生でも食べられる野菜ですが、生の葉には青臭さや軽い苦みがあるため、下ゆでするのが一般的です。さっとゆでることでこれらがやわらぎ、同時にぬめりが引き出されてワカメのようなつるりとした食感に変わります。

手順は、葉をよく洗い、沸騰した湯で20~30秒ほどゆでて冷水に取り、水気を絞るだけ。ゆで時間が長いと食感が損なわれるので、短時間で引き上げるのがコツです。

オカワカメの保存方法

保存方法は冷蔵と冷凍の2通りです。数日で使い切るなら、湿らせたキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、野菜室へ。乾燥に弱いので、2~3日を目安に早めに食べましょう。

すぐに食べきれない分は、20~30秒ほどゆでて水気を絞り、小分けしてラップに包み、冷凍用保存袋で冷凍します。約1カ月保存でき、凍ったまま汁物に加えたり、自然解凍しておひたしにしたりと便利に使えます。

オカワカメの食感を楽しむレシピ5選

夏に旬を迎えるオカワカメの葉を使ったレシピを紹介します。ぬめりやつるりとした食感を生かした料理を集めました。どれも下処理さえすれば手軽に作れるものばかり。旬の時期にぜひ試してみてください。

オカワカメのおひたし

オカワカメのおひたし

オカワカメの食感をシンプルに楽しめる基本の一品です。さっとゆでることで、鮮やかな緑色と独特のぬめりが引き立ちます。

材料(2人分)

  • オカワカメ 50g
  • だし汁   大さじ2
  • しょうゆ  小さじ1
  • かつお節  適量

作り方

  1. オカワカメはよく洗う
  2. 鍋に湯を沸かし、オカワカメを入れて20~30秒ほどさっとゆで、冷水に取り、水気を絞って3~4cm幅に切る
  3. だし汁としょうゆを合わせ、オカワカメを和える
  4. 器に盛り、かつお節をのせる

オカワカメとジャガイモのみそ汁

オカワカメとジャガイモのみそ汁

ほくほくのジャガイモと、つるりとしたオカワカメの食感を楽しめるみそ汁です。オカワカメは仕上げに加え、加熱しすぎないのがポイントです。

材料(2人分)

  • オカワカメ      30g
  • ジャガイモ      100g
  • だし汁        300ml
  • みそ         大さじ1程度
  • ネギ(小口切り・好みで)適量

作り方

  1. オカワカメはよく洗い、大きいものは3~4cm程度に切る
  2. ジャガイモは皮をむいて5mm幅の半月切り、またはいちょう切りにし、水にさらして水気を切る
  3. 鍋にだし汁とジャガイモを入れて中火にかけ、煮立ったら弱火にして、ジャガイモがやわらかくなるまで煮る
  4. オカワカメを加えてさっと火を通す
  5. 火を弱めてみそを溶き入れ、沸騰させないように温めて火を止める
  6. お碗に注ぎ、好みでネギをのせる

オカワカメとキュウリの梅風味酢の物

オカワカメトキュウリの梅風味酢の物

オカワカメのつるりとした食感とキュウリの歯ごたえを楽しめる、爽やかな酢の物です。梅干しの酸味を加えることで、暑い時季にも食べやすく仕上がります。

材料(2人分)

  • オカワカメ  40g
  • キュウリ   1本
  • 梅干し    1個
  • 酢      大さじ1と1/2
  • 砂糖     小さじ1
  • しょうゆ   小さじ1/2
  • 塩      少々

作り方

  1. オカワカメはよく洗い、キュウリは薄い輪切りにする
  2. キュウリに塩をまぶして5分ほど置き、しんなりしたら水気を絞る
  3. 鍋に湯を沸かし、オカワカメを20~30秒ほどさっとゆで、冷水に取り、水気を絞って2~3cm幅に切る
  4. 梅干しは種を取り除き、果肉を包丁でたたく
  5. ボウルに梅肉、酢、砂糖、しょうゆを入れて混ぜ、オカワカメとキュウリを加えて和える

オカワカメと豚しゃぶの香味だれ

カワカメと豚しゃぶの香味だれ

オカワカメと豚しゃぶを合わせた、さっぱり食べられる主菜です。ショウガと長ネギをきかせた香味だれが、豚肉のうまみとオカワカメのぬめりによく合います。

材料(2人分)

  • オカワカメ       60g
  • 豚肉(しゃぶしゃぶ用) 80g
  • 長ネギ         10cm
  • ショウガ        1片
  • しょうゆ        大さじ1と1/2
  • 酢           大さじ1
  • ごま油         小さじ2
  • 砂糖          小さじ1/2
  • 塩           適量(湯1Lに対して小さじ1程度)

