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農業はいのちの原点 自ら農作物を育て本物の食と健康を取り戻す(3/3)

農業はいのちの原点 自ら農作物を育て本物の食と健康を取り戻す

農林水産省では、健康長寿社会の構築に向け医福食農連携プロジェクトを推進しています。医療・福祉の現場では、心身の健康を左右する食の重要性が改めて見直されるなか、熊本県で御幸病院や老健施設などを経営する総合施設「みゆきの里」は「農業生産法人 株式会社みゆきの里健康ファーム」を設立。職員が自ら農業の現場に携わることで、同施設のスローガンにある“コミュニティヘルスの実現”に向けた取り組みをスタートさせています。

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目ざすのは、採りたて野菜で作るお味噌汁

安心安全な食材の提供も大切な課題です。みゆきの里健康ファームでは、年間でタマネギ約10トン、ジャガイモ約600キロ、その他、枝豆、ニンニク、一文字、ニラなど、季節の野菜を無農薬で育てています。

収穫した野菜は、主にみゆきの里各施設からの注文を受けて納品。利用者の給食に提供されます。一部は売店で販売され、地域住民の食卓にも上ります。

「やはり鮮度の良さがウリですね。タマネギなどでも、市場に出回るよりも早く、まだ柔らかい時期のものを提供できます。『甘くて美味しい』と喜んでいただいています。目ざすのは農家の人が朝、庭先の畑から切ったネギを入れた出来立てのお味噌汁です」と稲田さんは微笑みます。

オリジナルハーブティで健やかな生活を提案

みゆきの里健康ファームが特に力を入れているのがハーブの栽培です。製品を受託製造するOEMで販売している御幸健美茶のほか、2017年には自社のオリジナル製品としてレモングラス茶の販売をスタートさせ、6次産業化を実現しました。

レモングラスはレモンのような香りと爽やかな風味でリフレッシュ効果があり、風邪予防や消化促進、ダイエットにも効果的とされています。健康生活をコンセプトとするみゆきの里にはぴったりのハーブです。

2018年3月には、北米の先住民が薬草として用いていたといわれるエキナセアと、レモングラス、カモミールなどをブレンドした新商品のハーブティーも発売予定です。

事業をスタートさせて丸3年。農業単独で経営していくことの難しさを実感する日々です。現在、農作業を担当するスタッフはわずか1名ですが、今の利益ではスタッフ増員も難しい状況です。

「あくまで医療法人が取り組む農業生産法人ですから、医福食農の連携を第一に考えて事業を進めていく予定です。将来的には、みゆきの里にファームリハができる圃場をもう少し確保したい。そして、私たちのハーブをまずは職員、そして地域コミュニティの皆様の健康づくりに役立てていきたい。それを今後の3ヶ年計画にしたいです」。

食は命の源。その食を作るのは農業。農業への取り組みは、超高齢化社会が訪れた日本で、健康で長生きする人生を送るための選択肢のひとつとなっていくのではないでしょうか。

農業生産法人 株式会社みゆきの里健康ファーム

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