なぜ今、室内で「水耕栽培」なのか?

窓際で育てたレタスの水耕栽培
私が水耕栽培を始めるきっかけは、上の子の出産後に「野菜も高騰しているし、自分でレタス育ててみようかな」と思ったことでした。
しかし、従来のプランター栽培(土耕栽培)には以下のような高いハードルがありました。
・重い土の持ち運びや、配合の手間
・不要になった土の処分問題(マンションでは特に大変)
・同じ土で続けて育てると育ちが悪くなる連作障害(れんさくしょうがい)の知識や、土の管理が大変
・虫の発生への不安
そこで行き着いたのが、土を一切使わず「水と肥料」だけで育てる水耕栽培です。現代の暮らしにぴったりなメリットがたくさんあります。
・省スペースで栽培できるので室内の窓際で清潔に育てられる:土を使わないため虫が出にくく、部屋を汚しません。
・「観賞」と「収穫」の一石二鳥:成長していく緑をインテリアとして眺められ、料理で「あと一品足りない」という時にその場でサッと収穫できます。スーパーへ買いに行く手間も省けます。
・子どもと一緒に育てる喜び・食育になる:窓際で種から育つ姿を目の前で観察できます。「自分で育てて、収穫して、食べる」という体験は、野菜嫌いな子どもの食育や家族の思い出作りに最適です。
・災害時の備え・生きるスキルになる:万が一の震災時にも、室内で野菜が育っていれば安心です。自分で食べるものを育てるスキルを身に付けることは、今の時代とても大切だと実感しています。
ほぼ100円ショップで揃う!準備するもの
初期投資を極限まで抑えるため、身近にあるものや100円ショップ、ホームセンターで揃うものだけを使います。
| アイテム | 購入先 |
|---|---|
| 透明の空き容器 | 自宅にあるもの |
| バーミキュライト | 100均 / ホームセンター |
| 種 | 100均 / ホームセンター |
| 微粉ハイポネックス | ホームセンター |
| タッパー(大容量) | 100均 |
| アルミテープ | 100均 |
| 黒いゴミ袋 | 100均 |
| スポンジ | 100均 |
| カッター | 100均 |
| 名前ペン | 100均 |
| 霧吹き | 100均 |
私が実際に栽培している方法
私はこれまでスポンジへ直接蒔いたり、ハイドロボールで栽培するなどさまざまな方法を試しましたが、「スポンジは水分量の調整が難しくて発芽率が低く根っこが下へ突き抜けにくい」「ハイドロボールは収穫後に絡みついた毛や根っこを取り除くのが大変で、さらに容器の洗浄も面倒」という壁にぶつかりました。
そこで、「発芽までは無菌のバーミキュライトで行い、育ったら液肥入りのタッパーへお引っ越し(定植)させる」といういいとこ取りの方法にたどり着きました。これで成功率が劇的にアップすることがわかったので今もこの方法で栽培しています。
①水耕栽培容器の作り方
水耕栽培の容器選びに迷ったら、市販のタッパーがイチオシです!その理由は大きく3つあります。
・省スペースで育苗できる:コンパクトなので、限られたスペースでも効率よく苗を育てられます。
・液肥の蒸発を防げる:蓋がしっかり閉まるため、大切な液肥が蒸発してしまうのを防げます。
・水やりの手間が激減:2.4L程度の大きめサイズを選べば、液肥をたっぷり溜められるので、頻繁に継ぎ足す手間がかかりません。
手軽に始められて管理もグッと楽になるので、これから水耕栽培に挑戦する方には特におすすめのアイテムです。
それでは、具体的な作り方を見ていきましょう!
タッパーの蓋に穴を開ける
タッパーを用意します。

水耕栽培に使うタッパー
タッパーの蓋に名前ペンで印をつけます。

タッパーに名前ペンで印をつける
カッターで約1.5cm×約1.5cmの四角い穴を開けます。

カッターで蓋に穴を開ける

蓋に穴を開けた状態
アルミテープを貼る
100円ショップに売っているアルミテープを使用します。
遮光することで、容器の中に緑色の藻が発生するのを防ぎます。

100円ショップのアルミテープ
タッパーの蓋の表面にアルミテープを貼ります。

蓋の表面にアルミテープを貼る
その後に全て穴を開けます。

蓋が完成
黒いゴミ袋を被せる
100円ショップの黒いゴミ袋を使用します。

100円ショップのゴミ袋
タッパーが光を通して藻の原因になるのを防ぐため、容器の内側に黒のゴミ袋を被せるように固定すれば完成です。

黒いゴミ袋を内側に被せる
タッパーの水耕栽培容器が完成しました!

