10アールで420キロの単収確保
コタニアグリは作付面積が185ヘクタール。麦や豆、ジャガイモ、ビートなど十勝を代表する作物を育て、主に農協に出荷している。畑が分散していないので生産効率が高く、この4品目が収益の柱になっている。
ここまでは十勝の典型的な営農パターン。コタニアグリが他と違うのは、地元で珍しい作物も併せて栽培している点だ。カラシやマスタードの原料になるカラシナや、健康志向で需要が高まるエゴマなどだ。
生産量は少ないので収益の柱にはなりにくい。それでも栽培するのは農場の魅力アップにつながるからだ。大勢の農家が生産した分と一緒に流通に回るメインの4品目と違い、希少価値をアピールできる強みがある。
その一環として、2025年はコメを育ててみた。面積は約1ヘクタール。十勝には水利施設がないので、水を張らずに畑作物として栽培した。小谷さんは「温暖化で十勝も暖かくなってきたので作ってみた」と話す。
10アール当たりの収量は約420キロ。陸稲としては高単収と言っていいだろう。しかも水の管理が要らないので、栽培の手間もかからなかった。試食してみた十勝の仲間の農家によると「味も良かった」という。

陸稲として生産したコメ
陸稲に役立った長年の土づくり
なぜ高単収を実現できたのか。そう聞くと、小谷さんは「僕らは土で作物を育てるから」と答えた。この言葉の意味を考えてみよう。
水田稲作の強みの1つは、ミネラルをはじめとしてさまざまな栄養分を水が毎年運んできてくれる点にある。肥料は入れるが、いかに適切に水を管理するかも栽培のポイントになる。畑と違い、連作できるのも特徴だ。
一方、畑は土が「痩せる」のをどう防ぐかが決定的に重要になる。収量や品質を左右するのは土づくり。これを追求してきたのが、十勝を中心に北海道の農家が集まる「ソイル・リサーチ・ユニオン(SRU)」だ。

土づくりに力を入れてきた
発足は30年余り前。米国の研究機関に土のサンプルを送り、土壌改良についてコンサルタントに指導を仰ぐ取り組みを続けてきた。作物が健全に育つよう、土中環境を整えるのが目的だ。小谷さんはその中心メンバーだ。
収量が多かったのはその成果ではないかと小谷さんは考える。稲作の効率化の手立ての1つとして乾田直播に期待が集まっている。畑作並みの土づくりが及ぼすプラスの効果は、注目に値する論点ではないだろうか。
陸稲の栽培で小谷さんが目指すのは、地元の学校給食に採用されること。食育を通して、子どもたちにとって農業をより身近なものにしたいと思っている。農業の魅力を高めることをここでも意識しているのだ。
「冬の畑を広告に」の斬新アイデア
ここで話題を父親の広一さんに移そう。小谷さんによると「何でも一回は挑戦してみる人。ダメだとわからない限り、諦めない」という。












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