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鉢底石はいらない? そもそもなぜ必要? 正しい使い方や代用アイテムなどを紹介【家庭菜園のミカタ/鉢底石編】

itoh.tomohiro

ライター:

鉢底石はいらない? そもそもなぜ必要? 正しい使い方や代用アイテムなどを紹介【家庭菜園のミカタ/鉢底石編】

「プランターに培養土を入れる前に鉢底石を敷いてください」といった説明を、家庭菜園の書籍などで見かけたことはありませんか?名前を聞いたことはあるけれど、なぜ必要なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では鉢底石のメリットを解説するとともに、素材の種類や選び方、オススメ商品、さらには鉢底石がない場合の代用アイテムまでを詳しくご紹介していきます。鉢底石の必要性やメリットを正しく理解して、家庭菜園ライフに生かしてください!

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プランター栽培で使う鉢底石とは?

「鉢底石」とは、プランター栽培をする際に水はけや通気性を良くする目的で用いられる大粒で軽い石のこと。「ごろ石」と呼ばれることもあり、その多くは多孔質の石や砂などでできています。プランターの底に敷き詰めることで土の層を自然の土壌の様子と近くすることができ、生育が良くなったり根腐れを防止したりといったメリットが生まれます。鉢底石にもさまざまな種類があり、代用品で鉢底石に近い効果を生み出すことも可能です。

 

排水性を保つ

作物を育てる土には、水もちと水はけの両方が求められます。鉢底石によってプランターの排水性が高まり、水はけが良い土の状態を保てます。

 

通気性を保つ

排水性に加え、栽培用土には通気性の良さも大切です。鉢底石によってプランター内に空気が入る隙間が生まれ、土に適切な酸素を供給できます。

 

根腐れ防止

プランターの底にたまった水が土に触れ続けると、根腐れの原因となります。鉢底石によって水はけが良くなるとともに根腐れも防止できます。

鉢底石の種類とは?

鉢底石にはさまざまな種類がありますが、その定番は通気性のいい「軽石」と劣化しにくい「黒曜石(パーライト)」になります。栽培のシチュエーションや目的によって鉢底石の適切な種類や鉢底石の粒の大きさを選んでください。

軽石(パミス)

軽石(パミス)は、火山活動で生まれた多孔質で密度の小さい火砕物の一種です。水に浮くほどの軽さから「浮石」や「浮岩」とも呼ばれます。マグマが固まってできた軽石は通気性や排水性が優れており、古くから鉢底石に活用されてきました。再利用しやすいようネットに入った軽石も販売されています。粒が大きくなるほど水はけが良くなります。

黒曜石

黒曜石も火山活動で生まれた火成岩の一種です。黒緑色でガラス質の特徴があり、石器時代には狩猟に使う矢尻や刃物などに活用されていました。その黒曜石を1000℃で加熱すると、含有された水分が発泡して「パーライト」という素材に変化します。軽石状で多孔質のため、鉢底石をはじめ栽培用土の土壌改良剤などにも用いられています。

 

道端や河原の石ころも使える?

道端や河原石ころを鉢底石として使うのは不可能ではありませんが、オススメはできません。重すぎて持ち運びが困難といったデメリットに加え、多孔質ではないためプランター内の通気性や排水性を保つのが難しいと言えます。

鉢底石を選ぶ時のポイントと注意点

プランター内の排水性や通気性を良くするといった大切な役割を担う鉢底石。しかし、さまざまな種類や大きさがあるので何を使ったらいいか迷うことも。適切な鉢底石を選ぶために、以下の3つのポイントを意識してください。

 

ネット入りの鉢底石を選べば手間を省ける

使い終わった鉢底石は、水洗いして日光消毒すれば基本的に何度も使えます。あらかじめネットに入った鉢底石を購入するかネットに入れて底に敷き詰めることで、再利用する際にすべての鉢底石を掘り出す手間が省けます。

 

