6次産業と女性支援のアクスクリー
アクスクリー株式会社は千葉県香取市に拠点を構え、農場発の6次産業ビジネスを進める株式会社和郷のグループ会社として2000年10月に創業しました。
当初は和郷の食品加工工場人材確保・労務管理を担っていましたが、次第に業務の幅を広げ、2011年12月に千葉県旭市で手作り・無添加の総菜・弁当、パン・スイーツを提供する店「畑の台所まんぷくさん」をオープン。自社農場で栽培した野菜を中心に用いることで、鮮度の高い素材をメニューに取り入れています。
その他、グループ内の農場や工場に人材を派遣する仕事も行なっています。登録者の約8割は女性で、育児をしながら家庭と仕事の両立を目指す人たちの支援、更に増加する外国人労働者の支援をしながら事業を展開しています。
そんな同社が今年、新たに「ヴィーガンおせち」を発売しました。
オリジナルのヴィーガンおせちの中身とは
注目集まるヴィーガン
ヴィーガンとはあらゆる動物由来の食品を口にしないライフスタイルのことです。肉類を食べないベジタリアンより更に進み、魚・卵・乳製品・ハチミツなども口にしません。ここ数年、日本でも話題に上ることが増えており、特に都市部ではヴィーガン料理を提供するレストランやカフェもしばしば目にするようになりました。
ヴィーガンおせちのメニュー
畑の台所まんぷくさんでは10年ほど前から、おせち料理を販売してきました。
今回、同店が販売するヴィーガンおせちは、これまでも人気のあったメニューの数々を、ヴィーガン用にアレンジしたものです。
例えば、肉料理は肉を全て大豆ミートに置き換えました。伊達巻は、卵の代わりにカボチャと豆腐を使用。南蛮漬けは魚ではなく、素揚げにした里芋を使っています。「聖護院大根とパプリカのミルフィーユ」は、元はスモークサーモンだったものを赤パプリカに替えて再現。そして、バターを使わず、柚子と白みその風味のココナッツオイルを干し柿に塗った「干し柿のゆず味噌ヴィーガンバター」など、興味と食欲を刺激されるヴィーガンメニューが、お重にぎっしり詰められています。
だしもすべて植物由来に
こうしたヴィーガンメニューを作るには、まず味付けの基本になる、だしを工夫する必要があったと話すのは調理責任者の内匠由紀恵(たくみ・ゆきえ)さんです。
鶏をはじめとする肉類はもちろん、通常、煮物・汁物その他に幅広く活用しているカツオや煮干しなどの魚類もヴィーガンメニューではNGです。それらに頼らず、昆布とシイタケを中心に、各種野菜のエキスをブレンドした、コクもうまみもたっぷりの専用のだしをつくり上げたと言います。
ヴィーガンおせち開発秘話
料理研究家とコラボレーション
「当店ではおせちについて、2015年から料理研究家の是友麻希(これとも・まき)先生に監修していただいており、売上も評価も良好です。おせち市場は年々拡大しており、成熟度も増してきたことから、このあたりで少し違う風を入れましょうかと相談し、ヴィーガンおせちの開発と販売に踏み切りました」
そう話すのは、アクスクリー株式会社の代表の木内佑香(きうち・ゆか)さんです。
同店は従来のおせちでも、野菜をメインにした料理で勝負してきました。そのため、野菜の煮物は、だしをヴィーガン用に変更することで、ほぼそのまま活用できたと言います。
野菜調理のスキルが問われる開発
とは言え、実際に1つ1つのメニューを作るのには並々ならぬ手間と時間が掛かりました。監修している料理研究家が詳細なレシピを書き、内匠さんを中心とする調理スタッフが、それに沿って試作品を作ります。ところが、野菜はちょっとした火加減や煮込む際の水分量で、味や食感が変わってしまうので、なかなかスムーズにいきません。
また、それぞれのだしのブレンドの割合はどれがベストなのか、細かく調整する必要がありました。そんな中で失敗と成功を繰り返しながら、試作で得た結果とレシピとを照らし合せて共有し、互いに少しずつ歩み寄りながら完成を目指したと言います。
こうして出来上がったヴィーガンおせち。
今年初めから何度も試作を繰り返し、ほぼ1年を掛けて完成に至りました。
「ヴィーガンに関心あるお客さんにも、私たちのこれまでのおせちファンの人にも買っていただけるとうれしいですね」と、木内さんは期待を込めて語ります。
普段の商品にも波及する開発の成果
ヴィーガンおせちで開発したメニューや、開発工程で得られたノウハウを元に今後の展開も視野に入れる同店。店舗で販売する、日常的な総菜・弁当にも応用できるのではないか、と考えています。
「新たに特製のだしを作ったことで、かなりバリエーションを広げられるでしょう」
内匠さんは自信ありげに語ります。
もともと「野菜を使った料理がおいしい」と評判を得る同店。相乗効果も期待できます。
「ヴィーガンの食スタイルが本格的に広がるのはまだこれから。今、先行して取り掛かっておけば、人気が高まる頃には自信と余裕をもって対応していけます」
と、木内さんは今回の開発成果にかなりの手応えを感じているようです。
新たな付加価値が、おせち市場を活性化
千葉県有数の生産地・香取市で、農産物、及び、それらを材料にした加工食品で大きくなった和郷グループ。その最前線に立って野菜中心の食を提供するアクスクリー、そして、「畑の台所まんぷくさん」のヴィーガンおせち。
重詰おせち市場は年々拡大を続け、今や800億円超といわれます。時流を捉えた商品展開は、重要な経営戦略の1つ。ヴィーガン市場の動向にも注目が集まります。
まんぷくさんのおせち購入はこちらから
配送 北海道から九州まで全国に配送可能
価格 1食32,400円(税込)
申込:10月15日(火)から12月20日(金)まで(限定100食。定数に達した時点で販売終了)