「6」に込められた意味とは
6次産業化の意味を考える際には「6」がヒントとなります。いったいどのような意味なのでしょうか。
農作物などを生産する産業は1次産業と呼ばれています。一方で、工・製造業は2次産業、販売・サービス業は3次産業に分類されています。6次産業化とは、1次産業の担い手である生産者が、2次産業の食品加工、3次産業の流通・販売に一体的に取り組み、所得を伸ばすことを示します。1×2×3=6というわけです。
例えば、福島県喜多方市のある稲作農家は生産しているコシヒカリを使った餃子などの商品を開発。加工技術の専門家の意見を取り入れ、製造部門の雇用を増やすなど、工夫を重ねました。地元名産品の喜多方ラーメンとセットで売り出したところ、売上高は2011年の700万円から2013年の960万円に増えたそうです(※1)。
なぜ6次産業化が必要か
なぜ今、6次産業化が必要とされているのでしょうか。農業は、地域ごとでいくつかの生産者が共通の作物を栽培することで産地が成り立ってきました。しかし、近年では、手軽に食べることができる加工食品へのニーズが高まったり、特定の生産者の野菜に人気が集まるブランド作物などが注目されたりするようになりました。こうした消費者の需要の変化にともない、作物を生産するだけでは所得が伸びにくくなり、商品開発や販売方法の工夫が求められるようになったのです。
国の補助を活用しよう
6次産業化を目指す方には、農林水産省の総合化事業を活用するのがおすすめです。これは、生産者が6次産業化の事業内容を盛り込んだ総合化事業計画を作成し、農林水産省が認定する制度です。
認定を受けた生産者は審査をクリアすれば、国による支援対象となります。例えば「食料産業・6次産業化交付金」では、新商品開発や販路開拓にかかる経費の他、加工工場など必要な施設整備費の一部が国負担となります(※2)。
6次産業化とは何かを、理解していただけたでしょうか。全国の取り組み事例や国による支援など、もっと詳しい内容を知りたい方は、農林水産省のホームページなどを検索してみてください。
※2 平成30年度6次産業化支援対策の予算概算要求の内容:農林水産省
上記の情報は2018年1月20日現在のものです。