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肥料や資材を買う前に知っておきたい! 「無料」で調達できるアイテムと、ご近所付き合いでもらえるお宝

伊藤七

ライター:

連載企画:ずぼら女子の半農半X

肥料や資材を買う前に知っておきたい! 「無料」で調達できるアイテムと、ご近所付き合いでもらえるお宝

本格的な家庭菜園を始めようとすると、意外とお金がかかることに気付きます。まとまった量の培養土や肥料、マルチ、種を買うだけでもばかにならない費用がかかるものです。中東情勢の悪化に伴い原油価格が高騰する昨今、農機やビニールハウスも揃えるとなれば、なおのことでしょう。
しかし、地方で暮らしていると、栽培に必要なものが無料で手に入ることもあります。本記事では、地域に人脈がほとんどない筆者が、どのような資材をどのようなルートで入手したのかをご紹介します。

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【人脈がなくとも無料で入手可能】アイテム紹介

地域の人とのつながりがあまりない筆者でも、無料で入手できるアイテムはいくつかあります。

糠(ぬか)

コイン精米機

糠(ぬか)にはさまざまな栄養が含まれているので、肥料として活用できます。もっとも簡単な入手方法は、コイン精米機へ行くことです。コイン精米機にある糠は、基本的に無料で持ち帰ることができるため、人に許可をもらわなくとも入手しやすいです。

ほかにもJAのライスセンターやお米を販売している直売所、農家さんでもまとまった量の糠をいただけることがあるようです。

そのまま畑にまくこともできますし、発酵させて「ぼかし肥料」にしてから使うこともできます。

わたしはずぼらなので、野菜を植え付ける前の畑にささっと撒いて軽く土と混ぜました。ものすごい数の虫がわく、なんてこともなく、栄養を補給できたと信じています。

一方で、土を掘り起こしてみると、塊になっている箇所に白いカビが生えていました。少量ずつ撒いたり、ぼかし肥料にしてから活用した方が良いかもしれません。

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もみ殻

一番外側がもみ殻

お米関連でいえば、もみ殻も無料で入手しやすいアイテムです。もみ殻とは、米の一番外側の堅い殻のような部分。分解されにくいので、表面を覆うマルチとして活用できます。

よく見られる一般的なコイン精米機は「玄米を精米する」ためのものなので、糠はあっても、もみ殻はありません。JAのライスセンターや農家さんからいただくのが現実的でしょう。

以前地域にある複数のライスセンターに電話をかけたことがありますが、「少し前まであったけど、今はない」「個人にはお渡ししていない」との返答をいただき、自分のほしいタイミングで入手することはできませんでした。

ジモティーで検索すると、「好きなだけ持っていってください」と掲載している農家さんを発見。山のように積まれているもみ殻をありがたくいただきました。

もみ殻はそのままマルチとして使っても良いですし、もみ殻くん炭にしてから土の中に入れても良いでしょう。くん炭にすることで、通気性がよくなったり、微生物のすみかになったりと、畑にとってメリットが大きくなります。

腐葉土

落ち葉に糠をふりかけて腐葉土づくり

腐葉土も無料で入手しやすいアイテムです。土をふかふかにするアイテムです。わたしは畑のそばに山があるので天然の腐葉土が手に入りますが、山がなくとも枯れ葉さえあれば腐葉土は作れます。

腐葉土の作り方は、下記のそーやんさんの記事を参考にしてください。

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支柱

自然のものを活用して支柱に

住んでいる場所にもよりますが、支柱も無料で入手しやすいと思います。トマトのように背が高くなる植物を支えるものです。その辺に生えている細い竹や笹を切ってくれば、支柱として十分活用できます。

雑草

草刈りで集めた雑草も、もちろん無料で入手可能です。畑に敷いておくことで、土質が良くなります。

下記のそーやんさんの記事では、雑草が生い茂る時期はとくに枯草と米ぬかを合わせる方法がおすすめだと紹介されていました。無料で手に入る「米ぬか」と「雑草」の合わせ技で畑の状態が良くなるのであれば、嬉しいですよね。

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虫対策グッズ

以前アブラムシが発生したので、家にあるものでそれっぽいスプレーを作って吹きかけました。牛乳、唐辛子、お酢、水を混ぜたものです。

吹きかけた瞬間からアブラムシは逃げていき、その後も戻ってくることはありませんでした。

関連記事:https://agri.mynavi.jp/2023_03_19_221257/#toc-9

【人脈があれば無料で入手可能】アイテム紹介

地域の人とのつながりがあれば無料で入手しやすいアイテムについて、千葉県南房総市で農家を営んでいる坪谷真実(つぼや・まみ)さんに聞きました。

気を付けたいのは、無料でもらえることを前提としないこと。普段の近所付き合いの中で助け合っているからこそ、その一環として畑のアイテムをもらえることがあるという話です。

https://agri.mynavi.jp/wp-content/uploads/2026/03/5edbdf677bb81e55f1f68b706c69e2a3.jpg

