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苗が枯れた、蜂が訪花しない・・・経験者ゼロのケーブルテレビと肥料メーカーが目指す地域を笑顔にするいちご農園

苗が枯れた、蜂が訪花しない・・・経験者ゼロのケーブルテレビと肥料メーカーが目指す地域を笑顔にするいちご農園

農業で地域を元気に―。埼玉県入間市の地元ケーブルテレビ会社が、地域課題に取り組む新事業としていちご農園を立ち上げました。しかし、異業種からの新規参入、農場スタッフ全員が栽培経験なし。不安を抱えてスタートした挑戦が、度重なるピンチを乗り越えて実を結ぼうとしています。思いを叶える陰には、いちご生産者たちと歩む肥料メーカーの存在がありました。定植から3カ月、農場長と栽培担当者にいちご栽培の軌跡と展望を聞きました。

地域課題に取り組む事業を スマート農業に参入した地元ケーブルテレビ

都市生活と農業が隣り合う埼玉県入間市。
2023年1月、ここに市内3か所めのいちご園がオープンします。

いちご栽培を手掛けるのは、地元企業・入間ケーブルテレビ(以下ICTV)を親会社に持つ株式会社ICTVスマイル農場(以下スマイル農場)です。

ICTVは、「地域あってのケーブルテレビ」との思いから、耕作放棄地や後継者不足といった地域課題に取り組むため、2020年からスマート農業に参入。同県東松山市で稼働させた植物工場でレタス栽培を軌道にのせ、2022年より新たにいちごの施設栽培をスタートしました。

取材に訪れた 12月上旬。5連棟600㎡のハウスの中では3200株のいちごが花を咲かせ、色濃く茂った葉の間に赤い実がキラリと顔をのぞかせています。

「これでグランドオープンを迎えられそうです」と笑顔を見せるのは、いちご栽培を担当する高星愛さんです。前職は医療系の事務職で農業は全くの未経験。地元で大好きないちご栽培に取り組みたいという熱意を買われ、採用されました。
入社後1年間は市内の社会福祉法人が運営するいちご園で研修させてもらい、現在はパート従業員と2人でスマイル農場の栽培管理をしています。

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株式会社ICTVスマイル農場・高星愛さん。「いちごの成長を見ることが毎日楽しみ」と笑顔で話します

農場長の西澤洋子さんは、ICTVで渉外企画や総務を経験し、植物工場立ち上げを機にスマイル農場に着任しました。「今回、経験がなくても環境制御技術で作業効率化が図れ、自然条件に左右されにくい施設栽培の品目としていちごを選択しました」と事業の背景を話します。
レタスの営業を通していちごの需要が高いことがわかり、入間市にいちご園は2軒しかなかったことなど、マーケティング面の判断もあっての挑戦。規模的に観光農園ではなく、ケーブルテレビ加入者ら地域住民に向けたサービスとして直売することを決めました。

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株式会社ICTVスマイル農場・農場長で野菜ソムリエの資格も持つ西澤洋子取締役

尽きることのない栽培の懸念、うれしかったICTV社員の応援と心強いフォロー

初心者にとっては、わからないことばかりのいちご栽培。高星さんにとって育苗は苦労の連続でした。
まず、親株からポットに苗を植え付ける段階で、ランナーが作業台の編み目に入り込むアクシデントが。救済作業に時間を取られているところに、ICTVの社員らが応援に駆けつけ、新苗を作ることができました。

特に大変だったのは、朝夕2回の潅水作業です。
「初めてなのでかなり多めに7000株を取ってしまい、全てに手が回らないほど水やりに時間がかかりました。7月8月の猛暑で苗が枯れ始めたときは本当に焦りました」と高星さん。
西澤さんも「暑さで枯れ始めたときは本当に挫折しかけました。ICTVの社長からも、初めての経験だから失敗してもいいよと言われていたんです」と振り返ります。しかしその時、「成功させましょうよ」と、社内から励ましの声と人手の協力が。「潅水を続けるうちに新葉が成長して、植物の生命力の強さを実感しました」と難局を乗り越えたエピソードを語ってくれました。

