開発までの道のりは、地道で大変な作業の連続
兵庫県立北部農業技術センター 農業・加工流通部の牧 浩之（まき・ひろゆき）さんに「兵庫N-1号」について聞きました。
兵庫県では、冬に露地で栽培できる品種が少ないという課題がありました。そこで、この状況を解決するため、兵庫県立北部農業技術センターは、県内で広く栽培できて冬の露地野菜を盛り上げる品目はないかと考えました。その中で、鍋料理などで使われ、冬が需要期となるネギに注目しました。
新しいネギの開発までは、とても地道で大変な作業の繰り返しでした。交配を一回すると何千粒と種ができます。すべての種をまき、出てきた芽をみて、質が良いものを選択。子孫が同じ形や色味で育つのか、つまり品種として安定しているかを確認します。開発までにはなんと合計10年かかりました。
ーーこうして、11月から2月に収穫できる新品種のネギ、「兵庫N-1号」（冒頭写真）ができたのですね。このネギにはどのような特徴があるのでしょうか。
白ネギと青ネギのどの特徴を併せ持っているのか
白ネギである下仁田（しもにた）ネギの太くて立派であるという特徴と、九条（くじょう）ネギの青い部分も白い部分も柔らかくておいしく食べられるという特徴を併せ持っています。
九条ネギは、冬の栽培で分げつ（茎が別れること）を起こしてしまうため、1本1本が細くなり、商品価値が落ちてしまうという課題がありました。しかし、白ネギと掛け合わせることで分げつせず、太くて、緑の部分も白い部分もおいしく食べられるネギができたのです。
ーーまさに、いいとこ取り！ よくスーパーマーケットで見かける白ネギ（根深ネギ）と比べて、栽培方法にはどのような違いがあるのでしょうか
栽培方法は？
根深ネギに分類される白い部分が長いネギは、ネギの茎に土をかけて白い部分を伸ばしていく土寄せの作業が3～4回ほど必要ですが、新品種「兵庫N-1号」は1回少ない回数で済みます。
注意すべき病害・害虫は、他のネギと同様にさび病・スリップス（アザミウマ類）です。
病害虫に注意して、青い部分もきれいにつくりましょう！
ーー作業が少なくなり、労力が軽減するのは嬉しいですね。新品種「兵庫N-1号」について教えていただき、ありがとうございました！
愛称を募集中！ 採用されると記念品がもらえる
「兵庫N-1号」は愛称を募集しています。
（1）募集期間
2022年11月1日～12月27日午後５時まで
（郵送の場合は当日消印有効）
（2）応募方法
秋冬ネギ新品種「兵庫N-1号」愛称応募フォームから応募ください。
または、応募用紙に必要事項を記入し、メール、郵送、ＦＡＸにて応募ください。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/press/documents/20221028_11560_3.pdf
（3）審査発表
2023年2月上旬頃（採用者に通知するとともに、兵庫県立農林水産技術総合センターのホームページなどで公表）
採用者には記念品が贈呈されます。（北部農業技術センター産の農産物及び加工品）
問い合わせ先
兵庫県立農林水産技術総合センター北部農業技術センター
農業・加工流通部（担当：牧）
住所：〒669-5254
兵庫県朝来市和田山町安井123
電話：079-674-1230(代表)
FAX：079-674-2211
E-mail：Nouringc_hokubu@pref.hyogo.lg.jp
※電話での応募はできません