坪谷さんプロフィール

2021年に南房総に移住し農業を開始。年間約100種類程の野菜やハーブ、果樹、キノコを不耕起で栽培、養鶏も営み、自家採種にも取り組む。
https://www.instagram.com/farm.salud_regen.ag

種・苗

坪谷さんの種コレクション

普段から自分の畑で育てた作物から種を採り、その種を使って栽培することを繰り返している坪谷さん。種や苗の交換は日常的にしているといいます。

地方に住んでいる方は、地域のマルシェに顔を出したり、畑作業をしている人にあいさつをしたりするうちに顔見知りが増えるのではないでしょうか。

坪谷さん

家庭菜園レベルで種を数粒、苗を数株欲しいだけであれば、余っている人からもらうのがおすすめです。種も苗も分け合うことで菜園仲間が増えますし、一袋にたくさん入ってくる種を無駄にせずにすみます。「いつ蒔いた?どうやって作るの?」とお互い情報交換もできます。

木材、ウッドチップ

木材を畑に活用

ガーデンの枠に木材を使ったり、畑にウッドチップを敷いたりしている坪谷さん。木に関するアイテムは、大工さんや製材屋さんからもらえるといいます。

坪谷さん

ガーデンの枠づくりをしたり、ちょっとした道具作りをするのに木材を使っています。大工さんに声をかけておけば廃材をいただけます。

農業をやっていると、「こんなもの欲しいな」や「既製品のものではサイズが合わないな」なんてことが度々ありますが、端切れでも良いので木材を取り揃えておくとパッと自作できて便利です。

鶏のエサや土の栄養になるもの

鶏を飼うことで、生ごみを循環させて堆肥を手に入れている坪谷さん。鶏のエサとして卵の殻やおから、糠、くず野菜、魚などを無料でいただいているそうです。

自然な資源を使って堆肥を作りたい方には参考になるかもしれません。

坪谷さん

もし今から雑草対策として緑肥を活用するのであれば、「おたすけムギ」を使うのは一つの手かもしれません。春にまく大麦で、リビングマルチとして活用できます。栽培したい作物の生育を邪魔せずに、雑草を抑えたり、土壌流出防止などに役立つという仕組みです。枯れた後も土壌にすきこむことで肥料になるので、おすすめです。

坪谷さんいわく、卵の殻は飲食店などの知り合いに声かけして集めているとのこと。おからは、豆腐屋さんが産業廃棄物として業者に回収してもらうと聞きつけ、引き取っているそうです。

くず野菜は近所の農家さんからもらっているといい、作物の入れ替え時期などに畑が片付くとあって、意外と喜んでいただけるそう。魚屋さんからは頭や内臓などの産業廃棄物を分けてもらっているそうです。

多くが廃棄物としてお金やエネルギーを使って処理されるもの。それを新たな生産で生かすことは、多岐にわたる産業がお互いを支える「持続する社会づくり」に大きく寄与しそうです。

その他さまざまな道具

立ったまま草刈りや土寄せ、溝切り、耕作ができる三角ホー

坪谷さんは、コンテナ、苗ポット、育苗箱、セルトレー、ハウスビニール、鎌、肥料袋などさまざまなものを地域の方からいただくようです。

坪谷さん

田舎は高齢化と離農の嵐です。南房総市の高齢化率は47.2%で、全国平均よりも20%ほど高い状況です。

空き家の清掃を行なっているシルバー人材に声をかけておいたり、「こんなもの探してるんだけどどこかにないかな」と知り合いに声をかけておくだけで大概のものは手に入ります。

どれも多くはもらっていく人がいなければゴミとして廃棄されるので、欲しい人と捨てたい人の需要と供給がマッチすることは、過疎化していく田舎には必要なことだと思います。

まとめ

誰でも気軽に入手できるものから人脈があってこそ入手できるものまで紹介しました。とくに高齢化が進んでいる地方では、道具は持っているものの農業を続ける体力のない方や、廃業を考えている方もいらっしゃいます。自分はお金を払ってでも欲しいものを、お金を出してでも引き取ってほしいという方もいるようです。

家庭菜園の楽しみ方は人それぞれだと思いますが、わたしは「食費を節約できているぞ!」「土や水、空気、太陽といった無料のパワーを有効活用しているぞ!」という感覚がけっこう好きだったりします。誰かのいらないものをもらうのは、環境的な意味でも、お財布的な意味でも、嬉しいものです。アイテムを無料で手に入れるのは、ただラッキーなだけでなく、環境にとっても良い面が多いのかもしれません。

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