九州や北陸、東北は平年より遅い梅雨明け
今年は5月14日に全国に先駆けて奄美で梅雨入りが発表され、16日には沖縄でも梅雨入りとなりました。沖縄、奄美ともに昨年よりも早いものの、平年よりも遅い梅雨入りです。九州から東北の梅雨入りは平年並となる予想です。梅雨明けは、九州や北陸、東北で平年より遅くなりますが、その他の地方では平年並の見込みです。
現在、弱いエルニーニョ現象が継続しているとみられ、その影響で、太平洋高気圧の中心は平年に比べて南東側にずれる見通しです。太平洋高気圧は西への張り出しは強いものの、北への張り出しが弱く、梅雨前線の北上が遅れます。このため、高気圧の縁にあたり、暖かく湿った空気が流れ込みやすい九州や北陸、東北では梅雨明けが遅れる可能性があります。
梅雨期間は九州や北陸、東北地方で平年よりも1週間前後長くなる予想です。中国・四国、近畿、東海、関東甲信では平年並の長さとなりますが、全国的に短かった昨年の梅雨と比べると、関東甲信では約3週間、その他の地方でも1週間前後長くなる見通しです。沖縄でも平年よりも短いものの、昨年よりも約2週間長い梅雨となりそうです。
西・東日本では7月上旬〜中旬に雨のピーク、梅雨末期の大雨に注意
今年の梅雨期間の雨量は、東北から九州北部にかけては平年並、四国、九州南部では平年よりやや多く、沖縄・奄美では多くなる予想です。
6月以降は太平洋高気圧の勢力が徐々に強まりますが、今年は北への張り出しが平年より弱く、暖かく湿った空気の流れ込みは沖縄・奄美が中心になります。このため、沖縄・奄美の雨量は平年よりも多くなる見通しです。梅雨末期にあたる6月上旬は梅雨前線が活発化し、豪雨、大雨に警戒が必要です。九州南部や四国は平年同様曇りや雨の日が多く、降水量は平年並となります。九州北部から東北にかけては雨の降る日が少なく、雨量は平年並か少なくなる見込みです。
7月は太平洋高気圧の北への張り出しが強まるため、梅雨前線が北上し、本州付近に停滞しやすくなります。また、太平洋高気圧に沿って暖かく湿った空気が流れ込み、梅雨前線の活動が活発化する見通しです。梅雨明けするまでの期間は雨の降る日が多くなり、九州から東北にかけての雨量は、平年並か多い見込みです。豪雨、大雨の恐れもあるため、河川の増水、家屋への浸水、土砂災害などへの警戒が必要です。
◆各地方の梅雨入り予想
地方 | 2019年 | 2018年 | 平年 |
東北北部 | 6月中旬 | 6月11日頃 | 6月14日頃 |
東北南部 | 6月中旬 | 6月10日頃 | 6月12日頃 |
北陸 | 6月中旬 | 6月9日頃 | 6月12日頃 |
関東甲信 | 6月上旬 | 6月6日頃 | 6月8日頃 |
東海 | 6月上旬 | 6月5日頃 | 6月8日頃 |
近畿 | 6月上旬 | 6月5日頃 | 6月7日頃 |
中国 | 6月上旬 | 6月5日頃 | 6月7日頃 |
四国 | 6月上旬 | 6月5日頃 | 6月5日頃 |
九州北部 | 6月上旬 | 6月5日頃 | 6月5日頃 |
九州南部 | 5月下旬 | 6月5日頃 | 5月31日頃 |
奄美 | 5月14日 | 5月27日頃 | 5月11日頃 |
沖縄 | 5月16日 | 6月1日頃 | 5月9日頃 |
※沖縄・奄美の梅雨入りは、実際に各気象台が梅雨入りを発表した日付けです。
◆各地方の梅雨明け予想
地方 | 2019年 | 2018年 | 平年 |
東北北部 | 8月上旬 | 7月19日頃 | 7月28日頃 |
東北南部 | 7月下旬 | 7月14日頃 | 7月25日頃 |
北陸 | 7月下旬 | 7月9日頃 | 7月24日頃 |
関東甲信 | 7月下旬 | 6月29日頃 | 7月21日頃 |
東海 | 7月中旬 | 7月9日頃 | 7月21日頃 |
近畿 | 7月中旬 | 7月9日頃 | 7月21日頃 |
中国 | 7月中旬 | 7月9日頃 | 7月21日頃 |
四国 | 7月中旬 | 7月9日頃 | 7月18日頃 |
九州北部 | 7月下旬 | 7月9日頃 | 7月19日頃 |
九州南部 | 7月下旬 | 7月9日頃 | 7月14日頃 |
奄美 | 7月上旬 | 6月26日頃 | 6月29日頃 |
沖縄 | 6月下旬 | 6月23日頃 | 6月23日頃 |
※梅雨入り・梅雨明けには平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間あり、表には移り変わりの期間の概ね中日を記載しています。
※本見解は2019年5月21日時点のものです。予測が大きく変わる可能性もありますので、最新見解は、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」または、ウェザーニュースウェブサイト「梅雨情報」にてご確認ください。
【関連リンク】
ウェザーニュースウェブサイト「梅雨入り・梅雨明け見解」