ビワの紹介
市場に出回るのは、初夏の5~6月のみという短い期間のため、頻繁に食べられないプレミアム感があります。夏の始まりを感じさせてくれるフルーツがビワです。
ジューシーで柔らかく、上品な甘さとほのかな酸味があり、贈り物としても人気があります。毎年初夏の旬果物として需要がありますが、生産数は減少傾向にあります。生産量の4分の1は長崎県産が占めており、千葉県、愛媛県が生産量トップの長崎県に続きます。(※2014年の情報です)。
実の真ん中に大きな種があるものが一般的ですが、近年千葉で育種された世界初の種なしビワが誕生し、話題を集めています。
鮮度が良いおいしいビワの見分け方
鮮度が良いおいしいビワは、表面にツヤがあり、色が鮮やかな橙色で、茶色く変色していません。うぶ毛は新鮮さの証なので、きちんと残っているか確認しましょう。また、衝撃に弱いため、傷がないか調べるのもチェックポイントです。
ビワの保存方法
ビワは完熟に近い状態で出荷されるのがほとんどなので、追熟の必要がありません。購入したらすぐに食べきるようにしましょう。少しでも長く保存したい場合は、パックトレーのまま冷蔵庫の野菜室で保管します。低温に弱いため、なるべく常温保存が良いとされています。冷やしすぎには注意し、食べる直前に冷やすのが理想です。
ビワをおいしくするワンポイント
ビワの食べ方
ビワは手で皮をむき、果肉のみを食べるフルーツです。皮を剥く時は、へそのある方から剥くと簡単に剥けます。真ん中に茶色い種があり、種の周りの渋皮には渋みがある可能性が高いので、一緒に取り除きましょう。
ビワの楽しみ方いろいろ
ビワは水煮にされ、缶詰などに加工されます。近年はビワジャムやアイスクリームも人気で、ビワゼリーは長崎の特産品となっています。スイーツだけではなく、ビワ酒やジュースなどにも幅広く利用されています。
ビワは葉まで楽しめる!?
ビワの葉が手に入った時は、葉っぱでビワ茶を作るのがおすすめです。ビワの葉っぱは古くから乾燥させて煎じ、清涼飲料水として利用されてきました。
ビワの豆知識
ビワはβカロテンが豊富
ビワはβカロテンの含有量が非常に多く、100グラム中810ミリグラムも含まれています。これは果物の中でもとても多い方です。
ビワは火傷の薬?
ビワの産地では、古くから果実を丸ごと煮詰めたものを、火傷や皮膚病の治療薬として利用してきました。
イチジクの紹介
イチジクは、上品な甘みと滑らかな舌触りが特徴で、生のまま食べるだけではなく、フランスなどでは料理にも大活躍する果物です。
内側に小花がつき、花托が蕾のように肥大することで果実ができます。外部からは花が見えないので、「無花果」という漢字でイチジクと呼ばれるようになりました。旬の時期は、ハウス栽培が6~7月、露地ものは8~10月になります。
イチジクの保存方法
イチジクはビニール袋に入れて、野菜室で保管するようにしましょう。痛みやすく日持ちしない果物なので、早めに食べきるようにします。鮮度のいいものであれば、1~2日は常温で保存できます。
イチジクをおいしくするワンポイント
食物繊維が豊富
イチジクには、食物繊維のペクチンが非常に多く含まれています。ペクチンは腸内環境を整える働きがあるとされています。また、糖類の吸収を緩やかにする効果が期待できるので、ぜひ取り入れたい果物です。
イチジクの白い汁は消化酵素
イチジクをカットした時に出てくる白い汁は、たんぱく質を分解する働きがあるとされる消化酵素のフィシンです。生ハムに合わせると、味のバランスが良いのはもちろん、消化を助けてくれる働きが期待できます。
イチジクの加工品
イチジクは加工品も様々な種類が存在し、中でもジャムやドライフルーツは非常に人気が高いです。また、ケーキやタルトの具材としても利用されています。
イチジクの種類
桝井(ますい)ドーフィン
大ぶりで日持ちが良いのが特徴です。夏秋兼用品種であり、季節によって赤紫から紫色に色づきます。
ビオレソリエス
黒皮で小ぶりですが、甘みが強い品種です。原産はフランスで、フィグノワール(黒イチジク)と呼ばれています。
とよみつひめ
福岡県で開発された新種のイチジクです。糖度がなんと17度もあり、非常に甘く、果肉は黄色で滑らかな舌触りが特徴です。
ビワとイチジク、どちらも夏が旬の果物です。夏の時期にはジューシーな生の果実を味わい、他の季節には、ドライイチジクやビワジュースなど、多彩な加工品で楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)