生育初期の稲をジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の食害から守る3つのポイント

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生育初期の稲をジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の食害から守る3つのポイント

生育初期の稲をジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の食害から守る3つのポイント
最終更新日:2019年06月19日

関東以西の温暖な地域では、俗にジャンボタニシと呼ばれている外来種のスクミリンゴガイによる農作物への被害が深刻です。用水路や水田及びその周辺に繁殖し、田植え直後の柔らかい稲や、れんこんの若芽を根こそぎ食い荒らしています。温暖化などの影響もあり、越冬する個体が増えたことも被害拡大の一因です。そこで今回は、元鹿児島県農業開発総合センター 病理昆虫研究室長で、現在は三井化学アグロ株式会社の技術顧問である農学博士の井上栄明先生に、スクミリンゴガイの対策について伺いました。

食用として持ち込まれたスクミリンゴガイ

スクミリンゴガイ(学名:Pomacea canaliculata)は、南米原産の淡水に生息する大型の巻貝(成貝の大きさは殻高3~8cm)で、日本には食用として、1981年に東南アジア方面から輸入されてきました。

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スクミリンゴガイの生態に詳しい農学博士の井上先生

全国に500カ所もの養殖場ができるなど、当初は新たな水産物として期待されていましたが、味が日本人好みではなかったことや、広東住血線虫の感染源にもなることから、商品価値が上がることはなく、養殖場から逃げ出したり、廃棄されて野生化した貝が繁殖し、田植え直後の稲を食い荒らすようになりました。

1984年には植物防疫法に基づき有害動物に指定されて輸入が禁止になり、現在は環境省と農林水産省が作成する「生態系被害防止外来種リスト」で、対策の必要性が高い「重点対策外来種」に選定されています。

◇参考情報 環境省のチラシ

1日に体重の半分を食す大食漢! その繁殖力も脅威

スクミリンゴガイの食性は、雑食で植物質から動物質まで幅広くエサにし、特に柔らかい物を好みます。食欲は、とても旺盛で、1日に自分の体重の半分ほどの量を摂取する大食漢で、大きな貝ほど農作物への被害は甚大です。

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地域ぐるみで生息密度を減らす活動を

水稲での被害がクローズアップされていますが、稲がスクミリンゴガイの大好物かといえば、そういう訳ではありません。田植え直後の水田には、生育初期の稲しかないので、食べられてしまうのが実情です。

育苗日数にもよりますが、田植え直後から2~3週間が注意の必要な期間で、その後は生長して堅くしっかりとした稲になるので、スクミリンゴガイに食べられることはありません。

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ピンク色の卵塊は、水に払い落としましょう

南米原産のスクミリンゴガイは温暖な気候を好み、寒い時期には土に潜っていたり、用水路の温かい場所でじっとして越冬し、水温が上がる田植えシーズンに活性化します。

繁殖が可能になった雌貝は3~4日おきに産卵し、卵塊(1卵塊に200~300卵)を稲の茎や用水路の壁などに産み付けます。卵は、10日ほどで孵化して、2カ月ほどで成熟するという高い繁殖力を誇ります。

卵塊は、鮮やかなピンク色で初めて見た方は一様に驚きますが、自然界では警告色の意味合いもあり、卵には毒もあるので鳥などに捕食されないようです。

◇参考情報 農研機構 九州沖縄農業研究センターの研究トピックス(スクミリンゴガイ)

スクミリンゴガイの食害から守る3つのポイント

高い繁殖力と温暖化なども追い風に、スクミリンゴガイの分布域は、九州や四国はもちろん、本州でも太平洋側の温暖な地域で拡大し、農作物に被害が出ています。

ここまで分布域が拡大してしまっては、根絶するのは不可能で、その対策には、「入れない」、「食べさせない」、「広げない」という3つのポイントを押さえることが重要です。

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「入れない」、「食べさせない」、「広げない」がポイントだと話す井上先生

「入れない」というのは、用水路や取水口の管理をしっかりとすることです。田植えシーズンの前に水路の泥上げや、取水口に貝の侵入を防ぐネットを取り付けるなど、圃場への侵入をできる限り防ぎましょう。

「食べさせない」については、浅水管理や防除剤を使うことで貝の活動を抑制したり、殺貝し、食害を防ぐことです。貝は水中でしか稲を食べることができないので、貝が稲に寄りかかれないように、田植え直後はできる限り浅水管理をして殻高よりも低く保ちましょう。

もちろん、大雨による増水時にほかの圃場などから大量に侵入してきたり、ある程度の水深が必要なれんこんなどの作物では、防除剤による対策が効果的です。

3つ目の「広げない」というのは、越冬個体の駆除のことです。冬場にトラクターで耕うんすれば、貝の数を減らすことが可能です。スクミリンゴガイは比較的浅い所に潜っているので、耕うん作業で貝を物理的に破壊したり、殻を傷つけることで寒さへの耐性を低下させることができます。

また、スクミリンゴガイの卵は意外なことに水に弱いので、見つけたら水に払い落として孵化を防ぎましょう。

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農業用ドローンと散布機の作業比較のテスト風景


食害が発生したら、防除剤で迅速に対応

食害から守る3つのポイントを紹介しましたが、時として迅速に対応しなくてはならないケースがあるのも事実です。

例えば、近年増加しているゲリラ豪雨などの多量の雨水は、スクミリンゴガイの移動手段となり、水路で育った大型の貝が流れ込んでくるケースが増えています。大きな貝はそれだけ食害能力も高いので、防除剤による化学的防除が必要です。

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防除剤は水田やれんこん畑に均一に散布

現在、スクミリンゴガイの防除を目的とした薬剤は、「メタアルデヒド粒剤」、「チオシクラム粒剤」、「燐酸第二鉄粒剤」の3系統に分類することができます。

「メタアルデヒド粒剤」は貝を麻痺させることで殺貝し、「チオシクラム粒剤」は眠らせるような効果で貝の活性を低下させます。「燐酸第二鉄粒剤」は貝が剤を食べることで内臓機能を破壊して食害を防止し、殺貝する効果があります。

注目したいのは「メタアルデヒド粒剤」と「チオシクラム粒剤」には、使用する回数と時期に制限があるのに対し、「燐酸第二鉄粒剤」は有効成分が天然にも存在するものなので、使用する時期や回数に制限がなく、状況に合わせた散布が可能なことです。

「燐酸第二鉄粒剤」の『スクミンベイト®3』は、有機JAS適合資材として認可されているので、特別栽培米などで農薬散布成分にカウントされることもありません。

※各地方自治体の定める認定機関の判断によりますので、ご不明の場合は関係機関にお問い合わせください。

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燐酸第二鉄粒剤の『スクミンベイト®3』

スクミリンゴガイの対策に頭を痛めている生産者、JA、自治体の方々には、食害から守る3つのポイントを参考に、是非とも地域ぐるみで連携し、被害の最小化に取り組んで欲しいと思います。

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の被害には、スクミンベイト®3

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