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ラーメン向け小麦を開発!「麺美人」で月間3,000食を目ざす(2/3)

ラーメン向け小麦を開発!「麺美人」で月間3,000食を目ざす

博多ラーメン、長浜ラーメン、久留米ラーメンなど、とんこつラーメンのメッカである福岡県では、2009年からラーメン向けに品種開発した小麦「ちくしW2号(愛称:ラー麦)」を販売開始。2017年9月には、ラー麦で作った半生ストレート細麺の袋入りラーメン「麺美人」をリリースしました。開発には、小麦を栽培した生産者たちも開発に携わったこだわりの商品です。今回は、JA全農ふくれん農産部農産課の西原芳弘(にしはらよしひろ)さんに話をうかがいました。

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麦農家が開発!硬質麦研究会発の新商品「麺美人」

ラー麦

「ラー麦」は誕生以来、福岡県を上げてPR活動を行うなど売上拡大に大きな期待が寄せられていました。しかし、「タンパク値が低い」「ブランド力が弱い」など、品質や認知度に課題がありました。タンパク値が低いと、麺の歯切れや粘弾性が低下し、茹で伸びがしやすくなるといいます。

そこで2013年にJA全農ふくれんでは、麦農家で構成する麦部会内に硬質麦研究会を立ち上げて、生産技術の向上や販売促進活動をスタート。

「硬質麦研究会ができたことで、栽培技術の情報共有などが効率的に行われるようになりました。また、硬質麦研究会員が出演するCMを展開するなどPRにもいっそう力を入れていき、認知度アップ及び需要拡大を目指しました」。

こうした精力的な活動を行う中で、硬質麦研究会内の意識や農家のモチベーションも上がっていったといいます。そして会員から、「県外からの旅行客及びインバウンド、出張に来たサラリーマン等の土産品としての需要開拓のためにオリジナル商品を作りたい」という声が上がり、県内の加工会社である九州丸一食品株式会社と共同で袋入りラーメンの開発が始まりました。

「ラー麦」の特性を最大限に活かした袋入り麺が誕生

麺美人

「ラー麦」の麺に合うスープやデザインについて、生産者たちと九州丸一食品が検討を重ねて商品開発を進めていきました。生産者たちが商品開発に携わるのは、初めてのこころみで気合も入ったそうです。また、生産者の顔が見える商品を作りたい」という思いから、収穫間際の「ラー麦」圃場に生産者が集い、パッケージや販促ポスター用の写真撮影を行ったりもしました。

こうして、麦農家がこだわった「麺美人」が完成したのです。

「ラー麦を100%使用したストレートの細麺で、スープは麺のおいしさを味わってもらうためにあっさりとんこつにしました。また、家庭ではなかなか常備されていない、紅しょうがを付けています。

お土産品は、男性よりも女性の購入頻度が高いというデータに基づいてパッケージは女性向けのデザインにしました。『ラー麦』が福岡のラーメンの特長であるストレート細麺に合うよう開発されたことにちなんで、ストレートヘアの女性をモチーフにしています。また、裏面にはラー麦生産者の写真を載せて生産者の顔が見えるように工夫しました」。

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