日栄インテックのスーパーアグリハウスに注目
全国から参加者が集う施設見学会

2026年7月15日、日栄インテックが千葉県印西市に置くイチゴ栽培施設で、施設見学会が行われました。目玉は“関東でも夏秋イチゴが安定的に作れる”スーパーアグリハウスです。午前と午後の2部制で、いずれの回も全国から約20名の参加者が集まりました。
参加者は、既にイチゴ栽培をおこなっている生産者から法人として農業参入を検討している企業の方などさまざまです。
10アールの設備で複数種のイチゴを栽培
スーパーアグリハウスは、千葉ニュータウン中央駅からマイクロバスで約10分の場所にあります。4棟・合計10アールの広さを持つ、日栄インテックが本格的な研究のために建設した栽培施設です。現在は、冬春イチゴと夏秋イチゴを合わせた5品種を栽培しており、各種設備の性能と収量の関係などを、多角的な視点から最適な品種の検証をおこなっているそうです。
日栄インテックの担当者は、品種選定について次のように説明します。
「現在は、輸送性を考慮し、やや果実が硬くなる品種を選んでいます。『よつぼし』は安定しているという実感があります」

多様な機器を導入し効率的な栽培を追求
スーパーアグリハウスには、農業用ヒートポンプや二重に張られた遮光カーテン、高設栽培ベンチの下に冷気を送り、根を冷やすシステムなど、さまざまな設備が導入されています。
また、施設内の温度や湿度などの環境は、スマートフォンやパソコンから遠隔で確認・操作できます。

この日の千葉県内の最高気温は33.4度でしたが、ハウス内は30度未満に保たれていました。外気温が高い日でも、作物の生育に適した環境を維持できる点は、環境制御型施設の大きな特徴です。
高設栽培ベンチの間の通路は、見学者が移動しやすいよう、やや広めに設計されています。今後は、見学のしやすさを保ちながら、栽培効率をさらに高められるよう改善を重ねていくといいます。
約45分間の現地見学では、参加者から設備や栽培方法について積極的に質問が寄せられました。
イチゴビジネスの課題と勝ち筋は?講座で語られた夏秋イチゴ栽培
イチゴビジネスの理解を深める特別セミナー

現地見学の後は、別に用意された講演会場へと移動し、「イチゴビジネスの課題と勝ち筋」と題した特別セミナーが実施されました。講師を務めたのは株式会社イチゴテックの宮崎大輔(みやざき・だいすけ)さんです。
国内外40社以上への支援実績を基に、セミナーの前半はイチゴビジネスの市場卸売価格のデータ、品種、商流なども織り交ぜながら説明されました。
「夏秋イチゴの市場規模は、イチゴ全体の1割以下。簡単に言うと、夏に涼しいエリアで行われているニッチなビジネスです。そして、主な用途はケーキなどの菓子です。メリットは高単価で安定したニーズがあること。その代わり、販路が限られ、栽培は難しく、輸送コストが掛かりやすいことがデメリットです」(宮崎さん)
「スーパーアグリハウスはゲームチェンジャー」
セミナー後半では、夏秋イチゴ栽培を事業として成立させるための、より実践的な戦略が紹介されました。
「弓矢で戦っていた時代に、火縄銃が登場して、一気に世の中が変わった。スーパーアグリハウスはこれと同じようなゲームチェンジャーになるのではないでしょうか」と宮崎さん。「夏秋イチゴは一般的に、北海道や東北で単棟のパイプハウスで換気だけ行うパターンが多い。対してスーパーアグリハウスは、関東などで連棟鉄骨ハウスにヒートポンプを入れています」。
宮崎さんが強調したのは、既存のイチゴ農園ではできない生産・販売を行う重要性です。そのための事業モデルとして「観光事業」「インバウンド向け事業」、更に参加者に向けた地域別モデルにも触れながら説明されました。
企業の農業参入の一手として
特別セミナー後に「質問もとても多く、参加者からの熱意がすごいなと感じました」と感想を話した宮崎さん。
参加者からも「専門家の話が聞けて良かった」(一般企業・男性)、「実際の設備で栽培している様子が見られて勉強になった」(一般企業・女性)などと満足そうな声が多く聞かれ、注目度の高さを感じられる見学会となりました。
コストを下げるためのワンポイント
日栄インテックの営業担当者は、施設導入時のコストについて次のように話します。
「昨今は資材費や光熱費が高騰しており、設備の建設費も上昇しています。見積書を作成するたびにコストが上がっている状況で、『今日が一番安い』ともいえる状況です。初期費用を抑えるためには、地域ごとに利用できる補助金を確認することが重要です」
日栄インテックでは、施設の導入支援を通じて、補助金に関する知識も蓄積しています。地域や事業計画に応じて、活用可能な制度を確認することが、初期投資の負担軽減につながります。
また、ランニングコストについては、観光農園として運営することで、収穫作業にかかる人件費を抑えながら収益を高められる可能性があります。
営業担当者によると、グランピング施設にスーパーアグリハウスを導入した事例では、「雨天でもイチゴ狩りを提供できる」と好評だったそうです。
最後に
企業が農業への参入を検討する際、重要なのは「何を栽培するか」だけではなく、「どのような施設で、誰に、どのような価値を届けるか」です。
スーパーアグリハウスは、環境制御による安定生産に加え、観光農園やグランピング、インバウンド向けの体験サービスなど、農業と異業種を組み合わせた事業展開を可能にします。
夏秋イチゴの栽培を、新たな農業ビジネスの入口にする。日栄インテックは、施設の導入から事業モデルの検討まで、企業の農業参入を支援しています。
夏秋イチゴ栽培や太陽光型植物工場に関心のある方は、ぜひお問い合わせください。
お問い合わせ先
【日栄インテック株式会社】
担当:アグリテック事業部
メールアドレス:agritec@nichieiintec.co.jp
HP:hhttps://www.nichieiintec.jp/
















