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185ヘクタールの大農場が2~3haで新品目に挑む理由 「家庭菜園」感覚で農業の魅力発信

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

185ヘクタールの大農場が2~3haで新品目に挑む理由 「家庭菜園」感覚で農業の魅力発信

北海道十勝地方は国内有数の大規模な畑作地帯だ。コタニアグリ(北海道更別村)は中でもひときわ大きく、しかも新しい作物に次々に挑戦している。新品目の面積は2~3ヘクタールが中心。社長の小谷行正(こたに・ゆきまさ)さんは「趣味が高じて家庭菜園から始めるイメージ」と表現する。

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4つの基本品目プラス新たな挑戦

コタニアグリは作付面積が185ヘクタールで、メインの品目は麦と豆、ジャガイモ、ビート。いずれも十勝地方を代表する作物で、主に地元の農協に出荷している。圃場が分散しておらず、生産性が高いのが強みだ。

一方、この10数年の間に新たに育て始めた品目には菜種とエゴマ、アマ、カラシナがある。菜種の栽培面積は15ヘクタールと大きいが、エゴマとアマは1~2ヘクタール、カラシナは2~3ヘクタール程度だ。

2~3ヘクタールを指して「家庭菜園」という感覚は、都府県の農家とはかなり異なるだろう。だが185ヘクタールの農場全体に占める面積と、収益への貢献に照らして考えれば、家庭菜園というのが実感なのだ。

ただしそのことは、新しい品目への挑戦が小谷さんにとって片手間の「遊び」という意味では決してない。むしろ面積は小さくても、柱の4品目以外にチャレンジすることは経営にとって大きな意味を持っている。

小谷行正さん

健康志向でアマやエゴマを栽培

それでは新しい品目を育て始めた経緯を順にたどってみよう。

菜種は油をディーゼルエンジンの燃料に使えないかと考えたのが栽培のきっかけだ。まず食用油として販売し、使い終わった油を回収して再利用しようというアイデアだった。地域でそういう機運が高まっていた。

この構想は使用済みの油の回収が難しいことと、菜種油で作った燃料が寒さに弱い点の2つが課題になり、先に進まなかった。ただ栽培をやめたりはせず、製油メーカーに原料を出荷する形で生産を続けている。

アマとエゴマは健康志向の波に乗り、栽培を始めた。種子を搾って製造した油はいずれもオメガ3(n-3)系脂肪酸の「α-リノレン酸」を豊富に含んでおり、さまざまなメーカーの商品がスーパーの売り場で定着している。

小谷さんの場合、エゴマは関連会社で搾油し、エゴマ油として販売している。アマで引き合いが強いのは化粧品会社で、すでに製品化されている。こちらは実を使うのではなく、ハンドオイルの原料として花を出荷している。

アマ、菜種、エゴマ

左から順にアマ、菜種、エゴマ

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カラシナは緑肥にするために以前から育てていた。地力の向上につながるため、地域ではごく一般的な作物だ。収穫して販売するのが目的ではなく、有機質の肥料として畑にすき込むために栽培していた。

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