頼れる存在が、もう一人。肥料メーカー・株式会社ジャットの大谷邦洋さんです。同社が開発した「ジャット式いちご高設栽培システム」はいちごの作りやすさと食味だけでなく、栽培フォローにも定評があり、初心者しかいない農場の大きな支えになりました。

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株式会社ジャット・関東支店の大谷邦洋さんから説明を聞く西澤さんと高星さん

「苗が枯れたときも素人のため原因が分からず、ジャットの大谷さんに見てもらいました。病気ではないとわかって少し安心できました」と高星さん。大谷さんは定期的に現場を見に来てアドバイスをくれるほか、スマホで送った写真を確認し、相談に応じてくれることもあるそうです。

2022年9月、高星さんたちが育てた苗は、ICTVの社員などの力を借りた人海戦術で、無事にジャット式高設ベンチに定植されました。ハウスに放したミツバチが花とは違う方向に飛んでいき高星さんをハラハラさせることもありましたが、やがて花から花へと活発に飛び回るようになりました。

地域を笑顔に、愛される農園へ ジャットとともに目指す未来

高設栽培システムにジャット式を評価するポイントについて西澤さんは、「まず、土づくりをする必要がないことがあげられます。ジャットさんの培養土を使えば、経験がなくても失敗せずにうまく栽培できると聞き、安心して採用できました」と話します。
「そして一番の理由は栽培フォロー。何せいちご栽培は一年目なので分からないことが多く、液肥のスケジュールまでていねいに出していただき大変ありがたかったです」と話します。ジャット式は他の高設栽培よりも培養土が多いので失敗しにくく、土自体も20年使える長寿命で経済的。見学会や勉強会を通して生産者同士の交流もあり、西澤さんも見学会でジャット式の良さを実感していました。

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高さと幅が作業しやすいと評判のジャット式いちご高設栽培システム

スマイル農場では、埼玉県の農場評価制度であるS-GAP認証を取得して持続可能な農業を目指し、地域のさまざまな事業者といちご加工品の開発の交渉を進めてフードロスの削減にもつなげようと、企業としてあるべき姿に注力しています。

栽培に伴走してきたジャットの大谷さんは、「スマイル農場の皆さんは、本当に毎日楽しそうで熱意があり、いつも驚かされます。そんなプロジェクトに陰ながら携われたことをうれしく思っています」と顔をほころばせます。
「たくさんの人の思いを背負っていて失敗できないプレッシャーも感じていますが、無事に実ったいちごの食味で驚かせたいですね」。大谷さんのアドバイスのもと、初年度に栽培した品種は紅ほっぺ、やよいひめ、おいCベリーの3つ。来年度は埼玉県オリジナル品種のあまりんも計画しています。

スマイル農場の2人に今後の抱負を聞くと、「地元の入間市をいちごで盛り上げていきたい」と高星さん。経験がなくてもシステムやサポートのおかげでいちご栽培ができることがわかり、自分たちの農園を見て農業をやってみたいと思う企業や人が増えることも願いです。

西澤さんは「地域の皆さんに愛される農園になれたら」と語ります。ハウス前の広場でマルシェを開き、地域の農家の作物も一緒に販売し、キッチンカーを呼んで地域の方々とのふれあいの時間を増やすなど、ケーブルテレビ局ならではの地域活性化のイベントを開催していきたいと話してくれました。

いちご農園の直売は、2023年1月5日(いちごの日)にグランドオープン(以降、毎週火・木・土・日の10~12時に販売)。
「農業で地域を笑顔に」と描いた未来への一歩を踏み出します。

安心のジャット式いちご高設栽培システムはこんな方におすすめ

異業種から農業(いちご栽培)への参入を検討している事業者
他の作物からいちご栽培への参入を検討している農業法人
・いちご栽培に悩みのあるいちご生産者
 

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【取材協力】

株式会社ICTVスマイル農場
〒358-0021 埼玉県入間市高倉5-17-27 入間ケーブルテレビ内

【お問い合わせ】

株式会社ジャット

・本社
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場四丁目2番4号 日本生命御堂筋ビル9階
TEL:06-6121-4300/FAX:06-6121-4302

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