プランターの大きさに合わせて選ぶ

たとえば浅めのプランターに大きな鉢底石を敷き詰めると、土の量が少なくなって作物の根張りに影響を及ぼします。逆に小さすぎる鉢底石では十分な排水性や通気性を保つのが難しくなります。迷った場合は園芸店スタッフに相談するのもオススメです。

 

軽石や黒曜石など素材ごとに特徴が異なる

軽石の鉢底石は軽量で通気性に優れ、黒曜石(パーライト)でできた鉢底石は長期の使用でも崩れにくいなど耐久性に優れています。昨今では根腐れ防止剤が入った鉢底石やセラミックでできた鉢底石、炭から生まれた抗菌性の高い鉢底石なども販売されています。

プランター栽培にオススメの鉢底石5選

鉢底石にはさまざまな素材や大きさがあるだけでなく、ネットに入れるなどの工夫をした商品や新たな素材や機能を加えた鉢底石なども販売されています。さまざまな鉢底石からオススメの商品を5つ紹介していきます。

 

自然応用科学 家庭園芸用 鉢底に入れる石

天然素材の軽石でできた鉢底石。あらかじめネットに入っているので、くり返し使えて便利です。0.5Lずつに小分けされているので、プランターの大きさや深さに合わせて調整が行えます。

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井上商店 セラミック鉢底石

磁器質セラミックのエコ・リサイクル商品です。多孔質で透水性・通気性に優れ、根腐れ防止になります。土が乾きにくいので、ハンギング用にも最適。ネット入りなので鉢底からこぼれにくく、水で洗ってくり返し使えます。

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アイリスオーヤマ 鉢底石 DX鉢底の石ネット袋入り

こちらも軽石でできた鉢底石。根に酸素を供給し、土の詰まりによる根腐れを防止して丈夫な根を育てます。ネット袋入りなのでくり返し使えます。使用の目安は、650サイズのプランターで3L程度、6〜9号鉢で0.5L程度です。

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根腐れ防止剤入り 「鉢底の石」

軽くて排水性に優れた鉢底石。多孔質の硬質パーライトを使用し、そこに根腐れ防止効果のあるゼオライトを配合することで水をきれいに保ちます。とても軽量なのでハンギングや大型コンテナ栽培などにも最適です。

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底に置くだけ!雑菌抑制!【鉢底炭】 12L

鉢底石と同じように使える大粒の木炭です。鉢底からの雑菌を抑制し、虫やナメクジの侵入も抑制します。また、炭ならではの調湿効果や植物の老廃物などを浄化する作用が期待でき、元気な植物の生育を助けます。

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鉢底石の基本的な使い方

鉢底石を上手に使うことで、プランター栽培にはさまざまなメリットが生まれます。鉢底石を扱うための基本をしっかり押さえることでプランターの排水性や通気性を保てます。使い方のコツをつかんで、野菜や果樹、草花を元気に育ててください。

 

市販の鉢底石を準備する

鉢底石はホームセンターをはじめ、ダイソーやセリアなどの100円ショップや通販などでも気軽に買うことができます。使用するプランターの大きさや深さ、目的や好みに合わせて鉢底石を準備してください。

 

プランターの底にネットを敷いて鉢底石を入れる

鉢底石を敷き詰める前に土の流出や虫の侵入を防ぐ「鉢底ネット」を使います。鉢底ネットもホームセンターや100円ショップで購入できます。そして、底から2〜3
センチくらいの高さまで鉢底石を並べます。

 

培養土を入れる

育てる野菜や植物に合わせて培養土を入れます。プランターの多くには培養土を入れる高さに印がついているので、ここまで入れてあげましょう。土が多いほうが、根張り良く元気に育ちます。

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鉢底石はいらない?代用できるアイテム5選

ホームセンターなどで鉢底石を買い忘れたり、「わざわざ準備するのがめんどくさい」と感じる方のために鉢底石の代替品をいくつかご紹介します。

発泡スチロール

軽量の発泡スチロールをブロック状にして敷き詰めれば、排水性の向上が期待できます。発泡スチロールは断熱性にも優れているため、観葉植物の底上げ時にも活用されたりしています。ただ、保水性や耐久性は鉢底石に劣ります。

