累計調達額は約26億円 牛群管理システムの機能拡大へ
経営者、酪農・畜産および畑作の生産者、関係団体による食と農に関する交流イベント「ファームノートサミット2019~Rebuild~」では、食と農の分野の最前線で活躍する経営者たちが登壇し、参加者も交えたセッションが多数行われた。

参加者と議論しあう形式でトークセッションがおこなわれた

食と農の最前線で活躍する人々が数多く登壇

そのなかで同社は、スパークスグループ株式会社を運営者とする未来創生2号ファンド、共立ホールディングス、マイナビ、SMBCベンチャーキャピタル、大分ベンチャーキャピタルを引受先とした第三者割当増資により、8.5億の資金調達を実施したことを発表。
ファームノートHDでは、子会社の株式会社ファームノートを通じて、クラウド牛群管理システム『Farmnote』の拡販および機能強化に努めると共に、「Internet of Animals(※2)」を実現する牛向けウェアラブルデバイス『Farmnote Color』を開発、事業展開してきた。今回の約8.5億円の資金調達は、AI(人工知能)開発による製品・サービスの機能拡充、体制強化、研究開発の推進、新規事業の立ち上げに充当する予定だ。
※1 従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ(センサー機器、車、電子機器など)が、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組み。Internet of Thingsの略。
※2 経済動物をセンサーでインターネットにつなげ、人の目を介さずに人工知能により動物の状態を検知し、最適な飼養管理を実現する技術。ファームノートが提唱。
※3 参照元/平成31年畜産統計調査 農林水産省
新会社設立
上記に加え、新たにコンサルティング事業を目的とした完全子会社の株式会社ファームノートデーリィプラットフォームの設立も発表した。
IoTソリューションの最適な活用方法と、牛の遺伝改良や疾病予防、繁殖改善などの知見収集を目的とした生産牧場の経営に取り組む。また、IoTソリューション活用とそれを補完する知見をコンサルティングサービスの提供を通じ、アニマルライフケアの推進に努めていく予定だ。

今後の方針を発表するファームノートHDの小林晋也(こばやし・しんや)社長
今後は、当社がこれまでに構築をしてきた社内の獣医師等プロフェッショナル人材やものづくりのスキルなど「人的・組織的資源」、生産データやセンシングデータの「情報資源」、信頼できる生産者との「顧客基盤」、業界内外の企業や団体との「パートナーシップ」を酪農・畜産生産者の生産性向上するための基盤として提供、さらにAI(人工知能)等の次世代テクノロジーによって、誰でも高い生産性の牧場を運用できる「フルオートメーションファーミング」構想の実現を目指す方針だ。