送料負担で買い手、生産者をサポート
こだわりの農産物を販売するECサイト「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデンは、公立小中高の臨時休校申請を受け、自宅で食事が増えることを想定し、2500品目以上ある商品の送料500円を負担する応援プログラムを実施した。イベントの中止や外食控えなどによる出荷減に苦しむ生産者を支援しながら、普段ECサイトを使わない消費者にもその利便性や品質を体験してもらう機会とした。
同社は生産者に向け、「新型コロナウイルスの影響で、出店予定だったイベントの中止や飲食店からのキャンセルなどがありましたら、この機会に是非出品ください。食べチョクは生産者を全力でサポート致します」と、サイト上などで呼び掛けている。
同社の秋元里奈(あきもと・りな)代表は、「不安な状態が続く今だからこそ、食べチョクとしてできることがないか?メンバーと何度も話し合いプログラム開始を決めました。少しでも消費者さん、生産者さんの不安払拭に貢献できたら嬉しいです」と話した。キャンペーン期間は、2020年3月31日(火)23:59まで。

商品ページイメージ図
レシピサイトは「無料開放」で献立をアシスト
急に自炊を強いられる状況になり、献立のレパートリーに悩む人の助けになる動きも現れた。レシピサイトを運営するクックパッド株式会社は、普段は有料会員向けの「人気順検索」機能を3月15日まで無料開放し、在宅勤務や休校要請で自炊が増えた家庭への支援をサイト内で始めた。「負担軽減お助けレシピ」というカテゴリを新設し、おすすめのレシピの集約もしている。
dely株式会社が運営する、管理栄養士監修のレシピ動画サイト「クラシル」も、「お助けランチ」特集を掲載。同社は、「普段は昼食を作らない方でも、栄養バランスの取れたおいしい食事をお子様に作れるよう」サポートしたいとし、「10分でできる」「火を使わずレンジだけで作れる」レシピや、「お子さまも大好き定番メニュー」「即席 丼ものレシピ」 など計30レシピ以上を紹介している。また、学校給食の影響が心配される酪農乳業界を応援しようと、ポタージュやカルボナーラや牛乳を活用したアレンジレシピを掲載した。
食材やミールキットの通販などを手がけるオイシックス・ラ・大地株式会社は、人混みや外出を避ける消費者が多いなか、家で手軽に準備できるランチメニューや手巻き寿司の具材セットや冷凍のお好み焼きなど、家族で楽しめる夕飯メニューを「おこもりごはん」と題して特集し需要を生んでいる。
新型コロナウイルスの早期収束が望まれるなか、各社が生産者、消費者のそれぞれの負担を少しでも軽減しようと支援したり、利便性の高い商品を提案したりという動きは今後も活発になりそうだ。