作り方

  1. オカワカメはよく洗い、長ネギとショウガはみじん切りにする
  2. しょうゆ、酢、ごま油、砂糖、長ネギ、ショウガを混ぜ合わせ、香味だれを作る
  3. 鍋に湯を沸かし、オカワカメを20~30秒ほどさっとゆでる。冷水に取り、水気を絞り、大きいものは2~3等分に切る
  4. 同じ鍋の湯を弱火にし、塩を加え、豚肉を1枚ずつ入れて色が変わるまでゆでる
  5. 豚肉に火が通ったらざるにとって冷ます
  6. 器にオカワカメと豚肉を盛り、香味だれをかける

オカワカメとしらすの卵焼き

オカワカメとしらすの卵焼き

オカワカメとしらすを加えた、彩りのよい卵焼きです。冷めても食べやすく、お弁当のおかずにもなります。

材料(2人分)

  • オカワカメ  20g
  • 卵      2個
  • しらす干し  15g
  • だし汁    大さじ1
  • しょうゆ   小さじ1/3~1/2
  • 砂糖     小さじ1/2
  • サラダ油   適量

作り方

  1. オカワカメはよく洗い、20~30秒ほどさっとゆで、冷水に取り、水気を絞って粗みじん切りにする
  2. ボウルに卵を割り入れて溶きほぐし、だし汁、しょうゆ、砂糖、オカワカメ、しらすを加えて混ぜる
  3. フライパンにサラダ油を薄くひいて中火で熱し、卵液を流し入れる
  4. 卵をかき混ぜ、左右の端を折り返し、奥から手前に巻いて長方形にする
  5. 巻き終わりを下にして加熱したら、フライパンから出して粗熱を取り、食べやすい大きさに切る

オカワカメの栽培方法

オカワカメの芽

オカワカメは丈夫で育てやすく、長期間収穫が楽しめるつる性の野菜です。市販の苗のほか、ムカゴからでも栽培できます。プランターの場合は、深さと幅のあるものを使うと、根の成長を妨げず、葉も十分に育ちます。

準備・土づくり

オカワカメは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。水はけが良く有機物を含んだ土が適しているので、植え付け前に腐葉土をすき込んでおくとよいでしょう。元肥は控えめで構いません。プランター栽培は市販の野菜用培養土を使うのが手軽です。

植え付け

霜の心配がなくなる5月上旬~下旬が適期です。植え付けは、株間20cm、プランターなら1鉢2~3株が目安です。植え付け後、支柱やネットを立て、つるを絡ませて誘引します。 ムカゴから育てる場合は、5月上旬ごろ育苗ポットに培養土を入れ、芽の出る部分を上にして浅く埋め、発芽させてから苗と同様に植え付けます。

管理・水やり

つるが伸びてきたら、支柱やネットに誘引しながら育てます。つるの先端を摘む摘心をこまめに行うと、わき芽が増えて葉の収量が上がります。緑のカーテンに仕立てる場合も、摘心を繰り返してボリュームを出します。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。追肥は葉の色が薄くなったら少量を施します。

収穫

植え付けからおよそ1~2カ月後、直径7〜8cmほどに育った葉を下のほうから順に摘み取ります。収穫を兼ねてつるを剪定(せんてい)すると新しい芽も伸びやすくなり、夏から秋にかけて次々と葉を収穫できます。秋にはつるにムカゴがつき、食用になるほか、翌年の栽培にも利用できます。

冬越し

暖地や中間地では屋外でも冬を越します。地上部は冬に枯れますが、地中の球根が残り、翌年5月ごろにふたたび芽を出します。寒冷地では球根を掘り上げて凍らない場所で保管するか、プランターごと暖かい場所に移すと安心です。

注意したい病害虫

オカワカメは病害虫がつきにくい野菜ですが、風通しや日当たりの悪い環境では、まれにアブラムシやアザミウマ、うどんこ病が発生することがあります。予防対策として、葉が茂りすぎないように収穫・剪定するほか、窒素分の多い肥料のやり過ぎに注意しましょう。

育てて味わう、夏野菜の新定番

ベランダ栽培のオカワカメ

クセが少なく、さまざまな料理に使えるオカワカメ。暑さに強く育てやすいため、夏場の葉物野菜として、また日陰をつくる緑のカーテンとしても役立ちます。厳しい暑さのなかでもぐんぐんツルを伸ばし、青々と葉を広げる姿には、どこか頼もしさが感じられます。直売所などで手に入れて味わってみるのもよし、苗やムカゴから育てて収穫の楽しみを味わうのもよし。暑さが続く夏の毎日に、オカワカメを取り入れてみてはいかがでしょう。

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