キラキラ農業女子が活躍するヴィレッジ
なめがたファーマーズヴィレッジに勤務する瀧澤芽衣(たきざわ めい)さんは2018年春に入社4年目を迎える若手のチームリーダーです。「専業農家FARMER 農業Division農芸部係長 土に触れてワクワク!情愛農育デザイナー」という肩書を持つ瀧澤さんが携わる仕事は、マルシェの取りまとめを中心に多岐に渡ります。自社商品だけでなく、地元の農家から仕入れた新鮮野菜を取り扱うヴィレッジ内の「ファーマーズマルシェ」で、何を提供するか、どういう形で販売するか。企画から販売展開までを担当するチームは、農家とのコミュニケーションから、農場での畑仕事、来場者の体験イベントの運営などを行っています。
「〝やらなくちゃ″という使命感よりも〝やれる喜び″を実感しています。やりたいことを全部やれる環境は、楽しくないはずはありません。私たちの結果は、生産者の方々とお客様の笑顔でダイレクトに返ってくるので、毎日やりがいを感じています」と話す瀧澤さんは神奈川県の出身。幼いころ、熊本県でスイカ農家を営む祖父母の畑で過ごした原体験を胸に、明治大学農学部に進みました。そこで直面した農業の現実。「このままじゃダメだけど、どうしよう」。閉塞感と深刻な状況に愕然とする学生時代だったと言います。それでも「農業に関わる仕事がしたい」瀧澤さんは「6次産業化」というキーワードを軸に就職活動をする中で、白ハト食品工業に出会いました。「その時点では、ファーマーズヴィレッジのイメージイラストしかありませんでしたが、新しい農業の姿を一緒に創っていこうという社長のメッセージに共感し、入社を志望しました」。
入社して3ヶ月の研修期間は、企画やブランドディレクションを学ぶ一方で、店舗での接客から、神戸の菓子製造工場での業務まで体験し、自社内の6次化の全体像を把握する日々を過ごしました。それまで、気が付かずにいた自分の主観と他者の視点。「社会人として、客観的な視点でベストを見つけることの大切さを学んだ3ヶ月だった」と言います。
研修を終えた7月、念願叶って「なめがたファーマーズヴィレッジ」へ配属。同期入社の仲間の多くも行方へ。企業の未来を決めるようなミッションに若手を投入する会社の姿勢に、「新しい農業の姿を一緒に創っていこう」という社長の言葉が実行されていると確信しました。
当時の「ヴィレッジ」は10月のオープンを目指し、リノベーションの真最中。それからオープンまでの日々は「ワクワクとドキドキの連続でした」と振り返ります。育苗チームで苗を育てることを中心に、イモ掘り体験や、鹿島アントラーズとのコラボレーションの企画、なめがたオリジナル商品の販促など、「ヴィレッジ」のオープン前後、無我夢中の社会人1年目を過ごしました。
若手社員が描くヴィレッジの未来
自分が携わった商品が店頭に並ぶ喜びを味わう一方で、「勝手に同期との差を感じて、焦って、態度に出してしまう。もともとポジティブな性格のはずなのに、ネガティブになっていくことが自分でわかるほど」落ち込むことも経験。その状況を救ったのは「泣きながらも前向きな瀧澤の姿を信じる」という上司の言葉。
「経験がないことは不安が多い、一緒に不安にならずに支えてくれる上司、自分もそうなりたい」と感じた瀧澤さん。チームリーダーの現在は「信頼が結果に、結果が自信に、自信が成長につながる」という自らの経験を意識してチームをまとめています。「自分じゃなければできない仕事があると自負しているけれど、自分が抜けてもできる、強いチームを残したい。できれば、いつまでもここに関わっていきたいと考えていますが」。ヴィレッジの未来と自分の将来を見据えます。
地域住民にも参加してもらった校庭跡を使って行った大運動会。「ここに子どもたちの笑顔が戻ってくるとは思わなかった」という参加者に声に、その風景を作れたことに誇りを感じた2年目。「ここがあってよかった」と地域の方々にも大切にしてもらえる施設にしたいという思いを新たにしました。
3年目の挑戦は、家族の思い出を作る場所。子どもが初めて農業に触れる場所にすること。「将来的に、就農の一歩目となる施設にしていきたい。大人になって、就農に目を向けた人が帰ってくる場所、就農支援の最初の窓口になるのが理想の姿。長期的に取り組む〝農業をステキにする!″活動のひとつです。」
農業を取り巻く環境を良くしていくことは簡単ではないし、難しさもある。けれど、自分たちが経験してきたことを糧に、少しずつでも変えていくことが、日本の農業をステキにしていくことだと思います」と話す瀧澤さんは紛れもないキラキラ農業女子です。
瀧澤さんの上司で、株式会社なめがたしろはとファーム常務執行役員の佐藤大輔(さとう だいすけ)さんは「弊社の社員、特に生産現場に関わる若手は、自ら働き方を考え、やりがいを見いだしています。働くことに自分なりの意義を持って行動する。彼らには、条件も大切だけれど、それよりも働きがいを感じてもらえるように気を付けている」と話します。働きがいがあるからこそ、目的が生まれ、達成感を得られる。「プロである意識と、生産者への尊敬や憧れ、リスペクトする気持ちが、農業をステキにする第一歩」。