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手間要らずな牛体温監視システム『胃診電信』。ICT技術により畜産農家経営の省力化と収益性向上を支援

手間要らずな牛体温監視システム『胃診電信』。ICT技術により畜産農家経営の省力化と収益性向上を支援

畜産農家の担い手は、高齢化や人手不足で年々減少し続けています。なかでも多頭経営の農家の課題のひとつになっているのが、牛の健康状態確認のための日々の体温管理です。それをテクノロジーの力で解決を図るのが、株式会社セントラル情報サービスが提供する牛体温監視システム『胃診電信』。肥育牛2,000頭規模の多頭経営において本機器を導入して省力化と収益化の向上を図った、井寄牧場の井寄智之さんにお話を伺いました。

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「牛の体温がいつでも知りたい」の声をきっかけに開発された、牛体温監視システム

 width=600 畜産や酪農において重要なのが、牛の健康状態の確認。乳や肉の品質に影響を及ぼすため、毎日の観察が不可欠です。項目は餌の食いつき、反芻、鼻鏡の乾燥レベル、ふんや尿の状態、ヨダレや鼻水、呼吸の速さ、歩き方など、1頭1頭を瞬時に細かくチェックする必要があります。少しでも異常を見つけた場合は、速やかに処置しなければなりません。
しかし、多頭飼育の牧場では、1頭あたりの観察時間が短くなるため、健康状態の悪い牛を見落とすヒューマンエラーが発生します。また、理想は定期的な体温測定ですが、直腸に体温計を挿入する測定方法では時間も労力もかかるうえ、労働災害等にも気を遣う必要があり、アナログな方法ではマンパワーに限界が来てしまいます。このように、牛の健康状態を常時把握する作業は長年の畜産農家の負担になり、省力化が課題になっていました。

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井寄牧場丹波農場責任者/獣医師 井寄智之さん(左)、株式会社セントラル情報サービス ビジネス統括部 牛プロジェクトチーム 駒井浩志さん(右)

そこで「牛の体温がいつでも知りたい」という畜産農家の声を受けて開発されたのが、株式会社セントラル情報サービスが提供する牛体温監視システム『胃診電信』です。牛に無線体温センサを第一胃(ルーメン)に直接投入して無線でデータを飛ばし、クラウド上にデータ蓄積をすることで体温管理ができるシステムです。
メリットは、低体温、発情兆候、分娩、給水回数等の異常について、タイムリーにスマートフォンのアプリでデータを受け取れること。より迅速な対応が可能になります。

無線体温センサを牛の胃に投入するだけ。自動測定した体温データは5分ごとにクラウドに蓄積

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無線体温センサと専用投入機器。

『胃診電信』を2018年から導入しているのが、兵庫県丹波市にある有限会社井寄牧場。黒毛和種の肥育・販売を担い、飼育規模は2000頭に及ぶ多頭経営で、最高品質の神戸ビーフの生産に貢献しています。将来的には、繁殖・肥育の一貫経営を目指しているとのこと。
代表取締役を務めるのは、3代目の井寄智之さん。家業を継ぐ前は、北海道で乳牛の獣医師として日々牛の健康状態をチェックしていました。

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「『胃診電信』を導入する前は850頭の規模のなか、朝晩1時間以上かけて目視で健康チェックを行なっていました。異常があれば耳標にメモして、あとでもう一度診察するという流れで、時間も労力もかかっていました」
その後、株式会社セントラル情報サービスと出会い『胃診電信』の存在を知った井寄さんは省力化の可能性に期待を抱き、まず初めに小規模で導入することを決めたといいます。


無線温度センサは、安定して連続計測可能な部位である第一胃(ルーメン)にセットします。専用の投入器を牛にくわえさせて本体を喉の奥に落とすと、自然と胃まで落ちていく。所用時間は約20秒。そこまでの負担はないと井寄さんはいいます。
試用期間は、出荷までの20ヶ月間。体温上昇の通知がきて実際に計測すると発熱していたり、目視や触診では判断できかねるもののデータ上では熱があったりと、無線温度センサのおかげでスムーズかつ迅速に対処できるようになったのは、とても大きな変化でした。

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事務所外に設置された終端受信装置。牛舎内のアンテナ受信装置、中継装置を経由して胃内部から無線送信された温度データをクラウド上のデータセンターに送信・蓄積されます。