タッパーの水耕栽培容器が完成
②種まき〜定植(お引っ越し)
次に、種まきから定植までの流れを解説していきます!
種まき
透明の空き容器にバーミキュライトを2cmほど入れます。

深さ2cmくらいにバーミキュライト入れる
水道水でバーミキュライトを潤していきます。

バーミキュライトに水道水で潤いを与える
種を蒔きます。光を必要としない種は少し土に埋め、必要な種は上からパラパラと蒔いていきます。

種を蒔く
最後に霧吹きをかけます。

最後に霧吹き
ここでプチ注意ポイント!
バーミキュライトを移すとき、細かい粉がとても舞います。風が強い日に外で作業すると粉まみれになるので、作業は「室内でそっと行う」か「風のない日」にしてくださいね。
発芽までの管理
1日に1回、霧吹きで水を与えます。バーミキュライトは高温殺菌されているため虫が湧きません。保水性、保温性も抜群なので根が綺麗に育ちますし、さらに水とバーミキュライトだけでは藻が発生しないので、管理が楽です。
苗の抜き取り
1〜2週間ほど経つと双葉が開いてきます。

発芽する
容器の底を確認してみて、根っこが張り巡らされているのが見えたら大体5cmくらい伸びてきていますので引越し準備のOKのサインです。

容器の底を確認すると根っこが見えてくる
水道水を注いで苗を抜き取りやすいようにバーミキュライトを緩めます。

バーミキュライトを水道水でゆるゆるにする
苗をスポッと抜きます。

苗を抜いていく
スポンジに挟む
根っこに付着しているバーミキュライトを水で軽く洗い流します。

根っこを洗浄する
蓋の穴より一回り大きめに四角く切ったスポンジに半分切り込みを入れます。

スポンジに半分切り込み入れる
苗の茎をはさみます。

苗をスポンジの切れ込みにセット

苗をスポンジの切れ込みにセットする上から見た写真
経済的でエコ!バーミキュライトは再利用できる!
苗を抜いた後は、そのまま続けて次の種を蒔いてもOK。天日干し(日光消毒)をすれば、何度でもきれいに再利用できます。

バーミキュライトを棚に置いて日光消毒
スポンジも繰り返し使えて経済的!
今回の方法ではスポンジを「茎にはさんで穴に固定するだけ」に使うため、収穫時に外せばほぼ無傷。汚れが気になる場合は洗浄し、劣化してボロボロになるまで何度も繰り返し使えます。

スポンジは洗浄して繰り返し使える
スポンジのネットも捨てないで!
100円ショップの「ネット入りスポンジ」を使う場合、中身を取り出した後の外側ネットは捨てずに取っておきましょう。固形石鹸を入れて泡立てネットにしたり、お掃除に使ったりと大活躍します。

スポンジのネットも再利用できる
タッパーに苗をセットする
作成しておいたタッパーの蓋の穴に、スポンジごと苗をはめ込みます。

タッパーの蓋に苗を設置する

タッパーの蓋に苗を設置する2
全ての苗をタッパーに入れました!

タッパーに全ての苗をセット
液肥を入れる
水だけでは野菜は大きく育ちませんので水耕栽培専用の肥料を入れていきます。
微粉ハイポネックスは粉末タイプなので計量しやすくコスパ最強なので一番おすすめです。

微粉ハイポネックス
2Lのペットボトルに水道水と2gの微粉ハイポネックスを溶かして入れていきます。

微粉ハイポネックス計量する

微粉ハイポネックスと水道水をペットボトルに入れる
タッパーに液肥を注いでいきます。

タッパーに液肥を入れる
液肥の管理で気をつけること
・液肥の量:液肥の水位は根の長さの4分の3程度にします。茎まで水を入れてしまうと、根が酸素不足で窒息し、根腐れして枯れてしまいます。根の上部を空気に触れさせておくのが最大のコツです!

