サカタのタネ、タマネギ本格展開へ
サカタのタネはここ数年でタマネギ事業を強化し、全国各地で導入が進み始めています。
現在の主力は
・ゆめたま(越冬短日系・早生)
・そらたま(長日系・中生)
の2品種です。
それぞれ異なる作型・地域に対応しながら、全国の産地に展開されています。

実際どうだったのか?各地の作付け実績
サカタのタネのタマネギ品種は、すでに各地で導入が進んでいます。
「ゆめたま」は本州を中心に、佐賀県、愛媛県、香川県、徳島県、兵庫県、愛知県などで採用が拡大しています。
作型もマルチから露地まで幅広く対応し、今年の3月の高温や収穫前の降雨条件下でも形状の安定・肥大性・歩留まりといった点で評価されています。
気象条件が不安定な年でも“結果がそろいやすい”ことが導入拡大の背景にあります。
また、早生でありながら貯蔵性も比較的安定しており、収穫のタイミングに幅を持たせやすい点も特徴です。
一方、「そらたま」は北海道を中心に導入が進んでいます。
昨今の高温・干ばつによる収量減が懸念される中で、“救世主的なポジション”として注目を集めています。
・新聞やテレビなどメディアでも取り上げ
・北海道内で作付けが拡大
・貯蔵性(2〜3月ごろまで保存可能)
といった動きもあり、現場の期待の高さがうかがえます。
※上記は各地域での一事例であり、栽培条件により結果は異なる場合があります
気候変動で変わる、タマネギ栽培の前提
タマネギを取り巻く環境変化
現在のタマネギ生産は、次のような課題に直面しています。
・高温・干ばつによる収量不安
・収穫前降雨による品質リスク
・作業負荷・人手不足
・国産と輸入の競争構造の変化
こうした状況の中で、安定して収量・品質を確保できる品種選びの重要性が高まっています。
ここで整理されたポイントはシンプルです。
タマネギは「品種・地域・播種時期」で結果が大きく左右される作物。つまり最初の「栽培設計」がほぼ結果を決めるという前提です。
しかし近年は、この前提が崩れ始めています。
・初期:乾燥 → 生育遅れ
・中盤:高温・降雨 → 急激な生育変化
・収穫期:作業集中 → 取り遅れ
その結果大玉化・規格外の増加・秀品率の低下といった課題につながり、「作れるか」よりも「そろえて出せるか」が難しくなっている状況です。
・播種時期はズレると取り返せない前提で設計
・苗サイズを適正にコントロール
・施肥は後半で調整できる設計にする
共通しているのは「後から調整できる栽培」に変えていくことです。
さらに品種選びでも形状が安定するか・内部構造がしっかりしているか・貯蔵中に品質が落ちにくいかといった視点が重要になっています。
「収量」ではなく「売れる品質でそろうか」が判断基準に変化
そして押さえておきたいのが「気候変動は例外ではなく前提」という考え方です。
タマネギサミットで見えた、これからのヒント
静岡県掛川市のサカタのタネ掛川総合研究センターで、「サカタのタネ タマネギはじめました」と題し「タマネギサミット」を開催しました。


青果物展示の様子

圃場での品種別展示
会場では・品種展示(早生から中晩生)・次世代系統の紹介・育種の方向性提示が行われ、産地を超えた情報交換も活発に行われました。
流通面では産地の集約化・量販店主導の構造変化・輸入との役割分担を根拠に、夏場の供給不足が構造的な課題であることも共有されています。
今回得られたポイントは
・作期のわずかなズレが結果に直結する
・気象による生育変動が前提になっている
・収量より「そろい」が収益を左右する
・品種で作業リスクを吸収する発想が重要
といった、現場の意思決定に直結する視点でした。

関連情報のご案内
本記事でご紹介した内容は、タマネギ栽培の考え方を整理する一つのきっかけです。
より具体的に品種の特性や導入事例を知りたい方は、
マイナビ農業で公開中の記事もあわせてご覧ください。
「ゆめたま」
高温条件下でも安定した肥大と形状を両立した早生品種
「そらたま」
高温・干ばつ条件下で収量確保が期待される北海道向け品種
それぞれの記事では導入産地の事例・評価されたポイント・栽培上の注意点など、現場で活用できる情報を紹介しています。
今回整理した「課題」と「対処のヒント」を、
品種の特性とあわせて確認することで、より具体的な一手につながります。
お問い合わせ
株式会社サカタのタネ 種苗統括部
〒224-0041
神奈川県横浜市都筑区仲町台2-7-1
TEL 045-945-8802

















