3000年前から栽培されていたニラ
中華料理に欠かせない、独特なニオイが食欲をそそるニラ。原産国の中国では、3000年前から栽培されていたという記録が残っている歴史ある野菜です。日本に伝わった時期も古く、9~10世紀頃と言われており、古事記や日本書記にも登場するのだとか。
肉の匂い消しにもなる強い香りが特徴で、葉幅1センチほどで柔らかい大葉ニラが主流です。ニラの栄養価は非常に高く、自律神経を刺激して新陳代謝を活発にしたり、消化促進の効果があるため、胃もたれなど体に疲れた時の強い味方です。近年は黄色いニラや、花がついた柔らかいニラも注目されるようになってきています。
鮮度の良いおいしいニラの見分け方
鮮度の良いおいしいニラは、葉にツヤがあり、みずみずしい緑色をしています。葉先までまっすぐに伸びて、葉の幅が広く肉厚のものを選びましょう。また、葉の切り口が乾いていないものを選ぶとよいでしょう。
ニラの栄養
ニラの独特の匂いの成分は硫化アリルで、自律神経を刺激して新陳代謝を活発にする働きが期待できます。消化促進、食欲増進の効果があるので、食欲不振、胃もたれのときによいと言われています。カロテン、ビタミンC、B1、B2、Kなどもバランスよく含んでいます。
ニラの保存方法
ニラを保存するときは、空気に触れないようラップに包んで冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。葉は非常に傷みやすいので、折れないよう注意します。ラップをきつく巻きすぎないようにし、傷つけないように保存しましょう。
水気が付いていると腐りやすくなるので、保存前に水気は拭き取り調理する直前に洗うようにしましょう。
ニラの旬と時期
ニラは1年を通して市場に出回りますが、本来の旬は冬から春にかけての時期です。そのため現在でも1月から5月にかけての出荷が比較的多くなっています。
ニラの賢い調理方法
ニラの特性を生かした賢い使い分けをご紹介します。
臭いが気になるとき
ニラの臭いが気になるときは、ゴマ油で炒めたり、鍋料理などで肉類と一緒に調理することで臭いが気にならなくなります。
臭みのある肉料理に相性抜群!
ニラの臭いの成分である硫化アリルは、肉の臭みを消す効果があります。そのため、レバーやジンギスカンなど、臭いが強い肉と一緒に食べると肉の臭みを和らげてくれます。
疲れたとき、食欲がないときこそニラ料理!
ニラは栄養価が非常に高いので、疲労を感じる時に是非食べたい野菜です。ニラを刻んで雑炊や粥に入れると喉ごしもよく、さらに卵を加えると栄養満点の料理になります。
万能調味料「ニラ醤油」
生のニラを刻んで醤油につけておけば、万能調味料「ニラ醤油」の出来上がりです。炒めものの味付けに、焼肉のタレにと大活躍するほか、ニラ自体もラーメンの薬味などでおいしくいただくことができます。
ニラの下ごしらえ
ニラを茹でてから使う場合は、まずザク切りにするのがポイントです。根元から1cmで切り離し、3、4cmほどの長さで切り分けます。たっぷりのお湯で30秒ほど茹でたらザルにあげましょう。色鮮やかに仕上げたい場合は冷水で冷やしますが、そのままザルで冷ましても大丈夫です。
ニラをおいしくするワンポイント
ニラの臭いの元であるアリシンは葉に傷が付くことで臭いを発します。そのため、香りを高めたい時には、アリシンが多く含まれる根元の近くを細かく刻んで少し時間を置くのがおすすめです。
また、スーパーの帰り道などで、葉を折った状態で持ち帰ると、他の食材やバックなどに臭いがつくので注意するようにしましょう。
ニラの種類
花ニラ
葉の先に黄色いつぼみがついたニラ。つぼみと茎を食用とします。やわらかく香りは控えめで、炒め物に最適です。
黄ニラ
軟白栽培をしたニラの新芽で、やわらかく甘みが強いので、おひたしや汁物に向いています。
行者菜
ニラと行者ニンニクを交配した新種の野菜。ニラよりもビタミンAが多いのが特徴で、5月から9月にかけて出回ります。
餃子や鍋など、中華料理には欠かせない食材がニラです。独特の香りを楽しみながら、ぜひ食卓に登場させてみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)