液肥の水位は根っこの4分の3ほど
・普段のお手入れ:基本は「減ったら足す(継ぎ足し)」でOK。ただし、見た目がドロドロしてきたら一度すべて捨てて新しい液肥に交換してリセットしてください。
・真夏の注意点:暑い時期は液肥がとても腐りやすくなります。根腐れを防ぐため、真夏は1週間に1回の「全替え」がおすすめです!
さらに大きく育てる秘密は「密植しないこと」!
実は、野菜も人間と同じです。満員電車でたくさん混み合っていると、すごくストレスを感じますよね。野菜もひとつの容器にギューギューに植えられると、強いストレスを感じて小さな株にしか育ちません。
もし「もっと大きな株に育てたい!」と思ったら、タッパーよりもさらに大きい容器にお引っ越しさせてみてください。
「液肥の容量が多くて、ひとつの容器に対する株数が少ない」状態を作ってあげると、根っこがストレスなくのびのびと広がっていき、見違えるほど立派で大きな株に育ちます!
収穫の仕方
葉物野菜は、いい大きさに育ってきたら株ごと抜かずに、外側の葉から必要な分だけハサミで切って収穫する「かきとり収穫」がおすすめです!
中心の新芽を残しておけば次々と新しい葉が育つため、一つの株から長期間にわたって何度も繰り返し、長く収穫を楽しむことができますよ。

かきとり収穫したレタス
失敗を防ぐ環境設定
私は一番日当たりの良い「南側の窓辺」に置いています。
水耕栽培を始めるなら、部屋の奥まで一番光が差し込む秋冬がベストシーズン。でも、それ以外の季節だってちゃんと楽しめます!
ポイントは、南側の窓際で半日陰でも育つ野菜を選ぶこと。
年間を通して、強い光がなくてもたくましく育ってくれる野菜はたくさんあります。南側の窓際を定位置にしてあげれば、秋冬以外の季節も心地いい半日陰の状態になって、野菜たちはマイペースにちゃんと育ってくれます。

南側の窓際に設置

5月頃の南側の窓際の大葉と春菊
【超重要】レースのカーテン越しは絶対にNG!
室内栽培でついやってしまいがちな「レースのカーテン越し」ですが、これは絶対にNGです!
レースのカーテンで光を少しでも遮ってしまうと、野菜は光を求めてヒョロヒョロと茎ばかりが伸びる「徒長(とちょう)」という状態になり、ひ弱に育ってしまいます。カーテンは開けて、ガラス越しに「直射日光」がしっかりと当たる特等席に置いてあげてください。

徒長したレタス

秋から冬にかけて栽培した頃の写真
温度管理
室温が30度を超えてくると液肥の温度が上がり、根腐れしやすくなります。夏場はできるだけ涼しい場所に移動させてあげてください。
この方法で収穫できた野菜たち
このやり方で、省スペースながら本当に色々な野菜を収穫できました!
・葉物野菜:レタス、水菜、春菊、小ねぎ、大葉、スイスチャード、ビタミン菜
・実のなる野菜:矮性ミニトマト
・根菜:時なし小蕪、二十日大根
最初はタッパーでコンパクトに、大きく育てたい野菜などはさらに大きな容器へシフトしていくことで、バリエーション豊かな家庭菜園が楽しめます。

矮性ミニトマトと小松菜のリボベジ

時なし小蕪と春菊

水菜と矮性ミニトマトレジナミックス
まとめ:失敗を恐れず心が豊かになる暮らしを始めよう
バーミキュライトから液肥への引っ越しは最初は少し手間に感じるかもしれませんが、作業しながら1ヶ月後の野菜を収穫している自分をイメージするとすごくワクワクしてきますよ!このひと手間で成功率が格段に上がり、その後の管理が圧倒的に楽になります。
また「枯らしたらどうしよう…」と不安に思う必要はありません。私も数え切れないほどの失敗を重ねて、ようやくこの快適な方法にたどり着きました。もし失敗したとしても、次はどうしようかと考えること自体が水耕栽培の大きな楽しみです。
小さな種から芽が出て、毎日その成長を見守り、収穫して、自分のご飯と一緒に食べる。たったそれだけのことですが、驚くほど心が豊かになり、幸せな気持ちに満たされます。
初期投資も安く、省スペースで今すぐ始められる「100均水耕栽培」。土や虫が苦手な方もぜひ一度、この手軽で素敵な世界へチャレンジしてみてください!
次回は、水耕栽培の蓋の作り方についてご紹介します。普段捨ててしまうような空き容器を使った簡単な方法から、蓋のない容器でも100均のカラーボードを使えば自由自在に加工できる方法まで、幅広くお伝えする予定です。お手持ちの容器に合わせて水耕栽培の幅がぐっと広がる内容になっていますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!

窓際のレタス















