野菜・果物の幅広い知識を持つ「野菜ソムリエ」
野菜ソムリエは、「日本野菜ソムリエ協会」が独自に認定している民間資格のひとつです。生産者と生活者の懸け橋となることが使命で、野菜・果物の目利き、栄養、素材に合わせた調理法など毎日の食生活に欠かせない野菜・果物の幅広い知識を身に付けることで、家族の健康や食に関わるさまざまな仕事に生かすことを目的としています。
野菜ソムリエには、その上位資格である「野菜ソムリエプロ」と「野菜ソムリエ上級プロ」もあり、2018年11月時点では、約6万人の資格取得者が、料理教室やセミナー講師、食育活動、コラム執筆、レシピ開発、青果販売など、さまざまなフィールドで活躍しています。
資格取得には、講座受講と資格試験への合格が必要
野菜ソムリエの資格は、日本野菜ソムリエ協会が開催している講座を受講し、その後行われる試験に合格することで取得することができます。他の資格制度に見られるような、資格試験のみを受験すれば良いというものではないので注意しましょう。
講座はすべての講義を協会指定の会場で学ぶ通学制と、すべての講義を通信教材で学ぶ通信制、通学制と通信制の間をとった半通学制の3つのコースに分けられます。検定試験は、どのコースでも協会指定の会場で受験しなければなりません。
野菜ソムリエ資格の取得コース
各種野菜ソムリエの資格を取得するには、基本となる「野菜ソムリエコース」のほか、「野菜ソムリエプロコース」「野菜ソムリエ上級プロコース」のいずれかを受けることになります。
ここからは、それぞれのコースの特徴について解説していきましょう。
野菜ソムリエ資格の取得コース
野菜・果物の基礎知識と、伝え方のノウハウを身に付け、生活力の向上や職場でのスキルアップにつなげていくことを目指すのが野菜ソムリエコースです。野菜ソムリエ資格の取得を目指す場合、ここからスタートする方が多いです。
野菜ソムリエコースは、1科目2時間の講義を全7回行います。最後に修了試験を実施し、合格することで資格を取得することができます。費用は入会金と受講料を合わせて14万8000円(税込み)で、通学・通信・半通学での受講が可能です。
野菜ソムリエプロコース
野菜ソムリエの上位資格に位置し、基礎知識よりもさらに深い、野菜・果物の専門的な知識を身に付け、青果物のスペシャリストとして社会に価値を伝えることができる人材を目指すのが野菜ソムリエプロコースです。講義数は全18回となり、検定試験も1次試験である筆記試験と、2次試験である面接試験の2回に分かれます。
資格取得後は、1年ごとの更新と資格の維持費が必要で、野菜ソムリエメンバーズ(年会費6000円・税込み)への入会をもって更新されます。
野菜ソムリエプロコースの受講料は総額32万500円(税込み)ですが、すでに野菜ソムリエの資格を取得している場合は、17万2500円(税込み)で受講することができます。通学もしくは通信での受講となり、半通学での受講はできません。
野菜ソムリエ上級プロコース
野菜ソムリエ上級プロコースは、野菜ソムリエプロ資格を持ち、資格を生かして活動・活躍している人が対象の、野菜ソムリエの最高峰コースです。活動のほかにも1年ごとのレポートの提出と、資格の維持費用が発生し、レポートの審査通過と野菜ソムリエメンバーズ(年会費6000円・税込み)への入会をもって更新されます。
野菜ソムリエ上級プロコースの受講料は27万円(税込み)で通信制で受講する事ができますが、野菜ソムリエプロ資格を取得していることに加えて、自身の専門領域の活動実績が審査で認められるか、協会が推薦する人であることが受講条件です。
キッズ野菜ソムリエの育成プロジェクト
養成講座とは別に取り組まれているキッズ野菜ソムリエは、年中~小学6年生までの子ども達を対象とした、今までの「大人から子どもへ」の食育から「子どもから子どもへ」向けた新しい食育の形の育成プロジェクトです。
野菜ソムリエが主催するイベントに参加してセミナーを体験することで、キッズ野菜ソムリエになることができます。セミナーの参加費は3000円(税込み)で、キッズ野菜ソムリエに任命されると任命書が付与され、エプロンと黄色いチーフが贈呈されます。
現在、3000人以上のキッズ野菜ソムリエが誕生しており、イベントなどを通じて野菜・果物のPR活動を行っています。
また、楽しみながら学ぶことで、野菜・果物への関心が高まり「今まで嫌いだった野菜が食べられるようになった」という声も多く、子ども達の野菜嫌いの克服にもなっているようです。
野菜ソムリエの資格取得のメリットとは
日本野菜ソムリエ協会によると、資格を取って「買い物が楽しくなった」という人が多いそうです。野菜の知識を深めて生かし方を知ることで、より興味・関心が深まっていくのでしょう。それ以外にも、「野菜を食べる量が増えた」「料理をする機会が増えた」「野菜の鮮度がわかるようになった」など、多くの人が実生活でさまざまなメリットを感じることができています。
また、上位資格を取得すれば、それが自分自身のスキルを証明する一種のブランドとなり、仕事にも生かせる機会が増えるようです。お店を開業したり、料理教室やセミナーの講師を目指したり、農作物のプロモーションに生かしたりと、さまざまなシーンで野菜ソムリエの資格が活用されています。
野菜ソムリエが生かせる仕事とは
日常生活でのメリットに注目されがちな野菜ソムリエの資格ですが、仕事においてもさまざまな活用が可能です。例えば、飲食店や青果店の店員の場合、その知識を基にした新メニューを開発したり、お客様とのコミュニケーションの機会を得ることができるでしょう。
それ以外にも、食品関係の記事を書く「フードライター」や、人に料理を教える「料理教室講師」「食育セミナー講師」など、野菜ソムリエの知識を生かせる職業は多くあり、その活動は日本だけでなく、海外にも広がっています。
現在、『春のスタートキャンペーン』として2019年4月14日(日)申し込み分までを対象に、野菜ソムリエ資格を受講価格から5000円引きの14万3000円(税込み)で受講することができ、日本野菜ソムリエ協会ホームページ内に記載されているクーポン番号を入れてウェブサイト、FAX、電話で申し込むことができます。
仕事にもプライベートにも活かせる野菜ソムリエ資格の取得を、目指してみてはいかがでしょうか。
監修:野菜ソムリエ 桜井さちえ