イタリアでは「ビンテージ米」が主流
まずはリゾットと古米の相性について情報収集。すると、農業をしながらレストランプロデュースや料理教室の開催など菜園料理家として活動する藤田承紀(ふじた・よしき)さんが「イタリアにいたとき、日本のように『新米』をうたうお店は見かけませんでした」と教えてくれました。店先に「新米」ののぼり旗が立ち、米袋に「新米」シールが貼られる日本とは大違い。やはり新米に対する特別感は日本ならではのようです。
「日本ではお米をそのまま食べるため甘さや食感が求められますが、チーズやトマトやオイルなどの旨みを合わせるリゾットでは、味の強すぎないさらりとしたお米の方が使いやすいです。そのため、収穫から時間を置き水分が抜けて硬化したお米の方が、リゾットに合うと思います」(藤田さん)
藤田さんは以前に、「ササシグレ」という品種のお米の1年物、2年物、4年物を水とオリーブオイルと塩だけでリゾットにしました。すると、1年物はまだ水っぽく、4年物は少々の古米臭。リゾットに適していたのは2年物だったと言います。
これはぜひ実際に食べて確かめてみたい…ということで、イタリアンのシェフを訪ねました。