 

レンガや植木鉢のかけら

レンガや素焼きの植木鉢もかけらも鉢底石として活用できます。多孔質の素材なので通気性が良く、プランター内の水はけも良くなります。しかし耐久性の面では、レンガや植木鉢のかけらも鉢底石には劣ります。

 

ペットボトル

ペットボトルのフタや適度な大きさにカットしたストローなども鉢底石の代わりになります。しかし保水性は期待できず、プラスチックは土に還ることがないので、ネットに入れるなどして土と混ざらないようにしてください。

 

赤玉土

大粒の赤玉土も鉢底石の代用として使えます。通気性、排水性、保水性、保肥性に優れている一方で、赤玉土はもろく潰れやすいため、目詰まりを起こして逆に根腐れの原因になることも。長期のご使用は避けてください。

 

木炭・竹炭

炭は作物の生育に有用な微生物を増殖させ、有害菌の抑制も期待できます。炭から溶け出すミネラルが植物の生育を助け、害虫も防ぐとされています。ただし、プランターに炭を入れすぎると土壌がアルカリ性に傾くため注意が必要です。

 

小石・砂利

小石や砂利も鉢底石の代用に使えます。使用前には熱湯消毒するのがオススメです。しかし、鉢底石に比べると通気性も保水性も劣るため、できれば使用を避けた方が賢明です。プランターが重くなってしまうため、持ち運びも不便になります。

 

【補足】代用として使えないアイテム

「発泡スチロールが大丈夫なら、スポンジでも代用OK?」と考える方もいらっしゃると思いますが、鉢底石の代用としてスポンジは使えません。スポンジは排水性と通気性が乏しくスポンジ内部に水が長く留まり、そこから菌が繁殖して根腐れの原因となってしまいます。

鉢底石を再利用する方法

鉢底石は、一度購入すれば何度も再利用が可能です。鉢底石を土から掘り出し、水洗いしてから日光消毒すれば大丈夫。劣化して砕けてしまうまで使うことができます。

鉢底石の正しい捨て方

使わなくなった鉢底石は処理に注意が必要です。枯枝や草は燃えるゴミで出せますが、軽石や黒曜石は自然物のため「ゴミ」として出してはなりません。また、むやみに自然に戻すと不法投棄で罰せられる可能性もあります。ここからは主な処分方法について解説していきます。

 

自宅の敷地内に敷く

最も無難なのは、自宅の敷地内に撒いたり埋めたりする方法です。軽石や黒曜石(パーライト)は土壌改良剤にも使われる素材なので、可能であれば細かく砕いて撒くほうが自然に還りやすいでしょう。

 

自治体の規約に則って処分する

自治体によっては、鉢底石などの天然物をゴミとして処理できるケースがあります。お住まいの自治体窓口に必ず確認し、ルールに沿って処理を行ってください。プラスチックなどが混ざらないよう分別することも大切です。

 

専門業者に引き取ってもらう

鉢底石はホームセンターや石材屋、植木屋さんに引き取ってもらったり、土や石の回収専門業者に依頼して有料で処理することも可能です。インターネットなどを活用してお近くの処理事業者を探してみてください。

鉢底石、上手に使って有意義な家庭菜園を!

「鉢底石って使う意味があるのかしら?」と感じていた方も、この記事を通じて鉢底石の必要性や導入メリット、そして扱うコツがつかめたかと思います。畑に比べるとコンパクトで閉鎖的なプランターの環境でも、植物がイキイキと根を張り大きく育つ工夫をすることでより有意義な家庭菜園&ガーデニングライフが送れます。

鉢底石を今まで使ったことがなかった方も、ぜひプランターのサイズや深さに合わせた商品を選んで使ってみてください。また、これまではせっかく買った鉢底石を使い捨てされていた方も、再利用の方法や適切な処理方法がつかめたはず。鉢底石をこれまで以上に上手に使って、もっとおいしくみんなが笑顔になる野菜づくりにチャレンジしてください。

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