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農家が教えるパセリの栽培方法 栄養たっぷり! 長く収穫できる育て方

久保田 夕夏

ライター:

連載企画:農家が教える栽培方法

農家が教えるパセリの栽培方法 栄養たっぷり! 長く収穫できる育て方

料理の脇役のイメージが強いパセリですが、実は栄養豊富な優れものの野菜です。細かく刻んで調理に使えば意外と使い道も多く、しかも料理も一段とグレードアップすることまちがいなし。さっとキッチンガーデンから収穫すれば新鮮な香りが食卓に広がります。パセリは丈夫な野菜で初心者にも育てやすいのでぜひチャレンジしてみましょう。

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パセリの栽培時期

パセリ写真

パセリの発芽適温は15〜20度、生育適温は15〜25度で、25度を超えると発芽率も生育も悪くなります。暑さには弱く寒さには強い野菜です。霜害にならない程度の寒さであれば越冬し、次の春には新芽が出てきます。パセリには葉が縮れたカーリーパセリと、葉の平たいイタリアンパセリの2種類があります。筆者が育てた感想としてはイタリアンパセリはカーリーパセリよりも病気になりにくく育てやすい印象で、家庭菜園におすすめです。

パセリの栽培暦

パセリの土づくり

播種(はしゅ)2週間前に苦土石灰を入れて畑を耕しておきます。パセリの根は直根性なので、深く耕したほうがよく成長します。さらに1週間前に元肥を入れて耕し、高さ10センチ程度の畝を立てます。排水が悪いと根が腐りやすいので水はけを良くしておきましょう。プランター栽培の場合はホームセンター等で購入できる野菜用培土を利用します。

パセリの播種

パセリの発芽には10〜20日かかります。植え付けまでの管理を考えると大量に育てるとき以外は苗を買って来た方がコスパがいいでしょう。

パセリを種から育てる場合は、種が乾いてしまわないように水やりを忘れないことが大切です。パセリは発芽するために光が必要な好光性種子なので、土は薄くかけてください。土が薄いと早く乾きやすいので、水やりが必要かどうかこまめにチェックしましょう。畑に直接種をまいてもいいのですが、発芽が遅いため、雑草の方が先に発芽し生育が旺盛になってしまいます。そのため、マルチシートを利用するか、ポット、セルトレイなどで育苗してから植え付けるといいでしょう。ポットやセルトレイに種まきする場合は、4〜5粒ずつまいておきましょう。パセリは発芽率が悪いので、心配ならもっとたくさんまいても大丈夫です。

パセリの播種 ポット セルトレイ

プランターで栽培する場合は、大きなプランターなら15〜20センチ間隔で、小さなプランターなら中央の1カ所に種を10粒くらいまきましょう。

パセリの播種 プランター

パセリの間引き

まず本葉1〜2枚のときに混み合った部分を間引きます。その後本葉5〜6枚までに1本立ちにします。カーリーパセリでも最初のころの葉っぱはカールしておらず、イタリアンパセリのような見た目をしています。ですがこれで正常なので心配しなくて大丈夫です。

パセリの間引き

パセリの定植

本葉5〜6枚のころに植え付けます。パセリの根は弱いので傷まないように気をつけながら植えていきましょう。大きめのプランターでは15〜20センチ間隔で、畑では30センチ間隔で植えます。苗に十分水をあげてから植え付けると根の付きがよくなります。

購入した苗を植える場合は、1カ所からたくさんのパセリが生えている場合があります。パセリは直根性のため、株分けをすると根が傷みやすいのでおすすめできません。残す株を1本決めて、潔く他の株を切ってしまえば大きく成長します。全ての株をそのまま育てると一本一本は細くなりますが細いなりに生育はします。
本葉10枚の頃に脇芽が出てくるので、これは取り除いたほうが主枝が立派に育ちます。

パセリの追肥

葉の色が黄色っぽくなったら追肥をします。化成肥料を株間にまくか、市販の液肥を利用するのもいいでしょう。

パセリの収穫

葉っぱがちりちりとカールしてきたら外側の葉から順に収穫します。イタリアンパセリの場合はカールしないので好きなときに収穫しましょう。はさみを使わずに、根元から手ではがすようにもぎ取ることができます。一度収穫をしてから、夏場なら1週間くらいでまた収穫することができます。

パセリの収穫

パセリを長く収穫するコツ

夏から秋にかけてパセリは次々と花芽をつけます。花がつくと葉の成長がとまってしまい収穫量が増えません。花芽は見つけたらすぐに切るようにしましょう。花芽は太く真っすぐに上に伸びるので他の葉と見分けることができます。長く収穫するために花芽を取ることはとても大事な作業です。また、追肥を忘れずに施すことも重要です。肥料が切れてしまうと葉も黄色くなって成長が遅くなります。
さらにコツがもう一つ。下の方にある古い葉や病気になった葉は早く取り除くことです。通気性が悪くなるとパセリが病気にかかりやすくなります。風通しを良く保つことで、健康なパセリを維持しましょう。

主な病害虫

あまり虫の害が多くない野菜ではありますが、キアゲハの幼虫やヨトウムシ、アブラムシ、ハダニなどが寄ってきます。イモムシたちは大食漢なので、あっと言う間にパセリが茎だけになってしまいます。見つけたらすぐに取り除きましょう。ちりちりと葉がカールしているカーリーパセリではアブラムシがくせ者です。縮れた部分にアブラムシが入り込むとなかなか取り去ることができません。手ではたき落としたりつまんで取り除くよりは、ホームセンター等でパセリにも使える農薬を買って対処したほうが確実でしょう。
病気ではうどん粉病、軟腐病、立枯病などが発生します。症状が軽い場合はその部分だけ抜き取ったり切り取ったりして処分しましょう。

パセリはβ-カロテンやビタミンB、C、ミネラルが豊富で栄養価の高い野菜です。料理のつまとして飾りに使われることが多いですが、実は体にうれしい、また食べてもおいしい野菜なのです。刻んでタルタルソースやドレッシングに、また揚げ物の衣などにも利用してみましょう。とれたてのパセリは香りが特に強く食欲がわいてきます。冷凍保存もできるので、たくさん収穫すれば一年中楽しむことができますよ。

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  1. マイナビ農業編集部(勇崎) より:

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