-
【農】ぶどう山椒収穫体験×【林】林業体験
半農×半林インターンシップ
<日程>2024年7月27日(土)~7月28日(日)
<スケジュール>
【1日目】
10:40 JRきのくに線「藤並駅」集合
12:00 昼食交流
13:00 ぶどう山椒収穫作業体験・生産者との交流
16:30 収穫作業体験終了
17:00 解散
【2日目】
09:00 集合・現場(山林)へ移動
10:30 現場到着、林業体験
12:00 昼食・休憩
13:00 林業体験
15:00 林業体験終了
16:30 JRきのくに線「藤並駅」解散
<費用>無料
※集合場所までの交通費及び宿泊費は各自でご負担ください
※別途昼食代が必要です
<申込〆切>2024年7月19日(金)17時
※定員に達した時点で受け付けを終了します
可能性を秘めた「ぶどう山椒」
和歌山県の中北部に位置する有田川町は、2006年に吉備町・金屋町・清水町が合併して誕生した人口が約2万5000人の町。町の77%を森林が占め、高野山を水源とする有田川の流域を中心に古くから農林業が営まれてきました。東西に長い町の西部には市街地が広がり、東部には里山が点在し、棚田や段々畑などの景観が保たれています。
有田川町の特産物といえば「有田みかん」と日本一の生産量を誇る「ぶどう山椒」。
山椒は古くから日本に自生するミカン科の植物。爽やかな柑橘系の香りとしびれる辛さが特徴で、香辛料や加工品はもちろん、その機能性成分から医薬品の分野でも利用価値が認められています。
ぶどうの房のように実がつく「ぶどう山椒」は、和歌山県の栽培品種。江戸時代末期に今の有田川町遠井で発見され、山間部の気候が生育に適していたことから、畦畔や傾斜地を利用して盛んに栽培されてきました。近年では海外の一流シェフから「和のスパイス」として注目を集める他、クラフトビールやアロマオイルの商品開発にも活用されるなど、新たな用途が広がっています。
ゼロからスタートしやすい「ぶどう山椒」
東部の清水地域で山椒の栽培・販売を手がける「きとら農園」の代表、新田清信さんは結婚を機に、10年前に東京からUターンしました。「親戚の農家から、ぶどう山椒の需要が高まっていると聞き、山椒づくりに取り組むことにしました」と話す新田さん。他の作物と比べて初期投資が少ないことも選択理由の一つで、有田川町役場やJAに相談し、補助金などのサポートを受け、山林を購入して開墾。苗木の定植からスタートしました。
「商品価値を高めるアイデアを自由に出して、すぐに試せるのは自分の畑ならではの良さ」という新田さん。数年前にフランスでの商談会に参加し、山椒が日本を代表するスパイスとして現地のシェフに認識されていることを実感。山椒を使ったスイーツの評判の高さやチョコレートやチーズと合わせるアイデアの斬新さに驚いたといいます。
「山椒の商品価値は海外でも認められているので、その魅力を更に広めて、若手生産者を増やし、産地を守っていく必要があります」と力強く話す新田さん。近頃は海外からのリクエストに応えて有機栽培に取り組む他、Webサイトでの直販や情報発信に力を入れ、全国から注文を受けています。
山椒農家の繁忙期は年2回の収穫期。5月が実山椒、7~8月は乾燥山椒の収穫がピークを迎えます。家族4人暮らしの新田さんは、生活の利便性を重視し、市街地に住んで農地に通っています。また、半年近くある農閑期を利用し、所有する山林に自生する桑の葉を使ったお茶づくりや、造園業者と提携して「庭師」の仕事もしています。
最後に「ぶどう山椒は可能性を秘めた食材です。一緒にその価値を磨いていきましょう!」と、就農希望者にメッセージを送ってくれました。
地域に根付いた林業は【+X】の選択肢
山椒の栽培は繁忙期が短く、副業とのバランスが取りやすい作物です。新田さんのように他の仕事を掛け持ちして収入アップを図る【ぶどう山椒+X】の山椒農家も少なくありません。【+X】の生業は、みかんの収穫、大根や白菜の栽培、川漁、カフェや民泊の経営など、さまざま。中でも特に親和性が高いのは「林業」です。
「山椒の栽培と林業は技術的にも共通点があります」と話すのは、竹上木材株式会社 代表取締役の竹上光明さんです。「山椒の木の剪定や園地の草刈りで、チェンソーや草刈り機を使います。林業には間伐や枝打ち、下刈りなどの作業があるので、それぞれの仕事が双方向で生きてくるのではないでしょうか」と続けます。
ハードワークというイメージが強い林業ですが、同社では積極的に先端技術を導入。ITを活用した伐採計画の立案、高性能林業機械による効率化を進め、近年では森林環境を守る山林管理事業も手掛けるなど、若手スタッフが活躍。横浜からのIターンなど移住者の方も在籍しています。今後は林業と農業の兼業を後押しできればと考えています。
林業の基礎技術は一年もあれば修得が可能ですが、副業にするためには、まずは林業を生業とする会社で経験を積み、経験やコネクションをつくった後に「一人親方」として独立するスタイルが有田川町では推奨されています。「一人親方」は個人事業主なので、時間や業務量をある程度コントロールすることができ、頑張れば頑張っただけ収入になります。
「林業も山椒の栽培も産業として有田川町にしっかりと根付いています。周囲の理解もあるので、十分仕事として成立するのではないでしょうか」と竹上さん。有田川町では、地域の森林組合や林業事業体からの作業発注が多く、今後は更に需要増加が見込まれています。
町や県がサポート! 移住・定住の支援制度が充実
有田川町へ移住して農林業に就業する人に、町、県、国の支援制度があります。
まず、新規就農者に対しては国の「農業次世代人材投資資金」の他、県の「和歌山県移住者農林水産就業補助金」。更に有田川町の支援制度で、林業の正規雇用で150日以上現場作業に従事する人には「有田川町林業従事者就業奨励金(就業時30万円、月額奨励金2万円×24カ月)」が給付されます。
また、子育て世帯への支援も充実しており、育児用品などの購入費用の助成や、子どもの医療費の無償化などが受けられます。他にも和歌山県外から有田川町へ移住する場合は、県から「空き家改修補助金」などのサポートを受けることも可能です。
移住や就農を考えているなら、ぜひ有田川町へ足を運んでみてください。大阪からのアクセスもよく、ドライブのロケーションにも最適です。
雄大な自然と穏やかな時間を体感すれば、暮らしや働き方のイメージが膨らむことでしょう。
お問い合わせ
有田川町役場 産業課
〒643-0153
和歌山県有田郡有田川町中井原136-2
TEL:0737-52-2111
ホームページはこちら