その後、牛舎増築に伴い牛の頭数を2倍以上に増やし、肥育と繁殖を行うことに。少人数で多頭管理をするため『胃診電信』の全頭投入を決めたそうです。
9ヶ月齢で外部導入した牛には、ウェルカムショットというワクチン製剤接種やビタミン摂取の作業を行います。このタイミングで、無線温度センサを投入するので、工程増の負担はそこまで感じなかったとのこと。

井寄さん

日々のルーティンとして、5分ごとに自動集計される体温データを毎朝確認します。発熱している牛だけがリストアップされていて、その牛たちがどんな行動をとっているのか、重点的に観察するようにしています。餌箱に並ぶ時に1歩下がっている、鼻水が垂れている、お腹の膨らみが悪い、などが見られた場合にすぐ治療を施せるようになりました

『胃診電信』のおかげで日々の作業効率が向上。自由に使える時間が増え、健康管理以外にリソースを注げるようになりました。

『胃診電信』でわずかな変化を見逃さずにすぐ対処、経済的損失を未然に防ぐ

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井寄さんは、肥育牛の管理のなかでも15〜28ヶ月齢にあたる中期以降の飽食期が、体調の悪い牛を見つけ出すのがいちばん難しいと話します。

井寄さん

1000頭規模の管理になると、どうしても不調を見落としてしまうんですね。2日連続で熱が高めの牛を診てみると、下痢をしていたとか食欲が落ちてお腹の膨らみが悪かったということが実際にありました。見落としたまま治療が遅れると、みるみる痩せて経済的損失につながりかねません。未然に防げてよかったと思いますね

もうひとつ『胃診電信』に助けられた印象深いエピソードを伺うと、牛の分娩時、とのこと。

井寄さん

予定日前はそわそわして、頻繁に牧場に通っていたんです。今晩産むかもしれないから、スタッフがいない時間には僕が行っておかないと、と。でも『胃診電信』の投入後は、分娩24時間前に1度体温が下がるのを検知して通知してくれます。24時間後の出産に向けて、スタッフに具体的な指示をするなど準備ができるようになりました。朝晩の餌食量や陣痛の有無をチェックできています

7月は10頭ほどの分娩牛に対して、体温変化通知のおかげでスムーズに対処できたそうです。もしシステムを導入していなければ不眠不休で毎日気にしなければならず、肉体的にも精神的にも大きな負担になっていたことでしょう。
最後に、獣医の視点から見た『胃診電信』のメリットを聞いてみました。

井寄さん

体温というとっかかりがあると、不調の牛を中心にして牛群全体も観察できるようになります。他の牛より活気がないな、ルーメンの張りが悪いなというのが見えてくるので、治療の方向性を導き出せるんです。もちろん発熱そのものも気にする必要があるのですが、なぜこんなに熱が高いんだろうと外部要因の仮説を立てたり、牛群全体で熱が上がったときには感染症が流行ったかなと推測できたりします。早く手を打てるので、とても便利なシステムだと思いますね

体温は、健康のバロメーター。多頭経営の畜産・酪農農家にとっては”なくてはならない相棒”のような存在といえるのではないでしょうか。

牛の健康測定の省力化は『胃診電信』におまかせ。多頭経営や人材不足の農家におすすめ

井寄さんは、不調の早期発見・早期治療は牧場を守ることにつながる、さらに『胃診電信』は多頭飼育する農家にこそいい結果をもたらすと太鼓判を押します。

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牛舎内地上から3メートル高さに設置されているアンテナ受信装置。

井寄さん

多頭飼育をする農家さんのなかでも、牛の世話や機械操縦は得意だけども、牛の観察は苦手というスタッフさんは必ずいると思うんです。ですので、人手不足で餌やりだけで精一杯になっていたり、じっくりと観察する時間がないという農家さんにはすごく役にたつものだと思います

胃に入れるタイプの『胃診電信』は、炎症の心配もなく、分娩前に外部に出ることがないので、繁殖農家にとってもリスクの少ない装置とのことです。
牛舎の図面を株式会社セントラル情報サービスに送れば、アンテナ受信装置や中継装置の設置場所を検討したうえで、おおよその見積もりを算出してくれます。
人にも牛にもメリットが大きな『胃診電信』で、最高品質の神戸ビーフを出荷する井寄牧場。頭数をより増やしていきたいと意欲を燃やす井寄さんは、これからも最先端のICT技術を導入して、省力化と収益化の向上を図っていくことでしょう。

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井寄牧場丹波農場責任者/獣医師 井寄智之さん
株式会社セントラル情報サービス ビジネス統括部 牛プロジェクトチーム 木村研吾さん、重田政さん、駒井浩志さん

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